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まあ、職場をブラックにするつもりも無いしな。

第19話「閑話~令嬢奴隷達」を参照してください。

「ようこそ、我が奴隷館に。今日は、どの様な御用件でしょうか?」


 流石のティモンも、「一緒に居る誰かが欲しいです!」と貴腐人が喜ぶ事は言わんだろうから……


「今回は、男だ。騎士的な事が出来る奴と、執事的な事が出来る奴の2人だ。」

「畏まりました。それでは待たれますか?」

「……いや、自分でみたい。」

「畏まりました。では、ご案内いたします。」


 こうして、前世も合わして初めて「男」を買う事になったのだが、……鳥肌が立つな。


 俺は、頭の中で「男性従業員を探しに来た。」と念仏の様に繰り返しながら付いて行った。


「先ずは、騎士的な事が出来る奴隷です。」


 そう言われて見ると、オジサマやオッサンしか居ない。

 しかし、良く見ると1人だけギリギリお兄さんと言える奴隷が居た。

 俺は、その奴隷を指差して聞いた。


「あの奴隷は?」

「はい。あの奴隷は、他国で騎士団に所属していて兵士長をやっていたそうです。しかし、派閥争いに巻き込まれ、結果として奴隷に堕ち、右腕を欠損しております。」

「話がしたい。」

「畏まりました。」


 個室に移動して話をしてみたが、性格も悪くないし、奴隷になって多少は落ちただろうが、それでも壁の様な発達した筋肉が凄いな。

 顔は似て無いが、ベルセ○クのガ○ツみたいな男だ。


 ……買おう。


「この奴隷を買おう。」

「ありがとうございます。」

「待ってくれ!」

「どうした?」

「……」


 何か言いたそうだな。


「……良いか?」

「はい。言いたい事を許可する。」

「ありがとうございます!」

「それで、何が言いたい?」

「お願いします! もし可能ならもう1人奴隷を買って欲しいんだ。勿論、買ってくれるのなら、購入額以上に働く事を誓う! だから、キャリスと一緒に買ってくれ!」

「キャリスとは、誰だ?」

「キャリスとは、この奴隷『ガリラ』と一緒に来た同郷の女騎士です。しかし、雑な治療の所為(せい)か、左目の視力は無く、左腕は有りますが動かないみたいです。」

「キャリスは、オレが兵士長だった時の最後の後輩であり面倒をみた奴なんだ。お願いします!」


 まあ、職場をブラックにするつもりも無いしな。


「買おう。」

「畏まりました。」

「……ありがとうございます!」

「準備は前回と同じで。」


 最初から追加で1名か。

 俺は金貨1枚渡して、屋敷から馬車と誰か来るように、と頼んだ。


 次は執事的な事が出来る奴隷だな。

 しかし、流石に執事的な事が出来る奴隷は難しいらしく、五体満足な奴隷は居ないらしい。

 つまり、欠損奴隷には居るという事だな。


「此方が執事的な事が出来る奴隷で、他国の元宰相の長男だった者です。」


 ……うん、凄いわ。

 何が凄いかと言うとな、残っているのが左腕だけで、両足は長さが違う状態で欠損しているし、右腕は肩から無い。

 右耳も無いし、左目は見えるらしいが、顔には熊の痛恨の一撃を喰らいました的な傷が残っている。

 多分、身体中傷だらけだろう。

 それなのに、生きているのは家族に誓ったらしい。

 政変に巻き込まれ、家族は自分を犠牲にして逃がしたとか。

 だから、生きる事を諦めなかったらしい。

 実務の最前線にて最後の砦の宰相という職の長男なら、「使える」だろう。


「買おう。」

「畏まりました。」


 迎えが来たと同時に手続きは終了した。

 代金は、3人合わせて金貨8枚。


 そして、いつもの様に馬車の中で身体の欠損を再生復元して、日用品や服等を購入して、屋敷に帰ったのだが、サプライズが待っていた。

 いつも様に、レミリーアに丸投げする為に紹介しようと会わせたら……


「レミリーア王妃様……」

「リカルドなの?」


 この後は、もう部外者は見ていられなかった。

 ティリーネ達同郷組も加わり、涙で水溜まりが出来るかと思ったよ。


 そして最後に入って来たリンスは……


「……リカルド……様?」

「……リンス?」

「リカルド様!」

「リンス!」

「生き、生きておられたのですね。」

「リンスも。」


 この日も歓迎会という名の宴会が開かれた。

 ……やっぱり、キャリスも「節制」や「欲望の制御」の大切さを個室の中で一晩中、深く考える事になった。



 ガリラ(24歳)side


 オレは、とある他国で騎士団に所属していて兵士長だったのだが、派閥争いに巻き込まれ奴隷に堕とされた。

 オレは田舎の男爵家の三男として生まれた。

 ただでさえ、貴族の長男以外は予備以下でしかないのに、オレの場合は田舎の男爵家だから、尚更、貴族的な暮らしを諦めていた。

 だから、オレは周りより恵まれた身体を活かす為に騎士を目指した。

 その判断は正しくて、15歳で見事に騎士団に所属出来て、20歳になった頃には西方部隊の兵士長に任せられた。

 そして、23歳の時に入団した初の女騎士になったキャリスの指導員になった。

 キャリスとは実は面識が有ったが、向こうは覚えていないだろうがな。

 オレにとっては親戚の妹みたいなもんだ。

 きちんと生きていける様にしっかり教えないとな。



 キャリス(16歳)side


 私の名はキャリス。

 とある国の辺境の子爵家が治める領地で暮らしている平民の娘で三女よ。

 私がまだ12歳ぐらいの頃に、10人の騎士団が追加で赴任して来た。

 その騎士団の団長が兵士長のガリラだったんだけど、最初はあの体躯に一目惚れしたのよね。

 だから、私は彼の近くに居たくてガムシャラに頑張って、ガリラと同じ西方部隊に所属する事が出来たわ。

 やはり、権力は使ってなんぼよね。

 子爵家令嬢のサンリラ、約束通り、貴女のオネショ、11才までしていた事は黙っててあげるわ。

 でも、王都で政変が起きて、この西方部隊にまで影響を受けて、派閥争いが起きて、最後は剣を抜く程になり、咄嗟に庇ったら左目と左腕が使えなくなったわ。

 でも、ガリラの命を守る事が出来たから上出来よね。

 そして、ガリラと私は気を失っている間に奴隷商に売られて、奴隷になったわ。

 唯一の救いは、同じ奴隷商に買われた事ぐらいよね。

 まあ、最後は奴隷に堕ちたけど、惚れた男の命を守れたんだから良い人生よね。




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