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邪神よ、我らに力を!

不思議でした。

何故? と。

 クラリーサside


 私はまだ両手両足を縛られたままで、猿轡(さるぐつわ)をされているわ。

 私、どうなるの?


 ユーマ様、助けて!



 ……それにしても、彼らは一体何をしようとしているのかしら?

 私が此処に運び込まれてから数時間は経過しているけど、祭壇を中心にして辺りに魔法陣を描いているわ。

 そして、周辺一帯のモンスターを狩っているのか、出来上がった魔法陣に次々にモンスターの血を注いでいるわ。

 魔法陣も、モンスターの血を注いでいく度に、魔法陣に書かれた紋様が光り出し輝き始めている。


 ……怖い。


 私、何をされるの?

 ……誰か来たわ。

 ユーマ様!


「準備は進んでいるようだな。」


 ……違ったわ。

 ユーマ様じゃなかった……


「はい。後は、娘にアレを飲ませるだけです。」

「そうか。おい、アレを娘に飲ませろ。」

「へい。」


 嫌! 怖い!

 私に何を飲ませる気なの?

 私は猿轡(さるぐつわ)を外され、無理矢理、何かを飲まされた。


「嫌……」

「いいから飲め!」

「嫌よ!」

「構わねえ! 無理矢理、口を開けろ!」

「……イヤーーー……」


 ……気持ち悪い……

 意識が少しずつ混濁していく……


「よし。生け贄を祭壇に乗せろ!」

「祭壇に乗せたら、両腕両足を祭壇の鎖に繋げろ!」

「準備が整いました。」

「さあ、儀式を始めようか。」


 私は……何を……しているの……だろう?

 ……何か、怖い事……が……有った……様な気……がする……

 ……分からない……


「……おお、邪神よ! 貴方に生け贄を捧げる。処女の血と魂を以て、我らに力を与えたまえ。」


 ……邪……神……


「我らの力の供物となれ!」




 ユーマside


 報告書に書かれている事から、既に、クラリーサは王都には居ない。

 俺達は急ぎ、馬車に乗ってクラリーサが捕らえられている場所に向かった。


 森の手前で馬車から降り、走って向かった。

 そして、俺達が見たのは、変な衣装を着たクラリーサが、黒いローブを着た者が持つ禍々しい剣をクラリーサに刺す為に振り上げた所だった!


「我らの力の供物となれ!」

「クラリーサ!」

「え!」


 俺は久し振りに本気(・・)で走り、100mの距離を一瞬で埋め、振り下ろそうとした腕を掴む。


「……! 貴様、何処から現れた!」

「……何をしている?」

「……く。離せ! 儀式の邪魔をするな!」

「……儀式だと。」

「そうだ! この娘を生け贄に捧げ、邪神を降臨させ、我らは、娘の血と魂を代償に力を手に入れるのだ!」

「……誰を生け贄に捧げるだって!」

「は、離せ! ……ぎ、ぎゃああああ!」


 俺は掴んだ腕を握り潰した。


「何をしている! 殺せ!」

「ユーマ殿!」

「周りのチンピラは任せる。」

「分かった、ユーマ殿。」


 そして、クラリーサを刺そうとした男が逃げようとしたから両足を踏み潰した。

 そして、その一瞬の隙を突かれ……


「邪神よ、我らに力を!」

「しまっ……」

「……グボッ……」

「クラリーサーーー!」


 男が持っていた禍々しい剣を祭壇の陰に隠れていた違う男が振るいクラリーサの下腹部に剣を刺した。


「貴様!」


 俺は、全力でクラリーサに凶刃を振るった男を殴り、何かが弾けたが無視して、クラリーサの下腹部に刺さった剣を抜き、異空間収納からエリクサーを3本取り出し、クラリーサに全て掛けた。


 ……そして、ソレは自身を拘束していた鉄鎖を、寝返りをするかの様に軽く引き千切り立ち上がった。

 俺は咄嗟に後ろに跳び距離を取った。


「……お前は誰だ?」

「……うむ。我は『ギルガゾル』だ。貴様らには、遥か(いにしえ)よりこう呼ばれていた『邪神』と。」

「クラリーサはどうした!」

「この器の元魂か? どう答えたらより苦しむ?」

「貴様ァ……」

「くかかかか! どちらにしても答えが必要か? 我が目覚めた以上は、この世界の命という命は、我の手に因って消え去るのだぞ?」

「そんな事はさせない!」

「どうやって? 劣等なる人族の、小童(こわっぱ)如きが!」

「……こうやってだ!」


 俺は覚悟を決めて、一瞬で距離を詰め刀を振るった。

 そして、邪神ギルガゾルの左腕が落ちた。


「……なるほどな。でも良いのか? この器は貴様らの大切な仲間なのではないか?」

「その質問の答えには、俺はいつも思っていた。何故、武器を捨てる? 何故、敵対者の言葉に従う? 何故、敵対者との約束が守られると信じる? ってな。」

「うむ。」

「だから決めた。俺は仲間殺しの『傷』を背負うと。」

「良いぞ! ならば、その『覚悟』を見せてみよ!」

「ああ!」


 そして、俺は攻撃を開始した。

 コトネ達も、俺と邪神ギルガゾルの会話を聞いて、充分に距離を開けている。

 あれだけ離れれば、大抵は対処出来るだろう。


「どうした! 口だけか?」

「まだだ! 身体強化10倍!」


 俺は、現役Sランク冒険者でも、命を捨てる覚悟でやっと使える身体強化3倍を遥かに超えた身体強化10倍を掛けて攻める。

 まあ、創造神イシュトリアが創ったこの肉体とスキルと、ルドラの血が無ければ不可能だけどな。


 ……優勢ではあるが、まだ油断は出来ない。

 向こうの言っている事が本当なら、相手は『神』だ。

 しかも『邪神』だ。

 優勢に見えるだけで、まだ本気を出していない可能性を無視出来ないからな。


 それに、クラリーサを救う為にも探すんだ!




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