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出会い〜そして秘密〜

長月ながつきくんって今日も完璧よね……」


「わかる。成績学年トップでみんなに優しくて運動神経も抜群。おまけにあのルックスでしょ?どれだけの神様を見方につければ気が済むのよ」


  周りからのそんな囁きを背中で聞きながら、

俺、長月 れんはため息を隠しながら歩いていた。


 自分で言うのもなんだけど、俺は周りから『完璧男子』と言われている。

 勉強もスポーツも大抵の事は人並み以上に、いやトップクラスにこなせてしまう。


 それで、生活が満たされているかというと答えは

否だ。


 何をやっても、最初から上手くいってしまうというのはつまらないし、手応えがない。

 達成感もなければハラハラ、ドキドキのスリルもないし、熱中する程熱くなることもない。

 毎日が同じような事の繰り返しで、どこか退屈だった。


 そんな俺が唯一、周囲の目を気にせず過ごせるのが、夜の時間だ。


 夜の帳が降りた頃、夜風に当たりたくなって家を抜け出し、いつも寄るコンビニに行こうとした。

 コンビニにもうすぐ着く時に駐車場での出来事に目を疑った。


「……嘘だろ。なんであいつがこんな時間にここに居るんだ?しかも、ヤンキー達に絡まれてるじゃないか」


 そこに居たのは男子達は話しかけるのも躊躇するくらいで『高嶺の花』と呼ばれている学校で1番の美少女、白雪しらゆき 琴音ことねだ。


 初めは面倒な事に巻き込まれたくないと思い、引き返そうとしたが、同級生が変な奴らに絡まれてる所を目の前にして引き返す事は出来なかった。


「おい、やめろ。嫌がってるじゃないか」


「え……長月くん。なんでここに?」


「あ?誰だお前。ガキは引っ込んでろ!」


 長月は、いきなり殴りかかってくるヤンキーの拳を華麗に避けて、返り討ちにする。

 ヤンキー達は勝てないと思い無様に逃げていった。


「白雪さん。大丈夫だった?」


「はい。助けていただきありがとうございます。長月さんこそ大丈夫でしたか?」


「うん。俺はなんともないから大丈夫だよ。それより、白雪さんはこんな時間に何してるの?」


「あ…いえ…私はただ……」


 長月は戸惑う様子を見せた白雪に対してこれ以上聞くことはなかった。


「夜だし、また変な奴らに絡まれるといけないから家まで送るよ」


「あ、はい。ありがとうございます」


 長月も買い物を済ませて、2人は夜の道を歩いていた。


「先程は助けていただきありがとうございました。

今週の土曜日にお礼させて下さい」


 突然の誘いに長月は戸惑いながらも


「いや、お礼なんて大丈夫だよ。偶然通りかかっただけだし、白雪さんが無事ならそれでいいよ」


「それでも、お礼させて下さい!」


 あまりにも圧が強かったので、長月も渋々承諾して今週の土曜日に白雪さんと会うことになった。


 次の日からいつもと変わらない日常を過ごし、約束の土曜日の日。

待ち合わせ場所は最寄りの駅前に10時集合。

 長月は少し早めに集合場所に着いたので白雪さんを待っていた。


「ここに集合ってどこに行くんだろう?」


 そう呟きながら待っていたら、集合時間ギリギリに白雪さんが来た。

 長月は白雪さんの私服を見て少しドキッとした。

『高嶺の花』と呼ばれて、学校の男子達が話しかけるのを躊躇するのが少し理解できた。


「ごめんなさい!お待たせいたしました」


「俺もさっき着いたばかりだから大丈夫だよ、それよりどこに行くの?」


「秘密です。着いてきてください」


 そういって2人は目的地まで歩いていると、長月は周囲の目線が気になり少し顔が赤くなっていた。

 チラッと横を見ると白雪さんも周囲の目線を気にしていて少し顔が赤くなっていた。


 一言も喋らないまま目的地に着いて長月は目が点になった。

 なんとそこはゲームセンターだった。

 長月は何故ゲームセンターに連れてこられたのか分からずお店に入ろうとする白雪さんを止めて理由を聞いた。


「ちょっと待って!なんでゲームセンターに来たの?」


 すると白雪さんは恥ずかしそうに


「皆さんには恥ずかしくて教えていないんですが、私の趣味の1つがクレーンゲームなんです。お礼をしたいと言っておきながら、私の趣味に付き合う形になってしまい申し訳ございません。嫌でしたら別の場所に行きましょう」


 長月はまた目が点になり数秒間固まっていた。


「長月さん?大丈夫ですか?やはり別の場所に行きましょう」


「いや、大丈夫大丈夫。ちょっと驚いただけ…高嶺の花とも呼ばれる白雪さんに意外な趣味があったんだね。知らなかったよ」


「皆さんには恥ずかしくてどうしても言えなくて…ですが今日発売されるフィギュアがどうしても欲しくて…すみません」


「そんな謝らなくて大丈夫だよ。白雪さんの意外な一面が見れて嬉しいよ!なんてね」


「私、クレーンゲームは得意なのでお礼とお詫びを兼ねて長月さんが欲しい物を取って差し上げます!」


 そうして2人はお店に入った。

 長月はゲームセンターに入ったことも無ければクレーンゲームで遊んだことも無いのでどうすればいいか分からなかった。

 周りをキョロキョロしていたら白雪さんとお店の中ではぐれてしまい、白雪さんを探していたらお店の隅に異質な筐体を見つけた。


 すると、


「長月さーん!こっちでーす!」


 白雪さんから声をかけられそっちに行ったらお目当てのフィギュアの前に立っていた。


「長月さん!これです!私が欲しいフィギュアがありました!私の実力、とくとご覧あれです!」


 そう言って、白雪さんは筐体に100円玉を投入した。

 学校で『高嶺の花』と呼ばれている姿はどこへやら、彼女の目は完全に獲物を狙うハンターの目だった。


 何かボソボソと早口で言っていたが、長月には聞き取れず、皆が知らない一面を見てクレゲオタクなんだと気づいたとたん、ゴットン。

 なんと数回のプレイでフィギュアを獲得したのです。


「やったー!獲れたー!」


「白雪さん、凄いね!?数回で獲れるなんて!」


「これが私の実力なのです!次は長月さんの欲しい物を獲って差し上げます!」


 お店の中を2人で周り色々な景品を見ていたが、長月はさっきお店の隅で見つけた異質な筐体が気になってその場所に行った。

 そこに置かれていた景品は、箱に絵柄は何も無いが箱の隙間から光が漏れていた。


「さっき白雪さんを探してる時にこの異質な筐体が目に入って気になってたんだよね」


「なんですかね?この筐体。ここのゲームセンターはよく来るのですが、こんな筐体初めて見ました。しかも箱の中が光ってますね」


「そうなんだよね。中身気になるからこれにしようかな」


「分かりました!隣で見ていてください!すぐに獲っちゃいます!」


 そうして筐体に100円玉を投入してプレイを始めた。


「あと一手で獲れますよ!」


 またもや数回でリーチになり


 ゴットン。


 すると


「うわー!」


「キャー!」


 景品が落ちた瞬間、目の前が光で覆われた。


 数秒後、光が消えたら目の前には綺麗な草原が広がっていた。

初めまして、確率零と申します。

本作を見つけていただき、本当にありがとうございます!


これから長月くんと白雪さんの「異世界ゴットン生活」を楽しく書いていきますので、少しでも「面白いな」「続きが気になる」と思ってくださったら、ブックマークや評価で応援していただけるとめちゃくちゃ励みになります!


よろしくお願いいたします!

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