ユーマなら、どうするの?
秘密は、何処かで漏れるものです。
「死にたくなければ、抵抗はしない事だな。」
盗賊(偽装)20人が現れた。
本物の盗賊は、あんなイケメンでは無いし、見事な体躯でも無いし、立派な皮鎧を装備して無いし、キズ1つも無い綺麗な長剣を持っていないっ!
何よりも、馬車3台に護衛の騎士8人が同行する一行を選ばない!
「どうした? 早く出て来い!」
とりあえず、最高責任者のアイリスに聞く。
「どうする?」
「ユーマなら、どうするの?」
「どうせ、失敗前提の連中だろうから、リーダー格と数人残して片付けた後、一応は『裏』を確認後に、それも片付けて、後は普通に盗賊扱いして終わる、かな。」
「それで良いです。お願いしますね。」
「分かった。」
最高責任者の許可も貰ったので、俺達は盗賊(偽装)20人の前に出る。
「リーダーは誰だ? 交渉したい。」
「オレがリーダーだ。交渉したいとはどういう事だ?」
「交渉という名の炙り出しは終わったのでさようなら。」
「……何を言ってい……」
「雷撃弾!」
俺は、わざと詠唱破棄で雷撃弾を人数分放つと、リーダー格らしき男と、その周りに居る2人以外を始末して、この3人は両腕両足に放つ。
「ば、馬鹿な! ほぼ20人を一瞬で、しかも詠唱破棄で放つなど、不可能だ!」
「まあ、事実を否定するのは自由だが、此方からの質問に答えて貰おうか、騎士さん。」
「な、我らは騎士では無い!」
「……分かった。」
「な、何をし……ぎゃあああ!」
俺は、取り巻き2人の内1人に、拾った剣で浅く足に刺す。
「貴様!」
「飼い主は誰だ?」
「知らん!」
「ぎゃあああ!」
「飼い主は誰だ?」
「知らん!」
盗賊(偽装)3人は最期まで頑張りましたが、黒幕に繋がる手掛かりは無し。
勿論、持参した装備品や武器に手掛かりはなかった。
この後は、盗賊と同じ処理をして、俺達は先を進めたのだけど、道中、3回似たような襲撃に会い、段々強くなっていったけど、俺の1mの物差しでは、1mmも2mmも、正に誤差だった。
そして、更に6日後に、俺達は隣国リーデンザイムの王都に到着した。
アイリス達にちょっと待って貰い、戦利品を換金する為に、冒険者ギルドに寄った。
「換金をお願いします。」
「畏まりました。」
俺達は待っている間に、周りのお喋りに耳を傾けた。
「聞いたか?」
「何を?」
「この国とあまり仲が良く無い隣国『ガルシアル』の王都で牢屋に投獄され取り調べ中の毒薬使いの『ポイザ』や、同じ時期に捕まった暗殺者数人が協力して脱獄したらしいぞ。」
「……マジか?」
「ああ。隣国『ガルシアル』に居たダチが言っていた。」
「それで、どうなった?」
「分からん。」
「……そうか。まあ、そんな危ない奴らに狙われる理由が無いオレらには関係無いな。」
「まあな。」
他の所では……
「最近、アナスタリア王妃が元気が無いらしい。」
「何処で、そんな情報を手に入るんだ?」
「幼馴染みが、王城の下働きでな。」
「そうか。しかし、早く元気になると良いな。」
「そうだな。」
また他の所では……
「知っているか?」
「どうした?」
「何でも、隣国『フォールイダ』の第3王女アイリス殿下が短期留学でこの王都に向かっているらしいぞ。」
「本当か?」
「ああ。王城で働いている兄貴が教えてくれた。」
「そういや、お前の兄貴は、王城の文官だったな。」
「ああ。自慢の兄貴だ。」
「それで、それを知ってどうするんだ?」
「何も。ただ、今日中にも着くらしいから、バラしただけで、大した理由は無いな。」
「王女か……。姿、見れるかな?」
「無理だろ。」
「そりゃあ、そうだ!」
……本当、何処にでも居るんだよな、喋ってしまう人。
この後、換金が済んで、俺達は王城に向かった。
因みに、換金額は金貨5枚になった。
そして、リーデンザイムの王城に到着した俺達は、国王と王妃の名代のアークラム公爵夫妻と、アイリスと同学年の次男リーラグと三女リリナが出迎えた。
後で、聞いたんだが、アークラム公爵の正妻「アマリス」と第1側室「アマンサ」は親友で両実家とも仲が良いらしい。
争うようなら、正妻と第1側室の両方が仲裁に入る為に、両方の子供は腹違いとは思えない程、母親達に負けず仲が良いらしい。
今日は、此方のアークラム公爵家で一晩お世話になり、明日、王宮での挨拶が待っている。
学園に通う時に、俺達の世話役になる2人と交流を深め、翌日のスケジュールを確認した。
翌日、堅苦しい「ご挨拶」が済み、今、俺達は王宮のプライベートルームみたいな部屋に、リーデンザイム国「ゼクスラン」国王に、王妃の「アナスタリア」に、皇太子「ゼクゼラス」と多分、宮廷医師の4人と俺達とアイリスが居る。
因みに、他の王子王女は、皇太子の地位簒奪の可能性の為に居ない。
「しかし、心配症のカートの告げ口で、兄上に無駄な迷惑を掛けてしまったわ。」
「アナスタリア王妃様、我が父はそんな事を思っていませんから、ご安心ください。」
「アイリス。今まで通り、『アナス叔母さん』と言っておくれ。」
「……はい。アナス叔母さん。」
「それで、兄上の手紙には、信頼出来る者を同行させている、と書いていたが、その方達がそうかい?」
「はい。私達王家が最も信頼する者達です。」
「アイリス。『王家』と言った意味は分かっているの?」
「勿論です。彼には、あの『短剣』を渡しています。」
「アイリス、あの『短剣』とは、私も知っている『あの短剣』よね?」
「はい。」
「……ふむ。それなら、『強さ』と『人柄』を試す必要は無いわね。」
「アナスタリア王妃、よろしいでしょうか?」
「良いわよ。」
「ありがとうございます。未だに、お身体に残る毒は如何しますか?」
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。




