表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

邂逅

俺の名前は笹沼慶司


これといった特徴の無い男子高校生…だと思う


アニメが死ぬほど好きで、休日はほぼアニメ鑑賞してる。ごく稀に出掛ける


学校で友達と話すのもアニメ関連ばかりで、


「今期って結構豊作だよな」


「わかる、あと曲もいいよな」


みたいな話しかしない


俺も含めて皆非リアで、好きな子の話などしたことが無い。嫁の話ならたまにするけど


男だけのむさ苦しい毎日だけど、俺はそんな日常が大好きだった


その日常が、数日後にはちょっと変わるけど当時の俺には知るよしもない


………………………………………………


その日の学校の帰り道に、歩道を歩いていると電柱に肌が白く銀髪で青い目をした絶世の美女が座っていた


俺は自分の目を疑った


同時にこう思った


何故これ程に美しい人が電柱に座っているのかと


女と目が合った


そして俺にこう言ってきた


「貴様、神になりたいと思わないか?」


「は?」


あまりにぶっ飛んだ質問に、思わず俺は素っ頓狂な声を上げてしまった


「そして私は神だ」


「何言ってんだあんた新手の宗教勧誘か何かか?その手には乗らんぞ」


「まぁ、疑うのも無理はない。すぐに信じられるとこっちの調子が狂ってしまう」


(全く意味がわからない、俺の日常にバグか発生したのか?)


「それは冗談で言ってるんだよな?」


「勿論本気で言っているぞ」


と言いながら、自らを神と名乗る女はまるで階段1段を飛び越えるように軽々と降りてきた


俺は大分戸惑いながら、


「そうか…」


と答えた


(俺は疲れてるのかもしれん、帰ったら早めに寝るか)


「それで回答は?」


「断る。と言うか、信じられん」


「では、力を見せれば信じてくれるのか?」


「そうだなそうしてくれ」


(もうどうにでもなれ…)


「私は何をすればいいのだ?」


「じゃあ、火を吹いてくれ」


「分かった」


ブウォォォーーー!!!


「はぁ!?」


さっきよりも素っ頓狂な声を上げてしまった


「これで信じてくれるか?」


「あ、あぁ…」


頷くしかなかった


「では、神になる気には」


「ならない」


「何故だ?」


「何故って…俺である理由がまず無いだろ。俺みたいな平凡な奴を神にして何の得がある?」


「正確に言うと神モドキだがな。理由か…偶然通りかかったからだ」


(何だそれ…)


「まぁ確かにこの道はあんま人通り無いけど、それでも数人くらいは通っただろ?」


「あぁ、通った」


「じゃあその人の内の誰かにすれば良かったじゃねーか」


(俺は何故こんな得体のしれない女とこんなに話してるんだ)


と思いながら話すと、


「見た目が悪かったんだ」


「通りかかった人のか?それはいくら何でも酷すぎだろ…」


「違う、私の見た目だ」


(こいつの見た目が?こんな綺麗なのにか?)


「そうは見えねーけど」


「あまりにも怖がれるから姿を変えた」


「俺が通る前はどんな感じだったんだ?」


「死神のリ〇ークって知っているか?あんな感じだ」


「そりゃビビられるだろ…」


ふと、一つの疑問が湧いたから聞く事にした


「つか、神って漫画読むのか?」


「いや通りかかった者が言っておったのだ。『リ、リ〇ークだ!死神だぁぁ!!』とな」


「あぁそういう…」


(そういえばこいつ、さっき神モドキとか言ってたな)


「なぁ」


「何だ、神になる気になったか?」


「いや、近いが違う」


「じゃあ何だ?」


「さっきお前神モドキつってたよな」


「あぁ、言った」


「神と何が違うんだ?」


「神とは全知全能のことを言うだろう?だが神モドキは違う」


「だから何が」


「神モドキは神と違って条件が必要だ」


「条件?」


「まぁ、それは後々話す」


「気になるんだが」


「そんなにがっつくでない」


「別にがっついてねーよ!」


「いきなり声を荒げたり、人間とはよく分からん」


「…あんた神なんだろ?人間の思考回路くらい読めるだろ」


「そういう事を言ってるのではない。もっとこう…深いやつだ」


「ざっくりしてんな」


「神とはそういうものだ」


「……少しだけ興味が湧いてきた」


「本当かっ!?」


会って初めて神は喜んだ


(嬉しそうにこっちを見るなよ、ちょっと可愛いって思っちまったじゃねーか)


俺は、ドキッとした顔を必死に取り繕って答えた。


「でも、すぐに答えは出せない。1日考えさせてくれ」


「分かった、明日もこの時間に来てくれ」


「つーか、明日また通りすがりの誰かに提案(?)すればいんじゃねーの?」


「私は、狙った獲物は逃したくないんだ」


俺は少し笑いながら


「何だその妙なプライド」


と言うと、神も少しだけ笑いながら


「神はそういうものだ」


と答えた


「最後に貴様の名を教えろ、人間」


(急に神感を出してきやがった)


「力使ってプロフィール見りゃいいだろ」


「会話にまで力を使うのは面倒だ」


(この神はめんどくさがり屋でもあるのか)


「笹沼慶司、あんたの名前は?」


「我が名はフォルトゥナ、ローマ神話に伝えられる神…の名前を勝手に使ってる」


「いいのかそれ」


「いいんじゃないか」


(テキトーだなおい)


「じゃあ、明日また来るよ」


「あぁ、待っているぞ」


…………………………………………………


「ただいまー」


「ニャー」


「おー、会いたかったぞコジー」


自宅のマンションに着いて、玄関のドアを開けるとウチで飼っている猫、小次郎が出迎えてくれた


今俺は姉と2人で住んでいるが、姉はモデル業をしていて結構売れてるので帰りはいつも遅い


いつものように玄関で小次郎と戯れようとしたら、小次郎が俺の袖を『何かいる!』と言わんばかりに引っ張ってくるので、


「どうしたコジ、泥棒でも入ったのか?鍵はしてあったけど」


小次郎に促されるままリビングのドアを開けると、


「やぁ、待ち切れなくなって来てしまった」


なんとフォルトゥナが居たのだ


「はぁっ!?」


俺は今日1番の素っ頓狂な声を上げた



つづく


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ