俺と言う名の女の子
第二話です!!
頑張ったつもりです。
一話読んでくれた方、
本当にありがとうございました!!!
・・・・単刀直入に言おう。
朝起きたら俺は、
美少女になっていた・・・。
[事件発覚まで15分前]
「ジジジジジジィィッッ!!!」
「うぅ〜、あぁ〜!!」
バンッ
乱暴に目覚ましを黙らした俺。
・・・ボリボリ
はぁ、またいつもの日常が
始まるのか、
・・・あ、そうかあの子が
今日転校してくるのか
ふふ、ちょっと楽しみだな
「あーっっぁ〜ふわぁ〜」
伸び伸びと身体全体を伸ばして
アクビをし終えた俺は
ロフトベットのハシゴを
降り始めた。
ん?・・・あれ?髪伸びたか?
なぜかハシゴを降りる足元の方
への視線に髪の毛が入ってくる
「・・・・・・・・・」
俺はそこで一旦止まった
後から思えばもうここで
自分の状況がある程度理解
出来ていたのかもしれない。
しかし、その時は
目覚めたばかりで、頭が回らず
そして、同時に自分の状況を
理解してはいけない。
という本能が働いていたのだろう
「・・・・・・・・・
・・・・・・・・?」
ようやく動きだした俺の身体は
とりあえず自室のソファに
体重をゆだねた。
「・・・・・・」
うん。
おかしいな
明らかに髪伸びすぎてるな
・・・うん、女子だなこれは
「よしっ!!洗面所行こう!!」
もうこの時は俺の精神は
おかしくなっていたのだろう
洗面所の鏡を見る
そこには動揺が隠しきれていない
美少女の姿が写っていた。
「誰だお前はっ!!」
俺は叫んだ。鏡に向かって
「なんだ!!お前は!!」
その叫んだ声も、
言い表せないような
艶のある、綺麗で透き通る声
だった・・・。
その後たっぷり
カップラーメン二杯分の
時間、俺は鏡の美少女と
にらめっこしていた。
そして、今に至る。
「うわぁぁぁぁぁぁあ」
「あぁぁぁぁあぁぁぁぁぁ
ぁぁぁぁぁあっっっっっ!!」
なんだ!?なにをどうするっ!?
ああ!!朝練忘れてた!!
まずい、そろそろ健太が
俺を迎えにくる時間だ。
どうする?どうする?
どうする?どうする?
「ピンポーン」
スッと顔の色を失った気がした。
ドンドンッ
扉の向こうから声が聞こえる
「おーい、迎えにきたぞ〜」
ガクガクあぁ、ダメだ出れない
無視無視無視・・・無s・・
「んー?いないのかー?
おい、蓮ー?」
やめろやめろやめろやめろ
今だけは友達を心配すんな!!
さっさと朝練いって来い!!!
「あれぇ?おかしいなぁ
先にいっちゃったのか?
まぁ、俺も行っとくか」
・・・いったか?
ふぅ、助かった
幸い今日俺の家には親がいない。
父は単身赴任中で
母はママ友と旅行中らしい
それよりどうする?
どうなってしまったんだ俺は!?
「クソッ」
ボリボリ
胸元を少し掻いた。
ムニッ
ん?・・・・・・
・・・あ、あれぇ?アハハ
まさか、まさかな、
「・・・・・・・」
俺は恐る恐る自分の胸元に
視線を落とした。
・・・・・・・
むっむっ、むっ胸ぇぇぇーー!!
なんだなんだ!!!
このほんわかで豊かな胸は!!!
どうりで服がキツかったわけだ、
てかそんなことは
どうでもいい!!
今大事なのはこの状態を
どうするかだ。
とりあえず深呼吸。
「スゥーゥ、ハァ〜スゥ〜・・」
いつもより大きめの深呼吸。
さて、どうするか
俺は自分でも驚くぐらい
冷静だったと思う。
いや、違うな。正しくは
あ き ら め て いた。
今のこの俺の状態を、
もう、元には戻らない、と
悟ったのかもしれない。
そんな時、俺は
今の最善策を考えていたのだか、
その思考の中に
人間として必要な行動
の欲求がせめてきた。
・・・・・・・小便したい。
かなりトイレに行きたい。
俺は普段、朝起きて朝飯を
食べた後にトイレに
入るようにしている。
しかし今日は朝飯を食べる時間は
すぎていたようで、
俺のトイレへの
欲求は高まる一方だった。
「あーっっ!!
トイレ行きてぇーーー!!!」
わずか数10mもない先の
トイレに、とてつもない
壁が立ち塞がっている気がした。
それも全てこの俺の姿形のことだ
「うっ・・くぅ、ダメだ・・
もう我慢の限界だ!!!」
特に今までトイレを我慢
したことが無い俺には
長時間の耐久性はなかったようだ
ダダダダダダッッッ
ガチャ
バタンッ!!!
俺は急いでズボンを下ろした。
そしていつものように
立ち小便の構えをとった。
「ん?おかしいなぁ」
いつもはそこにあるはずの
俺のアレがそこにはなかった。
いくら掴みたくても、
俺のアレがない、ない、ない、
・・・・・・・ない?
あまりにトイレがしたくて、
俺は焦り過ぎていた。
そこで気付いた。
あぁ、終ったな、と
思った時はもう遅すぎた。
そしてもう我慢もできず、
俺は一生誰にも言えない
トラウマを、背負う事に
なってしまった。
「うぅ、グスッ、いったい、
俺がなにをしたってんだ
・・・・・・・グスン」
水浸しになったトイレの
マットレスを吹きながら
独り泣く美少女・・・俺。
その後の俺の生活は言葉では
言い表すことができないほど
忙しい毎日だった。
親が帰ってきてまず
「誰だお前は!!
無断侵入で警察を呼ぶぞ!!」
と父が切れだし、俺はその説得
にゆうに3時間を費やした。
説明が終わった後では
すぐさま病院に連れて行かれ、
今まで見たこともない
すごそうな機械に俺は
入れられ、精密検査と言うもの、
さらに集中治療室に入れられ
たらい回しにされた。
医者側もこんな患者は初めてで、
興味深かったようだ。
しかし、最新の医学をどんなに
集結させても、俺の症状は
解明出来なかったそうだ。
最後の簡単な検査をして、
俺と俺の家族は
担当医に呼ばれた。
「残念ですが、蓮さんの
症状は私どもには
どうにもなりません。」
医者は言った。
「うっ・・うぅっ
そう・・ですか、
ありがとうございました。」
母は目にハンカチをあてていた。
父は静かに目を閉じていた。
それからは学校、部活、塾、
さらには近所の友達、親戚、
もう沢山の連絡先が
家の中に転がっていた。
ーーーーーーーーーーーー
そして、俺は今
鏡と静かに向き合っていた。
「・・・・・・・・・。」
どんなポーズをしても、
どんなに面白い変顔をしても
俺の前にいる美少女は
寸分違わず俺と同じ動きをする。
「なんで、こうなっちまった。」
俺は今からこの身体で
生きていくのか。
アハハ、変えるのは
格好良さだけでいいだろう
なにも・・・
性別変えなくても・・・・
あの日からもう一週間がたった。
今日は久々の学校だ。
もう康太や太一には
俺の姿が変わってしまったことは
伝えている。
それでも手が汗で濡れていた。
やっぱり緊張は隠せないな
「ピンポーン・・・・」
きた。いつもよりすこしチャイムがつつましく聞こえた気がした。
ガチャ・・・
「おっおお!!蓮おはよう」
「お、おう、おはよう」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
沈黙が辛い。
なにか話題を・・・その時
先に康太が沈黙を切った。
「ずっ、随分久しぶりだなぁ
蓮。元気にしてたかー?」
「あぁ、お陰様でこの通りだよ」
その時、康太が急に真剣な
表情になった。
「この通りか、おい蓮。
もうイイよな?
その姿のこと、詳しく
聞かせろよ。」
俺はあの日あの時あの朝から
の出来事を全て話した。
ーーーーーーーーーーーー
「そうかぁ、そんな事が
あったんだな、
でも・・・・・・・
安心しろ、俺はお前がどんな
姿になろうと、俺はお前の味方
でい続けるからな」
そう、言ってくれた。
こんな姿形が変わって
しまった俺を責めも、質問も
せずに、穏やかに
認めてくれた。
「ありがとう、康太。」
「おう、いいって事よ!!」
あと・・・、
そこで康太は言葉を切った
ーーー??なんだ?
「・・・蓮。お前、
いくらなんでも
可愛過ぎるだろ」
「なっ///仕方ねぇだろうが!!」
「イヤイヤ女の子になったとは
聞いてんだけどよ、
それは反則だわぁ〜」
ギャハハハハ〜〜
それから俺らはまた
一緒に登校し、学校でも
今まで通り、過ごす事ができた。
本当に康太には感謝している。
太一の説得にもかなりの
時間をようしたが、
今となってはまた3人で
つるんでいるまでに戻った。
太一の説得も、康太のおかげだ。
しかし、良いか悪いか
絶世美少女になってしまった
俺は学校の廊下を通る度に
振り向かれる存在と
なってしまっていた。
これはもう鈴野と同等か、
いやまさかそれ以上か?
なんて馬鹿な事も考えていた。
ちなみにトイレは女子の方を
使っている。
なにかと女子トイレは
個別なので落ち着いたりもする
これが俺の転性後の
初めての発見だった。
「ふぅ、トイレ終わったぞー
おーい、康太ー?太一〜?」
おかしいな?さっきまで
いたのに、先生にでも
急に呼ばれたのかな?
その時、俺の隣から
鈴野明子が、俺の所へ
向かって来ていた・・・。
「ねぇ、竜ノ下くん?
ちょっといいかな?」
〜続く〜
御愛読いただき、
ありがとうございました
これからももっと頑張ります!!!