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如何しますか、ユーマ様。

大抜擢は、誰でも浮かれると思うよ。

勿論、責任とかも一緒に付くけど。

 カフェレストランに入ってみると、言い争いを繰り広げていて、周りには人壁が出来ていた。


「何度でも言います。貴方の所には行きません。」

「そんな事を言わずにさぁ。絶対に此処よりも良い思いをさせてあげるよぉ。」

「お断りします。」


 もう、自身の未来と家名を背負わなくてもいいとは言え、「元」王女のティリーネが大きな声を出しているな。

 多分、貴族的な言い回しが効かないからだろう。

 それに、相手は着ている服と外見年齢から貴族の息子だろうと思うけど、親の爵位が高いと面倒臭いよな。

 まあ、王族に懇願(きょうはく)すれば、どうにでもなるだろうけど、借りは作りたくないしな。

 まあ、やってみるか。


「ティリーネ、大丈夫か?」

「ユーマ様。」

「誰だぁ、お前は?」

「俺か? 俺はこのティリーネ達の主だが。」

「はあ! お前みたいなガキが?」

「ああ。」

「それならそれで良い。彼女を寄越せ。」

「何故だ?」

「ボクが欲しいからだ。」

「話にならんな。」

「馬鹿にするな! なあ、君だって、本当はボクの所に来たいのだろう? 恥ずかしくて言えないだけだろう?」

「ティリーネ、本心を語る事を命ずる。」


 さっさと片付けよう。


「はい。私は、貴方の様な屑の所なんか行きたくありません。私は、ユーマ様と居たいのです。」

「……と、言う訳だ。」

「……幾らだ?」

「は?」

「幾らだ、と言ったんだ!」

「売る訳無いだろ?」

「幾らだ!」

「……ち。白金貨1000枚からだ。」

「……は!」

「白金貨2000枚からだ。」

「倍になっているぞ!」

「売る気が無いから当たり前だろう。」

「……ふ、ふざけるなー!」

「至極まともだが?」

「……分かった。そっちがその気ならパパに言い付けてやるからなぁ!」


 どう返そうか、ちょっと考えていると、予想外の乱入者が現れた。


「何をしているのです!」

「何で神殿の神官が来るんだ!」

「それは、私がこの敷地内の専属だからです。」

「……はい?」

「知らないのは当然ですが、この敷地内は3日前から王家と神殿の両方から認められた特区になります。つまり、この敷地内でその関係者に対して害する行為は、王家と神殿に害すると同義となります。」

「……な!?」

「それでも、貴方は彼らを害するのですか?」


 彼女「アマリア」は、4日前に(うち)に来たのだ。



 アマリアside


 私、アマリアは人生で最大の困難の前にいます。

 何故なら、枢機卿を兼任する神殿長から指名され、本人は否定されているようですが、この御屋敷には「神の子」という最高位の方が居られるからです。

 そして、私は!

 今日から、この御屋敷の敷地内に建てられた祭壇の専属になったのです。

 本来ならば私の様な若輩が選ばれないのですが、神殿長の指名で特例ですが選ばれました。


 神殿長、私、頑張ります!


 私がお仕えする「神の子」様はどんな方なのでしょうか。

 舞い上がっていた私は神殿長からの説明を聞こえていなかったのですが、きっと素晴らしい方に違いないです!

 きっと、太陽の様な綺羅びやかな御髪(おぐし)で、綺麗な碧眼で身長も170cmは超えているよね。

 そして、美形よ!


 ……さて。

 何が「人生で最大の困難」かと言いますと、先程、意気込んだものの、やはり「神の子」という尊い方にお会いするとなると期待と緊張で、門番から許可を貰ったのに、足が動いてくれません。


 そんな時、御屋敷の(ほう)から1人の少年が近付いて来ました。

 きっと下働きとかなのでしょう。

 ……最初が肝心です。


「そこの少年。ちょうど良かったわ。」

「え、俺?」

「そうよ。他に誰が居るのよ。私の荷物を持って案内しなさい。」

「……分かった。」


 あ~。

 何故、私はあの時、あんな事を言ったのかしら。

 神殿長の話をきちんと聞いていれば、この後の絶望感と後悔に襲われずに済んだのにぃ!


 そして、私は事ある毎に私が貴族令嬢になったかの様に、雑用をその少年に押し付けた。

 落ち着いた頃に、何か凄い威厳とかが溢れている大人な女性が現れたわ。

 その女性が私の対面に座り、「話は聞いておりますが、改めて自己紹介をお願いします。」と言われたから自己紹介から意気込みまで話してしまった。


 ……今、思えば浮かれていたのよね。


 そして、対面に座る女性から、絶望感と後悔に襲われる一言を「彼」に言った。


如何(いかが)しますか、ユーマ様。」

「え!?」


 この御屋敷には、「神の子」様と奴隷しか居ない。

 そして、対面に座る女性も奴隷。

 つまり、この女性が「様」付きで呼ばれる存在は普通に考えれば「1人」しか居ない。


「初めまして。この屋敷の主のユーマです。」

「……あ、あ、あ……」

「ユーマ様。この者の処遇は?」

「まあ、浮かれているのは感じられたし、暫くは様子を見ようかな。」

「畏まりました。」


 私は、絶望感と後悔に襲われながらも、今、すべき事が頭に浮かび行動に移した。

 私は、その女性の横に居た下働きの少年、いえ、この屋敷の主にして、「神の子」様であるユーマ様に対して、ソファーの横に移動して土下座をしながら謝罪した。


「大変申し訳ございません、ユーマ様! 自身に課せられた責任と名誉に酔っていました! 今後はこの様な事は致しません! ですから、此処に置いてください!」



暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。

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