KR-X07 〈パロミデス〉
・機体データ
機体名:〈パロミデス〉
型式番号:KR-X07
主な搭乗者:ザビーナ・マーシャル・ラ・オルレアン
所属:オルレアン伯爵領(中立派)
席次:第7席
二つ名:『轟槍』
生産形態:ワンオフ機
種別:円卓の騎士機
動力源:ケルビムアーク
機体全高:5.8m
乾燥重量:4.1t
全備重量:5.2t
最大作戦行動時間:50時間
ジェネレータ出力:3700kW
最大自走速度:200km/h
跳躍高:10m
固定武装:騎士篭手
基本携行装備:騎士轟槍『ゲイボルグ』、騎士盾
・機体解説
7番目の円卓の騎士機として設計が行われた機体。専用装備は騎士轟槍『ゲイボルグ』。比較的完成が早かった機体であり、搭乗する円卓の騎士、ザビーナ・マーシャル・ラ・オルレアンは本機二代目の円卓の騎士である。このため、かつては施されていた装飾装甲は全て取り外されている。
専用装備である『ゲイボルグ』は、大型の槍であり、その能力は、高速振動による破壊力向上と、機体内部の熱を槍を媒体として解放することで、接触物を溶解させるTEDS(Thermal Energy Discharge System)。
このため、槍の刀身部分は非常に高い耐熱性を持つ合金で構成されており、非常に高い耐久性と剛性を持つ他、持ち手の部分には、機体から熱を伝達するケーブルが設けられており、重い槍を保持する役割も担っている。
ただし、熱解放直後は、その熱量の影響で、刀身が脆くなり、耐久性が低下するという欠点がある。
振動による破壊力向上に用いられている技術は、後に開発された〈ガウェイン〉と同様のものであるが、技術的な完成度は低く、分子レベルの振動に抑えられておらず、振動の振れ幅は目に見えて分かるほどに大きなものである。むしろ、切断力を向上するものではなく、槍が突き刺さったままになるのを防止する、など、突き立てた後に使う方が有用であると言えよう。
円卓の騎士機としては、特殊性の低い機体であり、装甲圧や一部機構に違いはあるものの、多くのパーツが現在、運用が始まっている〈ファルシオン〉と共通している。また、装備している騎士篭手は、後に騎士団長機として少数生産されている〈レギオニス〉の設計に一部転用されている。
こういった点から、試作機的な側面が強く、数多くの機体のフィードバックデータを得られたという点では、非常に有用な機体であると言える。しかし、性能的には、他の円卓の騎士機と比べて一歩劣ると言わざるを得ず、一般騎士の最新鋭機である〈ファルシオン〉、〈レギオニス〉等と比べても、決して隔絶した性能を持っているとは言えない。
ただ、その分だけクセのない性能に仕上がっており、搭乗する騎士の技量を反映すり素直な機体である言える。
・作中での活躍
『第3章 騎士 -oath of sword-』
円卓の騎士、ザビーナ・マーシャル・ラ・オルレアンの乗機として、コロッセウムの個人戦の優勝者、アルカンシェル(ジン・ルクスハイト)駆る〈エクエス〉と交戦し、狂気を解放したアルカンシェルの怒涛の攻めを前に、『ゲイボルグ』を破壊され、コックピット付近に斬撃を受けるという、円卓の騎士としては非常に不名誉な結果になった。
その後に起きた騒動によってうやむやになってはいるものの、一部では円卓の騎士の敗北として深刻に受け止められている。
・元ネタ
『アーサー王伝説』に登場する円卓の騎士の一人、パロミデス卿。
ガウェインやランスロットほどの有名どころではないものの、昨今ではそこそこ有名になったと思われる。『唸る獣』の探求や、トリスタンとイゾルデの愛を争ったことで有名。
円卓の騎士では非常に珍しい、イスラム教徒であり、その影響か、黒人であったという説もある。なお、最終的には、トリスタン卿に敗北し、その手によってキリスト教に改宗した。
非常に武勇に優れた騎士として描かれており、槍試合では、ガウェインを含む、十人以上の円卓の騎士を打ち破ったとされている。その一方で、騎士道にはうとく、ランスロット卿の馬の首を落とすなど、卑怯な一面もあった。ただし、貴婦人には騎士として礼儀を尽くしたとされる。
登場初期は、騎士道に疎い悪役として描かれていたものの、後半には武器を持たぬトリスタンとの立会いを拒否するなどの騎士道精神を見せている。
・作者の小話
正直、パロミデスについては、ガラハッドやガウェイン、ランスロットなどに比べるとはるかに資料が少なく、設定や武器の名前に困った円卓の騎士でした。
例えば、専用装備たるゲイボルグは、ケルト神話における、クーフーリンがスカアハから与えられた槍です。
その槍は、必殺だったり、分裂したり毒に侵したりと忙しいやつなんですが、本作では純粋なパワーを求めた?形になっています。
ゲイボルグとクーフーリンといえば、やはり、最近アニメが放映された、一撃必殺の槍使いジョブが有名でしょうか。
パロミデスが苦労したのは、そういう参考にできそうな先達がいなかったのも原因の一つではあります。
個人的な意見を言うと、ワンオフ機がただワンオフ機としてあるという状況があまり好きではないので、技術的フィードバックの元になった機体という設定が付加されています。ついでに、負けた言い訳?も兼ねて、ですが。
MCも兵器なので体系や理由は必ずあるはずなのですが、そこまでは深く考えられていないというのが実情です。作者はミリオタかぶれ程度なので、そこまで突っ込めないんです。笑(そもそも、ミリタリー的観点からみると人型兵器は……)
機体解説でも触れていますが、円卓の騎士機の型式番号は、設計された順に設定されており、実際に開発が行われた順番は異なります。
ちなみに、槍の名前が、ゲイボルグになった理由は、一応、円卓の騎士の武装は、伝説の武器の名前、ただし、アーサー王伝説もしくはケルト神話(アーサー王伝説に近い領域の神話であるため)に登場するもの、という縛りを設けているからです。
いつまでもつか見守ってください。笑