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クラリーサ=マシク=デジデリア

彼女が助かるかは、皆様の応援次第です。


後、2話連続投稿です。

「しかし、お客様の奴隷を拝見させて頂きますと、買われた奴隷の未来と金銭面の心配は無いみたいですね。」

「分かるか?」

「ええ、勿論です。それで、今日はどの様な奴隷をご所望でしょうか?」

「そうだな、とりあえず女奴隷をお願いしたい。」

「分かりました。他にございませんか?」

「後、自分で見たい。」

「分かりました。しかし、流石に皆様を全員と言う訳にはいきません。」

「分かった。コトネ、来てくれるか?」

「勿論だ、ユーマ殿。」


 そして、応接室で応対した男性は、この奴隷館の店主でグリンリバと言う名前だったんだけど、意外と奴隷を使うから、人員は少ないのかもな。


 最初は、大人な女性達で、次は綺麗なお姉さん達で、次は同年代位の少女達だった。

 トリア姉さんのお願いと、俺自身が何も引っ掛からなかったから、同年代位の少女達までスルーした。

 まあ大人系は、他国のとはいえ、あの屋敷には元だけど「王妃」と「公爵」が居るから問題ないと思っている。


 まあそれで、少女達までスルーした訳だが、何か混じってないか?


「1人だけ、浮いているぞ?」

「ああ。彼女は元辺境伯の娘でしてね。」

「辺境伯!?」

「勿論、この都市ではなく、他国の辺境伯です。どうやら、家督を当主の弟が奪ったみたいで、結果として奴隷となり、此処まで流れたみたいですね。」

「なるほどな。それで、何故、平民と一緒に居るんだ?」

「奴隷に堕ちた事を自覚して貰う為です。」

「納得した。」





 奴隷となった他国の辺境伯の娘side


 私の名前は、「クラリーサ=マシク=デジデリア」で年は14歳です。

 デジデリア辺境伯のザリジアお父様の次女として生まれたのだけど、我が国でクーデターが発生して、辺境に居た私達が知った時には、もうクーデターは終わっていた。

 そして、お父様が忠誠を誓った国王陛下と皇太子は死刑にされていた。


 この時を狙って、お父様の弟のベラルド伯父様が、家督をお父様から奪ってしまい、私達家族は、ベラルド伯父様の気分で未来が変わる不安定な立場になってしまったわ。

 お父様は、領地の隅に幽閉され、お母様は私達を人質にされ、無理矢理ベラルド伯父様の妻にされた。


 リエスティナお姉様は、ベラルド伯父様と仲が良かったゴブリナ子爵の長男と婚約させられ、私は、同じくベラルド伯父様と仲が良かったオーグリタ男爵の長男と婚約させられたわ。

 どちらも「悪名」で有名な2人で、私達は涙した。


 2ヶ月後


 私達は、同日にそれぞれの嫁ぎ先に行く為に馬車に乗って移動が始まった。

 この時、私は無理言ってお姉様と同じ馬車に乗ったわ。

 それは、目的地と地理の関係上、最初の数日間は同じ道を使うから。

 そして、この同じ馬車に乗った事が、私達、いいえ、私の運命が変わった。


 私達が一緒に居られる最後の日に、ベラルド伯父様が雇った護衛の隙を突いて、私達が乗った馬車ごと浚われたわ。

 昔、一緒に遊んだバイカとヤナザが、私達を救う為に動いてくれたわ。


 ……でも、上手く行ったのはそこまでだったわ。

 結局、他国に亡命出来たのは私1人だけ。

 ヤナザは、追って来た護衛が放った矢が当たり馬車から転落して、バイカは護衛に馬車の御者席から引きずり落とされ、その時、私達の乗った馬車が脱輪して、追って来た護衛達を巻き込んで転落したわ。

 そして、この転落でお姉様は足を痛めて歩く事が出来ず、私はお姉様が守ってくれてかすり傷で済んだ。

 後、無事なのは、馬車を牽いていた馬一頭だけ。


「リサだけでも逃げて。」

「ティナお姉様を残して行けないわ!」

「大丈夫よ。私は私で何とか逃げるから。」

「ダメよ!」

「リサ、お願いだから逃げて。」

「それなら、ティナお姉様と馬に乗って逃げるわ!」

「リサ、分かっているでしょう。」

「……でも!」

「リサは、私の自慢の妹よ。だから、ね。」

「ティナお姉様!」


 この時、私は抱き付いて、ティナお姉様との最期の別れをしたわ。

 私には分かっていた。

 ティナお姉様には、元々、相思相愛の婚約者が居たけど、クーデターで亡くなられたわ。

 そして、ティナお姉様の周りには、馬車に使っていた硝子の破片が散らばっていたわ


 だから……


「ティナお姉様! 私は必ず助けを連れて来るから、それまで死なないで!」

「ええ、待っているわ。」

「ティナお姉様、行って来ます!」

「行ってらっしゃい、リサ。……愛しているわ。」


 さようなら、ティナお姉様。

 私も愛していました。


 その後、無我夢中で馬を走らせ、森を抜け他国への亡命には成功したわ。

 だけど、国境を縄張りにしていた盗賊に捕まり、奴隷に堕された。

 更に運が悪い事に、森を抜ける時に、痛めた足が膿んで、私を死なせない為に、膿んだ足を切断されたわ。


 ……神様からの最後の慈悲かしら。

 盗賊達は、これ以上の商品価値を落とさない為に、辱しめられる事はなかった。


 運命とは皮肉で、辺境伯の娘の私は、他国の「辺境伯領」の奴隷館に居るわ。

 喪ったのが、左足の足首より少し上からだった為に、まだ「性奴隷」としての価値が有るって言われたわ。


 ……あれから4ヶ月経った今も、私はこうして部屋の椅子に座っている。

 今日、最初のお客様ね。


 ……まだ、私と同じぐらいの子だわ!


「1人だけ、浮いているぞ?」



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