……終わったー!
レイラ、猫を捨てる。
王都に向かう途中に、また盗賊に囲まれた。
「ちょっと待ちな。」
行きは、人の命が掛かっていたから無視していたが、帰りにはそんなの無いから、今度はきちんとアジトも聞き出して駆除しないとな。
「レイラ!」
「大丈夫よ、お母さん。」
「お姉ちゃん、本当?」
「大丈夫よ。皆さん、強いから。」
「そういう事よ。行きは、私達がしたから帰りはユーマ様がお願いね。」
「分かったよ、セシリア。」
そして、俺は盗賊の前に降りたが、何も考えていないのか、盗賊全員が前面に居る。
……と思ったら、後方に3人隠れているな。
「……やっぱり、勝てる気がしねぇ。アレを使え。」
「待て!」
何か、切り札が有ったのだろうが、使うには早過ぎたみたいで、思わず後ろに隠れていた奴が静止したが間に合わず、小さい長細い箱から「筒の様な物」を取り出し、片方を口に咥えた。
ピィーーーー!
「……あのバカ! 逃げるぞ!」
「誰が逃がすか。……雷撃弾。」
俺は、前と後ろに居た盗賊全員に雷撃弾を撃ち込み、逃走出来ない様にした。
そして、ふと周りを探ると、モンスターの気配が集まって来ている。
……念の為に。
俺は盗賊全員に麻痺の魔法を掛け、街道の脇に土魔法で大穴を開けた。
そこに次々に麻痺で動けない盗賊全員を放り投げ、蓋をする様に土魔法で塞ぐ。
……まあ、酸素も30分ぐらいなら保つだろう。
「俺は馬車の上に行く。コトネとセシリアとリンは、俺の撃ち漏らしを叩け! ユズハは馬車に入って3人を守れ!」
「「「「はい!」」」」
うわ~。
どんどん集まって来るよ。
「大掃除の始まりだ!」
言っている事はふざけているが、やるべき事は真面目にするつもりだ。
寄って来たモンスターは、ファングボアやビッグベアーに、ゴブリンやオークにオーガ等、恐らくは周辺のモンスター全てが来たのだろう、凄い数だ!
「雷撃連射弾!」
全方位からモンスターが来るから、馬車を守りながらの無双は無理な為に魔法で蹴散らすしかない。
これがマシンガンとかだったら、「ズガガガガガ……」みたいな効果音が付く様な雷撃弾を連射しながら、寄って来たモンスターを討伐していった。
勿論、全てヘッドショットだ!
「……終わったー!」
「お疲れ様。」
「ユーマ様、お疲れ様です。」
「ユーマ殿、お疲れ様。」
「お疲れ様でした。」
俺はセシリア、リン、コトネ、ユズハから労いの言葉を貰うと、レイラ達を確認する。
「大丈夫か?」
「……はい。大丈夫です。」
「……一体、何が有ったので……ひぃ!」
「お母さん、どうし……キャアアアーーー!」
レイラはその場で答え、レミラは、確認する為に外を見て、釣られてミーアも外を見てしまった。
「お母さんに、ミーア、どうしたの……凄い!」
レイラが最後に見て驚愕していた。
「俺がモンスターを処理するから、コトネ達は馬車で休んでで良いよ。」
「いえ。幾ら仲間と言っても、此処は奴隷の私達が……」
「だから、大丈夫。見てて。」
そして、コトネ達が見てる前で、風魔法でモンスター全てを浮かせ、仕分けしながら俺達の前に積み重ねていった。
セシリアとリンは、生温かい目で俺を見た後、深いため息を吐いた。
終わったら、ゴブリン以外を異空間収納に仕舞い、盗賊全員を生き埋めにしている蓋を取って、もう一度魔法で麻痺にして、外に出した。
その後、大穴にゴブリンを先程と同じ要領で次々に放り込んでいった。
「しかし、ユーマ殿。埋めるのなら兎も角、焼却するのであれば、少し骨が折れる量だな。」
「大丈夫だ。見てろ。」
俺は少し集中して放つ。
「青炎葬。」
俺は、ピンポン玉程の青い球体の炎を出現させ、ゴブリンがひしめく大穴に放つ。
青い球体の炎がゴブリンに触れた途端に、一気に燃え広がり10秒も掛からず100匹を超えるゴブリンが灰となった。
「……ユーマ殿。」
「心配しなくても、この魔法は、クズで外道で腐った悪党以外の人には放たないよ。」
「ユーマ様、こんな魔法を何処で?」
「魔王の森で1人暮らしをしている時に、討伐して肉を食べた後の内臓とか骨が邪魔だったから造った。」
「造った!」
「ああ。結構便利だぞ、セシリア。」
「ユーマ様。あのゴミはどうしますか?」
「そうだなぁ。モンスターを呼び寄せた『笛』は使い捨てだったのか、消滅したからな。持っていた人達に聞くしかないだろうな。」
「……そうですよね。」
「そういう訳で、ちょっとレイラ達3人は寝てて。」
「は?」
「大丈夫。俺達がきちんと守るから。」
何か、「色々考えたけど諦めた。」みたいな顔をしたレイラ達だった。
「……はい。分かりました。しかし、レイラ。」
「何、お母さん。」
「ユーマ様は、凄い人なんだねぇ。」
「うん、そうだね。」
「それじゃあ、お休み。」
既に気絶しているミーアにも睡眠魔法を掛けてお休みして貰った後、楽しい盗賊との会話を始めた。
……盗賊のアジトは直ぐに教えて貰えたけど、あの「笛」は、結局は分からずに終わった。
まあ、頭の良い黒幕が、そんなに簡単に尻尾を掴ませる訳ないよな。
後、後ろに居た3人は自決用の毒薬を奥歯に仕込んでいた。
念の為に、麻痺の魔法を掛けて良かったよ。
そして、俺だけで盗賊のアジトに向かい貯金箱を回収して、囚われた人が居ないのを確認してアジトを土魔法で潰した。
因みに、行きと帰りに遭遇した盗賊は同じ仲間だった。
終わって馬車に帰った後、起こす必要は無いと思って、レイラ達を寝かしたまま王都を目指した。
更に言うなら、魔法の眠りだから簡単に起きない為、普通の馬車の4倍の速度で走った。
そして……
「……ユーマさん。おはようございます。」
「ユーマ様、今、何処に居るのでしょうか?」
「今、王都の外壁正門前の順番待ちだ。」
「……え!?」
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。




