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いきなり怖い事をサラっと言うな!

貴族様は、借りはきちんと返さないとガチで生きていけない場合があるので、引かないし、媚びないし、顧みないです。


この作品は、1月8日まで午後9時と午後10時の2回投稿していきます。

「アレンザーの街に到着だ!」


 念の為に、クラマ関係の宿屋とそれ以外の宿屋の違いを見とこうかな。

 確か、クラマ関係の宿屋は、見える所に「グランブルム商会推奨」が有るって言ってたな。


 ……1泊したが、普通だった。


 次に、クラマ関係の宿屋を探して見つけた。


「泊まりたいが空いているか?」

「何名様ですか?」

「1人だ。」

「1人部屋でしたら、空いております。」

「それじゃあ、3泊で。」

「畏まりました。3泊で銀貨3枚になります。」


 昨日の宿屋より銀貨1枚高いな。


「当宿屋「狐の尻尾」は、料理には自信がございます。

 必ず満足して頂けると自負しております。」

「それなら期待しているよ。」

「はい。それでは、お名前をお願いします。」

「ユーマです。」

「ユーマ……様!?」

「はい、ユーマです。」

「総督から聞いた名前だわ!」

「あ、他の利用者と同じでお願いします。そうしないとクラマに密告するかもよ。」

「は、はい! 畏まりました!」


 そして、その後は散策する事にした。

 時間は午後2時ぐらいで、何をするにも時間が無いからだ。

 そんな散策の中で、言い争う声が聞こえたから野次馬するべく近寄ると、1人の美少女と美女なメイドがチンピラ5人に囲まれていた。


「だからよぅ、怪我したんだから、治療費を払って貰わねぇとなぁ。」

「そうだぜぇ。」

「まあ、払えねぇって言うなら、ちょっとオレらの所で働いて貰うけどなぁ。」

「治療費は金貨10枚程度だぜぇ。安いだろぅ?」

「どうするんだぁ?」

「馬鹿な事を言わないで!」

「そっちからぶつかって来たのですよ。」

「そうよ! そんな事で払う気は無いわ!」

「払えねぇって言うのなら、一緒に来て貰おうかぁ。」

「嫌よ!」

「良いから来いよ!」

「嫌ー!」

「はい。拉致誘拐の現行犯ね。」

「な、がはぁ!」

「ぎゃっ!」

「ぐふぅ!」

「げはぁ!」

「ごふぅ!」

「え!?」


 そして、チンピラ5人は昔懐かしな捨て台詞「覚えていろよ!」と言っていたので、「ほほぅ。お前らを覚えてて良いんだな?」と凄んだら、「あ、いえ、覚えなくて良いです。」と言って去ったよ。


「小さいのに強いのね。」

「ナーサお嬢様!」

「あ、そうよね。貴方の名前は?」

「ユーマ。」

「ユーマ様。私とメイドのシリアが危ない所を助けて頂きありがとうございます。」


 ナーサお嬢様と呼ばれた美少女は見事なカーテンシーを決めたから、特権階級の子かな?


「怪我とかは無いのか?」

「はい。ユーマ様が守って頂けましたから。」

「そうか。それじゃ。」

「待ってください。このまま帰られたらお父様に叱られますから、明日の……シリア?」

「ナーサお嬢様、明日の10時頃なら大丈夫です。」

「明日の10時頃に迎えに行きますね。明日は何処に迎えに行けばよろしいですか?」

「これ、決定事項か?」

「はい。」

「いや、そんな満面の笑みで答えられても……」

「何処ですか?」

「はぁ。宿屋の『狐の尻尾』だ。」

「分かりましたわ。それでは、明日の10時頃に迎えに行きますわね。」

「分かった。待っているよ。」

「ふふ。それではユーマ様、ごきげんよう。」


 そう言って2人はこの場から去って行った。

 この後、俺は散策を続けて最後は冒険者ギルドに寄った。


「まあ、あの城塞都市の冒険者ギルドと比べるのはアレだが、充分に広いな。」


 そんな事を言いながら周りを見ていると、声が挙がった。


「あー! あの時のガキだ!」

「誰だ? ……って拉致誘拐の現行犯!」

「拉致誘拐の現行犯って意味は分からねぇが、ウチのもんを可愛がってくれたみたいだな。しっかりと落とし前をつけねぇとなぁ。

 金貨20枚だ。明日までに用意しろ。それで今回の事は見逃してやる。」

「お断りだ。そもそも、図体だけデカいゴブリンを軽く撫でただけで文句を言われる筋合いは無いな。それにお前。」

「何だ!」

「親戚にボブゴブリンでも居るのか? 今まで生きるのが大変だっただろう?」

「……殺す! 野郎共! 構わねぇ! ()っちまえ!」


 はい。全員が剣を抜いたし、しっかりと受付嬢が見ている。


 ……3分後には、6人のチンピラから服と靴以外を没収して、頭と髭を剃っている俺が居た。

 まあ、迷惑料って事で。


「気持ちは分かるが、えげつない事をするな。」

「誰だ?」


 2階から男が降りて来たが、誰だ?


「オレは、この冒険者ギルドのギルドマスターだ。」

「そのギルドマスターが何の用だ?」

「いや。レイリーから話を聞いていたからな。そういう訳で話がしたいから2階に来て貰おうか。」

「……分かった。」


 そして、俺とギルドマスターは2階の応接室に通された。


「どうぞ。」


 そう言ってお茶を出したのは、先程のガン見していた受付嬢だ。

 そして、俺は美人な受付嬢さんが注いでくれた紅茶で喉を潤すとギルドマスターから話し掛けてきた。


「レイリーから聞いていたが、本当にまだ子供だな、外見だけは。」

「つまり、レイリーから、貴方のバラされたくない恥ずかしい秘密を聞いて、このギルド内で暴露すれば良い訳ですね。」

「いきなり怖い事をサラっと言うな!」

「それで、本来の用件は?」

「あ、ああ。単純にレイリーから可能な範囲で手を貸して欲しいという手紙が来ただけだ。」

「本当に? やっぱりレイリーに聞いた方が良いかな?」

「本当だ! 全く。何処で覚えたんだ、そんなやり口。」

「魔王の森の近くに小屋を作り、可愛い孫と一緒に暮らしたひねくれた祖父から。」

「自分から可愛いと言う辺り……」

「それだけなら、もう良いですか?」

「ああ。頭の回転も悪く無いし、腕もある。問題無いだろう。」

「それじゃあ、失礼します。」


 どうやら、表側でレイリーが此処のギルドマスターに個人的にお願いしただけみたいだな。

 そんな事を考えながら2階から降りると、何か騒いでいた。


「誰が、こんな事をしたんだ!」



暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。


主人公は、設定年齢より童顔で少し身長も低いです。


「弟はやっぱり、このくらいの身長よね。」

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