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決意する幼女!

 「酷いありさまね、暴徒と言えど国民でしょ?」


 「あいつらは旦那様を殺した奴らです。当たり前では」


 ケイン君の言葉は理解出来る、でもそれは感情だけの言葉。領主としてパパンもママンもなんとかしようとしたけど結局何も出来なかった、それは為政者としての怠慢があったのは間違い無い。


 「ケイン、お父様は間違いを犯したのよ」


 「間違い」


 あらケイン君は涙を流して悲しんでるのね。確かにパパンの家の者に対する対応は素晴らしいものだったわ、だからケイン君も私を命懸けで助けてくれた。でもね


 「領主とは領民の生活に責任があるのよ、お父様は領民の生活を守る為に本国と領民双方を説得しなければならなかった」


 「両方ですか」


 「そう、本国には税を高くするデメリットを説いて説得を、領民には何故税が高くなるのか丁寧に、極端に言えば嘘でも良いのよ」


 「嘘なんて、そんなの」


 ケイン君は真面目な子、でも真面目では御しきれないのが政治の世界


 「そうね嘘なんてダメよね、でもね嘘でも納得出来れば領民は暴動を起こさなかったわ。そして本国も極端な増税もしなかった」


 「そんなことあるわけが」


 「ケイン、人は会話をするの、そしてその会話から利を求めるのよ」


 この大陸はこれから間違いなく戦乱が待っている。そしてこのままでは間違いなく誰にも得にならない状況になるわ。


 「それは双方の利で無ければならない、今回で言えばエリザ帝国だけが得をしようとした。だから領民が怒ったのよ」


 「そんなの普通は皇室の命令は当たり前で、それに逆らうなど」


 「それは違うわよケイン!」


 この世界に私がなすべき事がある。


 「今回一番損したのは間違いなく皇室でその命令に皇室が損をするならば利を持って提言するのが領主の仕事、それを怠ったのがお父様」


 「何が、何故旦那様が間違ってると」


 「民を守るのが領主の仕事、お父様はそれを怠った。国を守るのが領主の仕事、お父様はそれを怠った。そしてその結果がこれよ」


 ケインはレイラが示す方向、そうポーツマの街で処刑されてる暴動を起こした者達。


 「民が死んだ、それは国にとって間違いなく大きな損失、それは安定した国家経営運ぶ上で間違い無い失策、今回の事件はエリザ帝国領であるこのアスタリ大陸を戦乱に導く、そしてそれの原因はお父様の怠慢であるのよ」


 「そんな」


 そうこの大陸は戦乱に巻き込まれる。エリザ帝国と言う母親に巣立ちを求める子供がいるように、この大陸は独立を求めてる。


 「でもこのままではアスタリ大陸は血の海が溢れるだけになってしまう」


 「お嬢さま?」


 「ケイン決めたわ、いえ運命なのかしら?」


 「何をお嬢さま」


 「私はレイラの名を捨てる」


 「お嬢さま!」


 レイラ・エードルセン、今から私は女を捨てる。何故と言われたらただ一つ、覇道を目指すから、だからこの髪を捨てる。


 「おやめください、お嬢さまの美しい髪を」


 「ダメよケイン、私は決めたのよ。この大陸を救うと!」


 私はナイフを髪に当て、そしてバッサリと切る


 「ああ、お嬢さま」


 「ケイン、今日から私の事は、いえ僕の事はデビットと呼んでくれないか?」


 「お嬢さま」


 「デビットだよケイン、これから僕はこの大陸に国を作る!」


 「えっ!」


 そう私は立ち上がるべきなのよ、この惨劇を起こしたのはパパンの怠慢であるかもしれない、でもそれだけじゃ無い、私の怠慢でもある。私が現状をしっかり確認していれば違う未来があったはずよ。これは少女でいようとし過ぎた私の罪。


 「この大陸は皆が立ち上がろうとしてる」


 不穏な空気はあったのに、私が必死に動けばもっといい未来はあった。


 「でも何をすれば良いのか理解してない、そうリーダーがいない」


 私は何処か逃げてた。子供だから? 女だから? 前世で疲れたから? そして結果はこのざま


 「ケイン、僕はこの大陸を、いやこの国をアステリアを救う」


 「アステリア?」


 ダメよね、逃げたら。私は政治家、そう最も女性総理に近いと言われた女


 「この地に出来る国の名だよ」


 私に勝てる政治家なんていないのよ、そんなの私が目指すのは総理じゃないわ!


 「アステリア、それが僕が作る国であり、そして僕は」


 【大統領】


 「になる」


 ふふふ、そう私は世界一の政治家なんだから


 この日の事を大統領に常に寄り添った秘書の男は語る。


 「私は偉大な方の側にいれた事が最高の幸運であった」


 秘書が大統領の側にいたのは10年にも満たない、だがその10年は奇跡の10年であった。


 「アステリアの大統領はその日に生まれたのだ、だから在任期間は10年なんだよ」


 その秘書はこの話をする時いつも熱弁をふるう。


 「あの方は世界一の政治家であり、そして最高の大統領であった」


 秘書は歴史の証人であった。名をケインと言い、彼が仕えたのが


 「デビット・エードルセンは!」


 これから始まるのはアステリアの歴史、デビットの歴史、そして


 「行くぞケイン、僕はこの大陸の全ての人々を説得するのだからな」


 レイラ・エードルセンの歴史を

 これにて第1章 決意する幼女! の完結となります。

 このお話はアメリカの独立をかなりモデルにしてますが、正直アメリカの独立をそのまま描くと救われない人々がたくさんいるので、今回はだいぶ独自の話になります。

 なのでレイラのモデルはワシントンとかではありません、まあ大統領が幼女だったらどうかな? ってかなり軽い感じで書き始めたのでアメリカ独立だけでなくその他の歴史的な出来事を混ぜると思います。何故なら次の話が既に西部劇だったりしますから、南北戦争等も入れたいし、独立戦争と言うよりアメリカ史みたいな感じですかね。まあ全然詳しく無いんですけどね(笑)

 多分色々指摘されても分からない事が沢山だと思いますがなんとか面白く書けるように頑張りたいと思います。

 さて次章の話は先程も言いました通り、西部劇になります。アメリカの独立の時はまだ西部開拓はあまりして無かった筈なので完全に時代違いですね。

 では第2章 決闘する幼女! をお楽しみ下さい。

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