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ある意味、残酷な宣言よ。

神の奇跡です。

「……此処は?」

「ユーマ殿!」

「「「「「「「「「「ユーマ様!」」」」」」」」」」

「……コトネ、あれからどうなった?」

「ユーマ殿は、あの時、急に苦しみ出して気絶したので、ユーマ殿とクラリーサを馬車に乗せ、王都に帰り、屋敷のユーマ殿の部屋に運んだ。」

「クラリーサは?」

「……」

「そうか。」

「あれから何日過ぎた?」

「……10日よ。」

「そうか。」


 俺は、クラリーサを救う為に王都を出た後、何が有ったかを話して、皆に、この10日間の事を聞いた。

 どうやら、王宮も動いたみたいで、王都で起こっていた少女失踪事件を、俺が出した報告書で貴族を含めた多数の逮捕者が出たみたいだ。

 王族からは、俺が行ける様になってからで良いから王宮に来て欲しいと連絡が来ていた。

 そして、コトネから、あの「力」は、何かと聞かれ、創造神イシュトリアから頂いた「力」だと話した。

 ただ、強過ぎる力である為、1分しか使えず、使った後は、ベッドに横たわっている俺自身を見て、「ご覧の通りだ。」と言った。


 俺はベッドから降りるとクラリーサの所に行った。


 ……クラリーサは眠っている様に見えた。


 実際、呼吸も有るし、心臓も動いている。

 でも、意識は戻らない。


 俺は、こういう時、最も頼れる存在の所に向かった。


「トリア姉さん。」

「先ずはユーマ、何か言う事が有るんじゃないの?」


 滅多に見せないトリア姉さんの怒った顔だ。


「うん、ごめんね。あの『力』を使って。」

「……分かっているのなら良いのよ。今回は、気を失ったから良かったけど、本来なら5日間は拷問の様な激痛に苦しみ続ける所だったのよ。ユーマのそんな姿を見たくないの。」

「……ごめん、トリア姉さん。」

「分かったのなら、良いわ。」


 トリア姉さんは、「夢幻解放(セイクリッドブレイカー)」を初めて使った時の事を思い出したんだろうな。


「それで、トリア姉さん。クラリーサだけど……」

「ユーマ。どうやら、邪神降臨の前に何か飲まされたみたいなの。それと邪神降臨の影響で目が覚めないのよ。」

「トリア姉さん、どうすれば良いんだ?」

「……」

「トリア姉さん、お願いだ!」


 トリア姉さんは、悲痛な顔をしている。


「……ある意味、残酷な宣言よ。それでも良いの?」

「それでも!」

「分かったわ。それなら言うわ。クラリーサは……」



 ……俺はトリア姉さんの神域から意識を戻し、俺の部屋に行き、リエスティナを呼んだ。


「ユーマ様、リエスティナです。」

「どうぞ。」

「失礼します。」


 リエスティナも、彼女だけを呼んだ理由はクラリーサだと察したのか、不安な顔をしている。


「ユーマ様、リサ、いえ、クラリーサの事ですね?」

「ああ。」

「……」

「結論から言えば、『助かる』と言う言葉を使える。」

「……ユーマ様。その言い回しはどういう意味ですか?」

「……クラリーサは、もう目覚める事が無い。」

「……そんな!」

「すまない。」

「でも、ユーマ様。先程は『助かる』と仰いました。どういう意味なのでしょうか?」

「どうやら、クラリーサやリエスティナには僅かだが、神獣の血を継いでいるらしい。だからこそ、あの2頭の神獣がリエスティナを守っているとも言える。」

「私達が神獣の血を?」

「ああ。だから、クラリーサの中の神獣の血を覚醒させればクラリーサは目覚める。」

「良かった。」

「しかし!」

「……ユーマ様。何らかの危険等が有るのですね?」

「ああ。成功した場合、クラリーサは人族では無く、獣人族になる。」

「……そう、ですか。」

「すまない、リエスティナ。」

「ユーマ様。謝らないでください。ユーマ様が行かなければ、リサは邪神として未来永劫生きねばならなかったのですから。」

「……すまない。」

「ユーマ様、謝らないでください!」

「分かった。」

「リサの意思確認は出来ませんが、姉として言います。

 どんな姿や種族になっても良いので、リサを助けてください!」

「……分かった。」

「お願いします。」


 俺とリエスティナは部屋から出て、クラリーサを敷地内の祭壇に運んだ。

 そして、祭壇の棺とかを置く所に静かにクラリーサを置くと、全員で祈る。


 《クラリーサ=マシク=デジデリアに新たな人生と祝福を創造神イシュトリアの名の下に与えます。》


 どうやら、トリア姉さんの声は全員に聞こえたみたいだ。

 そして、クラリーサの身体が光り、眩しくて見えなくなり、1分後に収まると、クラリーサには犬ミミとフサフサな尻尾が付いていた。


 《クラリーサ=マシク=デジデリアは、人族から神狼人族になりました。》


「リエスティナ。クラリーサを呼ぶんだ。」

「はい。」


 リエスティナが祭壇に横たわるクラリーサの顔を見て大切な妹の名を呼ぶ。


「目覚めなさい、クラリーサ。」

「……ん。おはよう、ティナお姉様。」

「おはよう、リサ。身体の調子はどう?」

「何か、何時もより良く聞こえるよ。」

「それは良かったわ。他には?」

「何時もよりもティナお姉様の顔が良く見えるわ。」

「他には?」

「……何か、色々な匂いがするの。」

「そう、分かったわ。」

「……ティナお姉様?」

「ユーマ様。」

「クラリーサ、おはよう。」

「ユーマ様、おはようございます。」

「クラリーサ。最後の記憶は?」

「最後の記憶……い、イヤーーー!」

「落ち着け、クラリーサ。全て終わった。」

「……ユーマ様、本当ですか?」

「今、俺の横に、クラリーサの目の前に、リエスティナが居るのが証拠だ。」

「……ティナお姉様。」

「すまない、クラリーサ。」

「何故、謝るのですか?」

「実は……」



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