入学式!
一話、一話は短いですがちまちま頑張りたいと思います
よろしくお願いします
旧校舎三階の一番奥にある旧第一音楽室、普段誰も近寄らないこの音楽室にはある噂が有った。
────放課後に訪れると歌姫の幽霊が現れる────
そんな突拍子もない噂の真偽を確かめに来させられている俺は足音を極力消して歩いていた
「んな事をじゃんけんで決めるか普通....」
ガックリと項垂れながらとぼとぼ歩いているうちに音楽室に着いていた、扉を少し開け中を覗く。
───これが俺の青春ドッキドキ高校生活作戦が崩壊する要因になるとは知らずに───
『これより、第25回蓬生学園入学式を始めます、一同、礼!』
ついに、ついに始まった俺の高校生活!中学校の上級学校訪問で訪れた時からここに入りたいが為に、中学校での青春を捨て勉強一筋に頑張った結果ギリギリ合格出来たのだ
取り敢えず、一学期の目標は彼女を作る!二学期にはデート等を楽しむ!三学期にはイベント盛りだくさん!....二年生からは考えてないが、これで俺は高校の青春を謳歌するのだ!
「上木は相変わらずゲスい事考えてそうな顔してるのね」
「うっさい、ほっとけ」
横から話しかけてきたのは、幼・小・中・高と同じ神様もビックリな奴、│宇田雪別に家が隣とか、近所に有る訳でもないが何かと良く遊んでいた奴、結構物事をバッサリ言う奴なので何かと勘違いされやすい奴だ
「高校迄同じクラスになった事が無いってのは驚きだけどな」
「安心しなさい、今まで以上にこき使って上げるわ」
「絶対嫌だ」
『続いて、新入生代表の言葉です、1-A白金│《しろがね》さんお願いします』
壇上にあがった新入生代表が話し出す、地毛なのかわからないが銀髪になっていて、スポットライトを浴びてキラキラと光っている
「....新入生代表の白金です────」
あまり活発では無いのかマイク越しでも少し小さな声で白金が話し出す
その後長ったらしい校長の話を聞き流し、入学式は終わったのだった
「皆さん初めまして、1-A担任の八木です│《やぎ》今後一年間、よろしくお願いします」
担任の八木先生の話も終わり自己紹介をやる事になったのだか....
「出席番号毎回一番!相川壮大│《あいかわそうた》でっす!好きな物はピザとチーズとケーキと寿司とコーンスープと米とパンと────」
長い、兎に角長い、今日は自己紹介やったら終わりだからいいが、かれこれ30分以上話している流石にそろそろ終わりそうだが....
「っと、まぁこんな感じで!キノコ以外は大好きだよ!よろしくー!」
何処までもハイテンションな自己紹介はキノコだけ嫌いらしいと言うツッコミ所満載で終わりを告げた
そのあと色々考えているうちに自己紹介は進み俺の番が回ってきた。
「んと、上木時雨です趣味は料理とか家事とかそこら辺が得意です、楽しい高校生活にしたいのでよろしくお願いします」
取り敢えず無難に自己紹介を終える、
「宇田雪です、特技は───」
宇田の自己紹介は無視し次の人は誰かな、等と考えていると
「上木とは昔からの知り合いだから、電話番号とか知りたい人は言ってね!」
「おいコラ」
全然無視出来なかった、何かってにいってんだアイツは
暫し宇田とにらみ会うと聞いたことの有る声が聞こえた
「....白金です....よろしくお願いします」
ぺこりと頭を下げると....おわりです、と言って戻ってしまった
おっとりしてそうな子だなと最初は思っていた、後々気がつくのだが
波乱万丈な俺の高校生活はここからはじまる───