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地獄の暴走列車

●「ストレートな熱さ」を求めるか、「それを逆手に取ったギャップ」を求めるか。

【収録曲】

１．震え

２．燃えろ!!ジャパメタ

３．SHINING STAR

４．ワクチン

５．POWER & METAL

６．唇な男

７．魚の気持ち

８．ポ

９．メタルタックスマン

１０．The grave

１１．廃屋

　前作から約４年半振りと、結構久し振りのリリースとなったヘビーメタルバンド・SEX MACHINEGUNSのアルバム。今作は前半と後半で楽曲の雰囲気が異なっている印象がありました。前半に関しては、コミカルな面を抑えて「男臭い熱さ」を強調させた感じでしょうか。「俺は燃えている　燃えている」（震え）や「輝け　輝け」（SHINING STAR）等といった歌詞から分かるように、ある種の「ダサさ」をあえて隠すことなく突っ走っているように思えます。

　そして、後半に関しては、某アニメのキャラクターをテーマにした『唇な男』や間の抜けたセリフが印象的な『ポ』のように、ヘビーなサウンドとの「ギャップ」を狙った曲が目立つように感じられました。また、曲調の面でも『メタルタックスマン』では途中でラップが入ってきたり、『The grave』では随所でスカのリズムを聴かせたりと、メタル以外の要素を取り入れようとする姿勢もうかがえます。

　個人的には後半の方がより楽しく聴くことができました。前半も悪くないのですが、似たような曲が多く単調な雰囲気が拭えないところも。総じて言うと、彼らに「ストレートな熱さ」を求めるか、もしくは「それを逆手に取ったギャップ」を求めるかによって印象が変わってくるアルバム……といったところでしょうか。

評価：★★★★