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恋花火(200文字)

作者: 蒼衣


 ド――ンッ

 夜空に大きな赤い花火が花開いた。


「わぁ、きれい…」


 それを見て、彼女は感嘆の声を上げる。

 僕は花火大会に彼女と来ていた。金魚柄の黒い浴衣に髪はピンクの髪飾り。顔を朱にし俯く彼女はとても可愛かった。


 今は二人寄り添って花火を見ている。彼女は花火に釘付けのようだ。

「……。」

 僕はなんとなく、彼女の手を握る。

 一瞬驚いた顔をした彼女は、笑ってそっと手を握り返してくれた。





 花火大会は、まだ始まったばかりだ。



 

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