ええ。本当に不思議よね。
値引き4割引きは、当たり前~。
装備品を買い揃えたレイク達は、笑顔で感謝してくれた。
「ありがとう、ユーマ。お陰で良い装備品を予想以上に、安く買えたよ。」
「気にするな。」
「助かったぜ。」
「助かったんだな。」
「助かったわ。」
「助かりました。」
レイク達と別れた後、俺達は神殿に行き、俺はトリア姉さんに会い全年齢的な甘い時間を過ごした後、神殿を後にした。
宿屋に向かって歩いていると、豪華な馬車が通り過ぎたと思ったら俺達の前方で停まった。
そして、馬車の中から「可愛い」と言える顔だけど、それを塗り潰す派手な衣装を着た少女が現れた。
……あ。アレだ!
「おい、そこの平民。その奴隷を私に寄越しなさい!」
「断わる。」
「……良く聞こえなかったの? それなら、慈悲深い私はもう1度言ってあげるわ。その奴隷を私に寄越しなさい!」
「断わる。」
「……そう。この都市の領主にして侯爵家令嬢の私の命令が聞けないのね。」
「当然だ。当主でも、次期後継者でもない『只』の令嬢の命令に何故、従わなければならない。」
「……良い度胸ね。覚悟しなさい! パパに言ってやるんだから、精々後悔すると良いわ!」
そう言うと、馬車に乗り込み走っていった。
「明日は、此処の領主の館で昼飯かな?」
「そうだな。お父様から聞いた話では、まともな方らしいと聞いているぞ。」
「そうなのか、セシリア。」
「ああ。」
「……何処の国でも、娘の教育は難しいみたいね。」
「やっぱりコトネの故郷も同じか?」
「ええ。本当に不思議よね。」
そんな事を話しながら、宿屋に帰り、夕食とお風呂を済ませ、後は寝るだけの時に、予期せぬ来客が現れた。
ノック音が4回響く。
「はい。」
「ユーマ様にお会いしたい方が来られています。」
「誰が?」
「此処の領主の長女のユートリア様です。」
皆を見ると、全員頷いた。
「部屋に通して。」
「分かりました。」
2分後に俺達の前に現れた少女は、どう見てもメイド服を着た美少女にしか見えないんだよな。
「この様な時間にも関わらず、面会の許可を頂きありがとうございます。」
「ああ。それで、君の名は?」
「初めまして。私、ユートリア=セーヌ=ブローグルです。」
綺麗なカーテンシーを決めるユートリアだった。
……多分、裏側はファンタジーが混じった異世界恋愛物だろうなぁと思ったよ。
いやな。
セシリアの認識だと、まともな領主なのに、妹は好き勝手やっているわ、長女はきちんとした挨拶が出来るのに、メイド服を着ているし、指先と髪がボロボロ。
……コレ、明日まで待たない方が良いじゃないか?
「どうやって、俺達の宿屋が分かった?」
「妹のイザベラが、貴方達と別れた後、路地を曲がった先で停まり、護衛1人を降ろし、貴方達を尾行させたみたいです。それを私は聞きました。」
うん。
気付いていた。
明日、きちんと迎えに来て貰う為に。
「それで、何故、貴女が来たんだ? それにその服は?」
「……」
「言いたくない事は言わなくても良いよ。」
「……ありがとうございます。しかし……」
話の内容は、母親が病死した後、再婚し、連れ子のイザベラは腹違いの義妹で、いつからか、父親はイザベラばかりを可愛がる様になり、それに合わせて長女のユートリアを蔑ろに扱い、最近では、メイドの仕事をさせられる様になったらしい。
異世界恋愛物のテンプレじゃん。
……魅了系の魔法やスキルか魔道具かなぁ?
そうじゃない場合は、ユートリアさんにはキツい現実が待っている事になるよなぁ。
ユートリアさんは、今直ぐに、この都市からの脱出を言ってきているけど、それは正直、色々と精神衛生上よろしくないし、明日、喚ばれるだろうから、堂々と正面から乗り込もうと思う、とユートリアさんに伝えた。
とりあえず、希釈100倍エリクサーを飲んで貰って健康体で帰って貰った。
勿論、自分の身体の変化には驚いていたけどな。
そして、翌日の朝食を食べ終わった時にお迎えが来た。
「……ああ~。」
「どうした、ユーマ殿?」
今、領主館の玄関口に居るんだけど、ファンタジー系異世界恋愛物じゃなくて、古き善き王道RPGの方だな。
しかし、この領主館には役職は何でも良いから、「魔法使い」系は居ないのか?
……居ないんだろうなぁ。
俺の仲間であり家族の中に、淫夢女王のリリスと、幻魔騎士王のガイラが居るから、精神系やゴーストとかの物理的な器を持たない存在への予習復習実技を済んでいる。
「とりあえず、今回の原因だけは分かったよ。」
「何を言っている。さっさと入れ!」
形式上は、俺達は招かれた「お客様」なんだがなぁ。
俺達は、紅茶やお菓子が出ない応接室で30分以上待たせられていると、中肉中背のオッサンと、「見目麗しい」くて、「天真爛漫」な自己中イザベラと、怯えた表情のメイド服ユートリアさんと執事らしき老人が入って来た。
そして、遅れた詫びや歓迎の言葉でもない内容を言った。
「光栄に思うんだな。その奴隷4人を銅貨1枚で売れ。」
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。




