5000年後に転生して少女に出会う
『』→セラとライ
僕は5000年後に転生した。
神様に言われたとかではなく、直感的に脳が訴えてくる。
うまれは平民で、親らしき人は特にいない。
職はこれから冒険者登録をしに行く。
「すまない。冒険者登録をしたいんだが。」
「かしこまりました。お名前と年齢を書いた後、血を1滴たらして下さい。必要でしたら代筆いたします。」
「では代筆をたのむ。名前はライで16だ。」
「はい。では血を頂戴いたします。」
「分かった。」
「これで冒険者登録完了です。まずはFランクからのスタートですのでFかEランクまでの依頼を受けることができますが、いかが致しますか?」
「Eランクのゴブリン討伐で。」
「かしこまりました。お気をつけて下さいね。」
「あー疲れた。」
あの受付嬢は魔族だ。
常に一定で落ち着いた声と、光が一切ない目。あれは魔族特有のものだ。
それにあの魔力。
賢者の孫である僕ほどはないが、どす黒くて人間の平均魔力量をはるかに超えている。
転生して早々に魔族に会うなんて思わなかった。
とりあえず今日は宿に泊まろう。
手持ちは――銀貨30枚だな。
「1週間程泊まりたい。空いてるか?」
「はーい。空いてますよ。銀貨10枚になりまーす。」
「ではこれでたのむ。」
「お部屋は奥になりまーす。」
良かった。あの人は人間だ。
やはり人間の国に魔族がまぎれているだけだったのか。
ひとまずは安心した。
って「ん?」
視界の隅に少女がいる。
「子供か?」
「?!子供じゃなーい!」
「というか誰だお前。なんでここにいる。」
「あたしはセラ。さっきここに案内された。」
「…。とりあえずは分かった。あの女将さんに聞きに行こう。にしてもなんでそんなとこにいるんだ?」
「…魔族の匂いがするから。」
「魔族の匂い?」
「うん。あたし鼻がいいんだよね。しかも転生者。5000年前くらいから転生してきた。」
「自分の情報はそう人にペラペラ喋らない方がいいぞ。」
「いや、あんたからは同じ匂いがしたから言った。」
「…まあそうだな。俺は魔族の奴隷をしてて脱出しようとしたら処刑された。あんたと同じ5000年前から転生してきた。」
「やっぱりね。てかあんたいつまでその喋り方してるわけ?本当はもっと穏やかな感じなんでしょ?」
「それもばれてたか。確かにそうかもしれない。だがここら辺には魔族が沢山いるんだ。変に弱そうと思われても色々と面倒くさい。」
「そっか。だったらさ、あたしと友達になってよ。そんでさ、あたしと2人で話してる時だけ素で喋ってよ。魔族がいたらお互い分かるんだし。」
「…俺は鼻がいいわけじゃないから分からないぞ。」
「気配で分かるんでしょ?あたしに隠し事は無理だと思った方がいいよ。」
「…そうだね。」
「やっとか。あんがいあんたも人見知りなんだね。」
「別に警戒してるだけだしー。」
「分かるのに?」
「うー。」
「ははっ!一気に柔らかくなった。ここまで変わるとは思わなかった!」
「え!分かってなかったのー?!損した気分ー。」
「分かってたし!ただここまでとは思わなかったってだけだから!」
『あははっ!』
「これからよろしくね、セラ。僕はライって言うんだ。」
「うん!よろしくね、ライ。」
「ところでさ、部屋はどうする?」
「あたしが女将さんに聞きに行くよ。」
「ありがと!」
女将さんに聞きに行ってる間に僕はセラが一時封印したであろう盗聴石を壊しておこうかな。
あの女将さんも油断ならないよねー。
「大変だ、ライ!ここしか空いてないって。」
「…。しょうがないし空くまでは2人で泊まっておく?」
「そーしよっか!」




