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……まあ、大丈夫そうですね。

奴隷商だって、「人」ですから。

 盗賊の処理をしてアジトに向かって同じ様に処理をして、貯金箱(ためたおたから)を回収する。


 ……遺品的な物が有ったよ。


 そして、アジトの奥には囚われた女性達まで居た。


「助けてください!」


 俺は、囚われた女性達に洗浄(クリーン)を掛けて、後はコトネとリンに任せた。


 10分後、アジトに有った女性服に着替えた女性達が出て来たのだけど、綺麗な顔立ちだな。

 貴族か?


「助けて頂いてありがとうございます。」


 俺達は、囚われた女性達を馬車に乗せて、当初の目的地である街の「グレイザリア」を目指した。

 女性達もグレイザリアの住民でちょうど良かった。

 因みに、女性達の自己申告だけど、盗賊は高く売る為に手を出していないらしい。

 本当なら不幸中の幸いだな。


 目的地のグレイザリアに到着した俺達は、門番に事情を説明した後、盗賊討伐の報酬を貰い、女性達とは別れた。


 ……いや、送り届けるだけでも善意ある行為だからな。


 先ずは、何時もの白い狐さんの宿屋に値上げ交渉して部屋を取り、冒険者ギルドに行った。

 遺留品の報告は、荒れくれ者と言われる冒険者の矜持の1つだからな。


「ようこそ、グレイザリアの冒険者ギルドへ。」

「盗賊を討伐してアジトから遺留品を発見した。」

「……畏まりました。直ぐに告知して3日から5日程になりますが待って頂けますか?」

「分かった。」

「では恐れ入りますが、ギルドカードをお願いします。」


 そして、ギルドカードを出して手続きを終わらすと、街の散策を開始する。


 ……が、街の天候が曇り出した。


 俺達は急いで神殿に行き、俺はトリア姉さんとお喋りとスキンシップを始めた。


「もう、遅いぞユーマ。」

「ゴメン、トリア姉さん。その代わり、ほら……」


 そう言って、ソファーに座った俺は自分の足をポンポンと叩くと、笑顔になったトリア姉さんが俺の足に座ると、俺はトリア姉さんの頭を撫で撫でした。


「……ん、えへへへ……。」


 (ようや)く、トリア姉さんのご機嫌が直ったみたいだ。


「あのね、ユーマ。」

「何、トリア姉さん。」

「奴隷館に出会いがあるよ。」

「分かった。行ってみるよ。」


 この後、雑談しながら俺はトリア姉さんの頭を撫で続けて、時間が来た事で神殿を後にした。

 まあ、この神殿長に接待されそうになったけど丁重に断り、トリア姉さんの言う通り、この街に1つしかない奴隷館に行ってみる事にした。


「ようこそ、グレイザリアの奴隷館『ギリザリア』へ。私は館長のトヘルです。」


 ……うん。

 館の規模の割にはきちんと清掃まで出来ているな。

 お互いに自己紹介の後、トヘルは言った。


「……しかし、お客様のお連れしている奴隷を拝見しますと、当奴隷館に満足して頂ける奴隷が居るのか正直不安になります。」

「まあ、それは見てから、という事でお願いします。」

「分かりました。では、ご案内いたします。」


 う~みゅ。

 言う割には、質の高い奴隷が多いな。

 教えるだけなら無料だからだろうな。


「如何でしょうか?」


 ひと通り見て回ったけど、トリア姉さんが言う程の奴隷は居なかった、という事は隠しているな。


「……質の高い奴隷が多いが、隠していないか?」

「さて、何をです?」

「絶対の信頼する方から勧められたからな。」

「……」

「本当に無いのか?」

「後ろに居るお客様の奴隷の本音をお伺いしてもよろしいでしょうか?」

「ああ、構わない。コトネ、リン。質問に対して正直に答える事を命令する。」

「ありがとうございます。奴隷の2人に聞きたい。購入から今までに人として、また奴隷としての理不尽な苦痛を味わった事があるか?」

「全く無いわ。」

「全くありません。」

「ありがとうございます。以上です。」

「そうか。それで答えは?」

「……どうぞ、此方です。」


 俺達は、奴隷館の3階に案内された。

 そこは、貴族屋敷の令嬢の様な豪華な部屋に、外見が美少女なエルフが居た。

 更に言うと、エルフにしては胸部装甲が厚い。


 そして、話を聞いた。

 奴隷商として各地の村等を廻りながら奴隷として高く売れる者を探している時に、盗賊に遭遇して死を覚悟したが、1人のエルフに助けられた。

 助けられた恩を返したいと言ったら、エルフ狩りに遭い、奴隷にされた娘を助けて欲しいと懇願された。

 命の恩人のお願いを叶える為に、伝手(つて)やコネを全て使い取り戻したが、逆恨みした違法奴隷商の私兵により恩人のエルフは殺された。

 しかも、奴隷にされたエルフの娘は特殊奴隷にされた為に解放も出来なかった。

 更に、理由は教えて貰えなかったらしいが、エルフの国から追放された為にエルフの国に帰してやる事も出来ず。

 結果、今の状況らしい。

 更に()の悪い事に、エルフの娘の気分転換で一緒に外出した時に、誰かに見られ、この街の領主から話が来ているらしい。

 そんな時に俺達が来た、と。


「フェリア。」

「トヘル、どうしたの?」

「すまない。もうフェリアを守れそうにないんだ。」

「……そう。トヘル、今までありがとう。少しの間だったけど、楽しかったよ。」

「……フェリア、勘違いしている様だけど違うよ。ユーマ様、お願い出来ますか?」


 お客様ではなく、名前呼びに気持ちが分かるな。


「その質問は、コトネとリンが答えただろ? それに俺達自身はそれなりに強いし、俺達には権力は無いが、偉い人にも知り合いが居る。」

「フェリア。この方達が君を守ってくれるよ。」

「まあ、王女様な生活を送らせる事は出来ないが、大切な仲間としてで良いのなら。」

「フェリア。」

「フェリアです。これからよろしくお願いします。」

「ああ、歓迎するよ。リーダーのユーマだ。」

「コトネよ。」

「リンです。」

「それじゃあ、代金だが……」

「いえ。代金は……」

「貰っておけ。そうすれば、向こうも強く出れない。」

「分かりました。」

「代金だ。」

「まだ、値段を言ってませんよ?」


 そう言いながら、トヘルは俺が出した小袋の中身を確認するのだが、目を見開いた。


「な、な、なんですか!」

「それだけあれば充分だろう?」

「こ、コレ、白金貨ですよ!」

「50枚入っている。」

「……あ~~~! 分かりました!」

「手続きを頼む。」


 俺達は新しい仲間に、エルフのフェリアが増えた。


「トヘル様、領主様が面会に来られています。」

「……分かった。」


 手続きが終わった時に、対応した奴隷が報告に来た。


「間に合ったな。」

「そうですね。」

「最悪、俺達の知り合いの偉い人に(あいだ)に入って貰うから安心してくれ。」

「分かりました、ユーマ様。因みに、その偉い人はどれくらいですか?」

「この国の国王陛下と王宮でお喋りが出来る。」

「……まあ、大丈夫そうですね。」



暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。

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