死神と世界―――
「ひとまず、ここ(ゲッコウタイ)のことについて説明しようか。どこでもいいからみんな座ってくれたまえ」
一番みんなのことを見渡しやすい席に千は座るとその場にいる全員に椅子に座るように促した。
全員、無言で椅子に座ると千はテーブル(長方形の長いテーブル。中心にモニターがついている)の上のスイッチを押した。
すると、モニターから画像が飛び出して来た(3Dの映画みたいに)
「ここに写ってる場所がどこか蓮はわかるかい?」
「え・・・・・・・・・?」
唐突に千は画像の方から視線を外し蓮に質問してきた。蓮はいきなりだった為すぐには答えらなかっただ、数分たったあとにゆっくりと口を開いて答えた
「100年前の・・・日本・・・?」
嶺と圭もこの画像は初めて見たのか物珍しそうにじっと見入っていた。そのため、蓮が答えた「100年前の日本」という言葉に目を見開き驚いていた。
無理もない、今の日本はこの画像(夜中なのに、煌々と星のように輝いているビルその周辺には楽しそうに歩いている人々。スーツを着ていたり、制服を着ていたりいろいろな人がいる)とは真逆で夜は物音もせず、人も全く歩いていない。
歩いていても、自衛隊やこの月光隊の人間だけだ。希に一般人も歩いているがその一般人は酔っ払っていたり、やむを得なく外に出ていった人だけだ。
それ以外の人々は必ず家の中にいる。朝が来るまで電気を消さない(寝ている時も)状態が続いているのだ。
それなのに、画像の中の人々は楽しそうに笑って楽しそうに夜の街を歩いていた。
”どういうことだ・・・・・・?”
蓮はかんがえこむようにじっと画像に見入っていた。すると、沈黙を破るように千は口を開いた。
「先ほど蓮が言ったとおりこの画像は100年前の日本だ。」
「「!?」」
千が言った言葉に琴葉以外全員驚きを隠せない状況だった
全員、身を乗り出し画像を目に焼き付けるように見入っている。
「そして、その一年後のがこれだ。」
千が持っていたリモコンで画像を切り替えるとそこには仮面をつけた団体と暗闇になると出てくる死神の団体が立っていた。
「一年後でこれですか・・・?今よりひどいじゃないですか?」
愛華は自分の顎をさわりながら不思議そうに見ている。
”たしかにそうだ、一年たっただけでこんなひどい状態(周囲の建物が燃えていて、死人の山があり逃げていく人々がいる状態だった)になるなんてどんなことをやったんだという話だ。”
千は、愛華の言ってることに頷いて教えてくれた。
「この仮面のやつらが99年前にやってきて今の世界にしてしまったんだ。すべてのことをお前らにも話そう。このことは上層部の奴らしか知らないことだが、お前らもそろそろ重要な部隊に入ることになるだろうから」
千は立ち上がって、ホットコーヒーを自分の分だけ用意して飲みながら微笑んで俺たちの方を向いた。
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