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押し入れにあった黒歴史

作者: はらだいこ
掲載日:2026/05/31

僕は背を伸ばして屈伸した。長時間の片付けで身体が強張っていたからだ。


片付けをしていると、なにやら懐かしい物がいっぱい出てきた。


小学生の頃にやっていた剣道の大会の優勝のトロフィー。


中学生の頃にやっていた剣道の大会の参加賞。


高校から始めたソフトテニスの準優勝のトロフィー。


あらかた片付いたかな、と一息つく。


すると、まだ押し入れには触っていないことに気づいた。


しょうがないな、と気合を入れ直して押し入れを開ける。


すると奥から埃の被った箱が出てきた。


心当たりがない。


なんだろうと思って、その箱の上に付いていた埃を払って開けてみた。


中には昔使っていたノートがあった。


表紙には『設定ノート』と書いてある。


ノートを持つ手が止まった。


なぜここにある。


中学を卒業すると同時に燃えるゴミに出して捨てたはずなのに。


僕はおそるおそる捲り、一ページ目を見る。


        『漆黒の騎士』


僕はノートを見なかったことにしようか迷った。


だが見間違いだと信じて、またノートを開いた。


        『漆黒の騎士』


『漆黒の黒炎を身にまとい。

 3組のさゆりちゃんを魔王軍から救うべく立ち上がった』

                †漆黒の騎士たかし†


なんでこれがここにあるんだよ。


そう。


これは。


厨二ノートだ。


うん。


まあ、いい。


今となっては良い思い出だと考えた方が幸せだ。うん。


このノートのページを捲っていくと、過去の記憶が蘇ってきた。


ああ、僕って学校に長ネギを持って行って、伝説の剣だと言い張っていたっけ。


あだ名はナイトくんだったな。


そして忘れもしない。


中学生最後の剣道の大会の団体戦の大将戦。


当時の僕は必殺技にハマっていた。そして突きと同時に試合中に叫んでしまった。


 『シャイニングセイバァアアアアアア!!!!!!』



よし!!決まった!!!!













ふつーに反則取られた。


うん。


仲間たちの目が痛かった。


それからはセイバーくんが僕のあだ名になった。


中学の卒業アルバムの寄せ書きには


『たかしくん、私は姫ではありません。』


『ナイトくん、卒業おめでとう。』


『セイバー、卒業しろよな。』



『セ……』





いや、これ以上語るのはやめよう。


僕の名前はたかしだ。


セイバーではない。





シャイニングセイバーが心を抉りながらも、ノートの最後まで読んでいく。


今となっては良い……良い思い出だったと自分に催眠術をかける。


目を走らせていくと、最後のページの余白部分に僕の字じゃない文字が書かれていた。







    『それをすてるなんてとんでもない』







                by 母より


『なにやってんだァ!!!!クソババァああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!』


僕の絶叫が部屋に鳴り響いた


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― 新着の感想 ―
1000文字位と短いのにとても面白かったです。 個人的には『漆黒の騎士』〜『漆黒の騎士』の所が一番面白かったですꉂ(ˊᗜˋ*) 『シャイニングセイバァアアアアアア!!!!!!』のところも勢いがあっても…
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