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ユーマ殿。決して全力で放たないでくれ!

自分の上げアピールは兎も角、ライバルの下げアピールはしない方が良いと思いますよね?

 勿論、学園側も短期留学の延長は受け入れられた。

 まあ、当然か。

 反対すれば、解雇(クビ)になるだけだからな。


 そんな訳で、今、魔法の実技の最中だ。


 特別仕様の「的」に向かって生徒が全力(・・)で攻撃魔法を放っている。

 これは自身の限界を知る為だ。

 だから、当然、「的」周辺の防御結界も特別仕様になっているのだが、俺の順番が来ると、コトネ達が慌てて駆け付け、釘を刺しに来る。


「ユーマ殿。決して全力で放たないでくれ!」

「ユーマ様、分かっていますよね?」

「私は、ユーマ様を信じているぞ。」

「ユーマさん、ガンバレー。」

「ユーマ様。妾も信じているのじゃ。」


 周りの声が聞こえない者達には、「リア充、爆発しろ!」みたいな感情をぶつけているだろうし、聞こえる者達には、恐怖を感じただろう。


 因みに恐怖を感じた1人がアイリスだ。


「ユーマ。大丈夫よ、ね?」

「ああ。修繕費は、どっちの王族が出すんだ?」

「イヤー! ユーマ、止めてー!」

「冗談に決まっているだろ。」

「冗談に聞こえません!」


 しかし、異世界転生あるあるで、「あれ? 何か、やらかしちゃいました?」や「これが俺の初級魔法だが?」なテンプレも良いが……

 悩むな。


「ユーマ、早く放て。」

「あ、はい。」


 コトネ達よ、安心しろ。

 しっかり一般的なレベルは、見学済みだ。


火矢(ファイヤーアロー)!」


 完璧だ!


「え! 詠唱破棄!?」


 バシュン……


「え!? 的が消えた!」


 ドゥーン……


「防御結界が……」


 事情を知る乙女達が、金髪になって金色のオーラを放ちそうな空気を出しながら近付いて来た。


「「「「「「ユーマ……」」」」」」

「いや、きちんと手加減したよ。現役騎士団長が、5才の女の子相手に騎士ごっこをした時ぐらい!」

「……それで、『アレ』ですか?」


 コトネ達が見ている先には、「的」が有った場所には、「的」を支える柱だけが残っており、その向こうの防御結界は既に無く、更に向こうの壁には、30cmに円形に(えぐ)れていて、後、残り1cmで壁を貫通していた。


 異世界転生系ラノベの主人公達よ!

 貴方達はきちんと、自分なりに考えて手加減をしていたのですね。当事者になって初めて理解しました。


 結局、修繕費は俺が出しました。

 しかし、白金貨5枚と言われて、俺は口を挟んだ。

 グランブルム商会にお願いして、「頑丈」な「的」と「防御結界」を張って貰いました。

 これで安心だ。

 何故なら、「的」の素材や「防御結界」に必要な魔石は、「魔王の森」産だから。

 正直、同じ異世界転生系の主人公じゃないと壊れないレベルになっている。

 だから、数10年後には、「絶対に壊れない的」と言われる様になると思うぞ。


 そして、俺は相手が「物」であれ、「人」であれ、攻撃魔法を放つ事が禁止になった。


 更に言うと、それを見ていた生徒が、俺が「攻撃魔法」で選ばれたと思ったみたいで、武器攻撃の授業では……


「ユーマ、オレと戦おうぜ。」


 ニヤニヤしながらウザ絡みして来た男子生徒が来た。


「ああ、良いよ。」


 そして、ニヤニヤしながら振りかぶって来た。


「気にいらねえんだよ。同じ国から来た留学だからって、コトネさんに近付いてんじゃねえ!」


 取り巻き達も、それぞれが「セシリアさんが……」とか、「リン様が……」とか、「ユズハたんが……」とか、(わめ)いていた。


 ……アレ?

 アルは?


 竜人族故か、聞こえていたみたいで、自分の名前が挙がらなかった事にショックを受けている。


 頑張れアル! 負けるなアル! 立ち上がれアル!


 ……一応言っておくが、アルはハリウ○ド系アクション女優ではなくて、日本の萌えキャラ系の外見だからな。


 なんて事を考えながら相手の涙を誘うショボい攻撃を躱していたが、体力が残っているうちに、攻めに転じた。

 いや、何故って体力が無くなってから攻めたらイチャモン付くじゃん。


「……く、この……、ぎ……、ぐはぁ……、がぁ……」

「勝負有り、だな。」


 俺は、倒れた相手の頭に「カツン」と当てて言った。


「……ち、ちくしょう~!」


 相手は、涙目になって何処かに行き、取り巻きも慌てて後を追って行った。


 そんな事もあったりする中、ゼクゼラスから呼び出しを受けて、王族専用サロンに行った。


「良く来てくれた。」

「何か有ったのか?」

「……ああ。実はな……」


 話の内容は、最近、仲が良くない隣国「グラシアル」に動きが有るらしい。

 しかも、近々、郊外実習が有る為に、場合に因ってはこの時を狙われる可能性を否定出来ないという話だ。


「分かった。気を付けておくよ。」

「助かる。それと、その郊外実習には侍女の同行は禁止だからな。」

「それだと、俺達が留守の間を狙った強盗が出ない様に気を付けるよ。」


 それじゃあ、その日は白い狐さん達に、悪いウサギさん狩りをお願いしようかな。


 言い忘れていたけど、コトネとセシリアは見事に猫を飼い慣らしています。

 まあ、だから、俺にキツい視線が刺さるんだけどな。

 ……何が言いたいかというと、郊外実習の当日の班分けは、俺とコトネは同じになったのだが、残りの連中が見事に「コトネ派」で埋まっているのだ。


 そして、素晴らしい連繋プレイで、自分達は上げ、俺を下げる言動を繰り返した。

 コトネは、「元」とはいえ公爵(公家)令嬢だ。

 表面上は爽やかに躱しているが、内面はちょっと怖い事になっている。

 コトネは、怒りを我慢している時は、自分の髪に触れるんだけど、触れる時間が怒りの度合いで長くなるんだ。

 馬車から降りて、郊外実習の予定の場所に到着してからは、髪を触ったままだ。


 そして、実習が始まったが、俺は見学だ。

 コトネ派は、ここぞとばかりに内容がショボいアピールをしていると、異変が起きた。




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