トリア姉さん、お願い!
人って、1人だけ無事なのは認めない所がありますよね。
う~ん。
服はまあ、アレだけど、顔色とかは酷くはないな。
どっちの足かまでは聞いていないけど、服の一部を千切って巻いたんだろうな、ちょっと赤い染みがある。
……そして、当たりか。
後、守る存在としては悪くないが、あの2匹の神獣は頭が固い、と。
まあ、神獣なら、俺より適任が居るよな。
トリア姉さん、お願い!
《おっけー。トリア姉さんに任せて!》
……俺にしか見えない聞こえない状態で現れたトリア姉さんに因って2匹の神獣は、俺の事を知り、俺の前に来て、寝転がり腹を見せて媚びた。
……リスタは一部始終を見て呆然としている。
ありがとう、トリア姉さん。
やっぱり、トリア姉さんは頼りになるよ。
《えっへん。トリア姉さんは偉いのだ。》
そして、トリア姉さんは天に還った。
「どうしたの、コウガ! ランガ!」
「リスタ。」
「……はい!」
「皆を呼んで来て。」
「分かりました。」
「皆?」
「とりあえず、俺の名前はユーマ。そして、奴隷になったクラリーサの主人だ。」
「リサが奴隷!?」
「安心して欲しい。彼女は不幸になっていない。」
「本当ですか?」
「ああ。」
そんな訳で、コトネ達が来るまでに、事情を説明した。
「ユーマ殿!」
「彼女は、クラリーサの姉『リエスティナ』さんだ。」
「初めまして。私は、リエスティナ=マシク=デジデリアで、クラリーサの姉です。
そして、今まで私を守ってくれていた青いタテガミのコウガと赤いタテガミのランガです。」
「純粋にして混じる事のない願いを聞き、リエスを守っていたコウガだ。」
「純粋にして混じる事のない願いを聞き、リエスを守っていたランガよ。」
……神獣だから、喋れても俺は驚かなかったが、コトネ達は驚いていた。
そして、昔の友人というバイカとヤナザの最期の心からの願いが、この2匹の神獣に届きリエスティナを助け守っていたみたいだ。
俺も、コトネ達を紹介して、今後の話をした。
「確かに、コウガとランガが守ってくれていましたし、食材には困っていませんでした。」
食事ではなく食材か。
「でも、私はリサと一緒に居たいです!」
「……だそうだが、コウガとランガはどうする?」
「我らは、リエスを守る為に居る。だから、場所は関係はないな。」
「そうね。場所は関係ないわ。」
「……コウガ。……ランガ。ありがとう。」
「リエスが、そうしたいなら、我らは付いて行き、リエスを守るだけだ。」
「その通りよ。」
「話は決まったな。」
話が決まった所で、持っていく物が無いかを確認して、持っていく物は、とりあえずは俺のマジックバッグに仕舞った。
勿論、リエスティナの右足は俺が治した。
コウガもランガも、治癒系の力は持っていなかった。
コウガは攻撃系で、ランガが防御系だった。
だから、2匹は内心悔しかったらしく、神獣と言われながらも、人族の娘1人も癒せなかったのが悔しかったと、俺にだけ伝えて来た。
そして、俺達は戻ると、アイリスとやゼクゼラス達には、リエスティナは俺の知り合いの行方不明だった姉と説明した。
当然、王都に帰った時に、リエスティナの服や日用品は買い揃えてある。
この後、リエスティナには、テイマーとして冒険者登録をして貰ってから、一般的な生活力を身に付けて貰う為に、リスタに預けた。
そして、2週間後に俺達は、フォールイダ王国に帰る事になったのだが、クラリーサの現状や俺達の立場を知ったリエスティナも、自ら俺の奴隷になる事を願った。
だから、何故、そうなる。
奴隷だぞ、奴隷!
……まあ、本人の希望という事で、晴れてリエスティナは、俺の奴隷になったけどさ。
因みに学園生活は、それなりのラブコメや騒動に、ラッキース○ベが有ったが割愛する。
……と、言ってもラブコメは、ゼクゼラスと婚約者のファーナの2人が、だけどな。
騒動は、俺とコトネが「仲が良い。」という事が学園中に広がった事で、「刺客」と化した生徒達(女生徒も含む)が、俺に向かって正面から来たり、裏から搦め手で来たりと大変だった。
……まあ、正面から来た奴らは叩きのめし、裏から搦め手で来る奴らには、ゼクゼラスに密告する事で対処した。
向こうだって、不利になったら、「パパに言い付けてやる!」を使ってくるんだから気にしない。
ラッキース○ベは、魔法の実技授業中に、そこら辺の生徒が放った氷属性魔法が、俺(防御役)の相手(攻撃役)に当たりそうになったから、風属性魔法で防御してあげようとしたら、同じ事を考えていた女生徒が居て見事にバッティングして俺の相手は吹き飛び俺と衝突して、俺は2つの柔らかいクッションで無事だった訳だ。
因みに、そのクッションはメロン級だった。
そして、帰り道では、俺達の馬車の中でアイリスが加わっての女子会をしている。
後、コウガとランガは、首にスカーフを巻いて黒いウルフ系モンスターに擬態して追従している。
……6日後に、フォールイダ王国の王都に到着したアイリスは王宮へ行き、俺達は屋敷に帰った。
「……ティナお姉様!?」
「リサ……」
感動の再会だな。
そして、歓迎会を開き、その夜、リエスティナは、花摘みの個室に入り、「何か」と戦っていた。
……だから、あれ程クラリーサが止めたのにな。
他の皆は、止めなかった。
多分、「貴女だけ傷が無いなんて赦さない!」とか、「仲間に、仲間になれ!」とか思っていたのだろう。
翌日、憔悴しきったリエスティナは、夜明けと共に水1杯飲んだ後、コウガとランガに挟まれて眠りに付いた。
……クラリーサ以外の貴族令嬢奴隷組は、良い笑顔だった。
「リサ! 貴女だけでも逃げて!」
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。




