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ちょっとユーマ君。その言い方は不敬よ。

運命の様に秘密が漏れる。

 彼女達の簡単なプロフィールだ。


 ファリナ=ラファビナ(14歳)

 ユーゴラビル国の王都出身で、家が剣術道場を開いていて、父親が元近衛騎士団に所属。

 ファリナの父親は、元々は平民だったが、幼馴染みが男爵の三女で、王城にメイドとして働く事になった為に、付いて行って騎士になった。

 才能も有り、頭も良く、人柄も良かった為に出世して近衛騎士団に(のち)に異例の早さで配属される。

 近衛騎士団に所属した事で平民から騎士爵(本人のみ)になった所で幼馴染みに告白。

 そして、祝福され結婚して1男2女の子宝に恵まれて、近衛騎士を引退後は、王都に剣術道場を開いた。

 その後、勇者候補の募集で、父親の反対で口論となったが、「パパなんて大嫌い!」で致命傷を受けて、泣く泣く書類の保護者の所にサインさせて、勇者候補の1人となる。


 カレン=ナース=スティリヤ(14歳)

 セフィーラ国の王都出身で、父親は今回のセフィーラ国の使節団団長な上に侯爵家の当主。

 つまり、カレンは侯爵令嬢(三女)という訳だ。

 カレンが幼少の頃に見た御前試合で騎士同士の戦いに魅了され、母親を味方に付け父親を説得(きょうはく)する。

 結果、侯爵家令嬢としての日々の中で、騎士団に所属は出来なかったが、騎士と同等の鍛練もこなす。

 そして、勇者候補の募集で、元近衛騎士副団長の母方の祖父を味方に付け、また父親を説得(きょうはく)する。

 晴れて、カレンは勇者候補の1人となる。


 使節団達は5泊6日の会議終了後は、各々の国に帰って行ったが、ファリナとカレンは王城で過ごす事になり、毎日、この国の勇者候補達と鍛練している。


 王都に居る間は3日か、4日に1度ぐらいの頻度で王城に行き、勇者候補達の成長具合を見に来ているのだが、カレンとファリナに捕まり、何故、毎日鍛練に来ないのかを聞かれた。


「え! ユーマ達は毎日、鍛練に来ないの?」

「ああ。実力差が大きいし、俺達を拘束しないって約束で勇者候補筆頭になってやったんだからな。」

「ちょっとユーマ君、その言い方は不敬よ。」

「大丈夫だよ。」

「本当に?」

「ああ。」

「ユーマ君。貴方は何者なの? 平民にしては教養が有るけど、貴族でも無い。でも、貴族達の態度は平民のソレでも無い。」

「そうよね。ユーマを案内していたのは、この国の宰相様だったし、言葉も自分よりも身分が上の場合に使う言い方だったわよね。」


 カレンとファリナが、俺に対してジト目で見ていた。


「ユーマ殿。彼女達ならある程度は話しても大丈夫だと思うわ。」

「まあ、コトネがそう言うのなら。」


 セシリア達も頷いている。


「まあ、詳細は言えないけど、他言無用な。」

「分かったわ、ユーマ君。」

「分かったわ。」


 誤魔化して話そう。


「俺は確かに平民だが、とある理由から立場が王族と同等になっている。言っておくが、俺には王族の血は流れていないからな。」

「私としては、その『とある理由』こそ、知りたいけど、話せないのよね?」

「まあな。そんな訳で、この国、特に王都では、丁寧な対応をされている。」

「ふ~ん。」


 2人共、納得していないが、只の知り合い程度の関係性から、これ以上の話は無理だと思ったみたいだ。


「ユーマ。」

「なんだ、ファリナ。」

「私達は、この後から、自由時間なんだけど、連れて行って欲しい所があるの。」


 まあ、彼女達がこういうお願いが出来るのは俺達ぐらいだろうから多少は聞いても良いよな。


「何処だ?」

「神殿。」

「……神殿?」

「そう。私達は、創造神イシュトリア様の敬虔な信徒でもあるの。だから、行ってみたいと思っているのよ。

 それに、この王都の神殿長は枢機卿だと聞いていて、既にお願いして枢機卿の面会の許可を貰っているわ。」

「だから、ユーマに連れて行って欲しいの。ダメ?」


 リンが俺に耳打ちした。


「ユーマ様、諦めた方がよろしいかと……」

「……リン。」

「何て言ったの?」

「いや、何でも無いよ。……分かった。案内するよ。」

「ありがとう、ユーマ君。」

「ありがとう、ユーマ。」 


 そして、神殿に到着したのだが、カレン達の事を伝えたら、何か勘違いしている様で、カレン達の扱いが俺と同等に感じた。


 更に、案内された応接室は神殿では最上級かなと思える応接室で、しかも、枢機卿である神殿長が下座に居た。


 最後は神殿長の勘違いからの暴走だった。


「ようこそ、御出くださいました。其方の新しい従者の方も歓迎いたします。」

「「……従者?」」

「……神殿長。ちょっとお話しがあります。」

「はい、分かりました。」


 俺と神殿長は、隣の部屋に移動する。


「神殿長。俺を『神の子』に繋がる事はしない様に言った筈だが忘れたのか?」

「いいえ。」

「それなら、何故、彼女達に対してあんな事を言った?」

「勿論、彼女達はユーマ様の新しい従者だと聞いていたからですが?」

「それは、勘違いだ。彼女達は只の知り合いで、案内しただけだ。」

「……申し訳ございません!」

「……はあ、仕方無い。部分的に話すか。」


 俺と神殿長は応接室に戻り、嘘も混ぜて部分的に話した。

 内容は、俺は創造神イシュトリア様の祝福を受けていて、俺と一緒に居るコトネ達とカレン達が同年代に見えた事から枢機卿が勘違いしていたと説明した。


「だから、ユーマ君は貴族や王族でも無いのに、特別扱いだったのね。」

「そういう事だ。」

「納得したわ。」



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