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無理だな。

まだ、同じ館なら運が良いよな。

 今更、そこら辺の人を雇う訳にはいかず、異世界あるあるの「奴隷」に助けて貰うべく俺達は、王都一の奴隷商館に行き、見張り番に案内されて応接室で待っていると、会長が来た。

 因みに馬車の留守番はセシリアとリンとユズハだ。


「ようこそ、王都一の奴隷商館『エンリケ』へ。私はこの奴隷館の会長のエンリケでございます。」

「とりあえず女奴隷を買いに来た。」

「畏まりました。それとお客様、オークションに参加した事がございますか?」

「あるぞ。」

「では、メダルをお持ちでしょうか? そのメダルに因っては紹介する奴隷の上限が変わりますので。」

「分かった。」


 俺は王都のオークションに参加した時のメダルを見せた。


「はい、確認させて頂きました。お客様には上限はございません。全て紹介させて頂きます。」

「それは良かった。」

「それで、他にも何か条件はございますか?」

「決まっているのは、料理が出来る者を1人か2人。後は、戦える者を。」

「畏まりました。それではこちらでお待ちしますか?」

「料理が出来る者は連れて来て欲しい。」

「承知しました。」


 待っている間に、部屋にメイドが入って来て、紅茶とお菓子が出された。

 首には奴隷紋が付いているから、このメイドも商品で奴隷商館の品質を見せている訳か。

 ……紅茶、美味しいです。


「旨い。」

「ありがとうございます……」


 奴隷メイドは、俺は言葉に対して返事をした後、フラついたから咄嗟に身体を支えた。


「申し訳ありません。」

「気にするな。」


 しかし、純粋に気になる。

 そこで、奴隷メイドに魔力を流して身体を診ると、肺に異常が見付かった。

 ……肺炎かな?


「休めないのか?」

「お気使いありがとうございます。」


 立場上、何も言えない、と。

 俺は、無詠唱で洗浄(クリーン)を掛けた後、回復魔法を掛けた。


「……え。あんなに苦しかったのに、何ともないわ。」

「良かったな。」

「ありがとうございます!」

「ユーマ殿。」

「ああ、彼女は肺が弱っていたみたいだから治した。」


 どっかの異世界あるあるだな。

 風邪とかに回復魔法を掛けて悪化する、アレだ。

 だから、彼女の肺に存在する細菌を異物と見なし洗浄(クリーン)で消滅した後に回復魔法で炎症を起こしている肺を治したという訳だな。


「……あの、お客様、実は……」

「お待たせしました。どうしました?」

「いや。何でもない。」

「分かりました。こちらの奴隷が料理が出来る者達です。」


 順番に説明を聞いているが、酷いもんだな。

 料理屋を旦那とやっていたが、旦那が借金を作り蒸発して、結局は借金が返せず奴隷堕ちとか、借金してやっと料理屋を始めたら、チンピラに「オレの女になれよ。」を断ったら、営業妨害され、客が来なくなり奴隷堕ち。

 そんなんばかりだった。

 中にはまだ親の手が必要な子供が居る女性も居る。

 ……5人か。

 まあ、良いか。


「5人全て買います。」

「……畏まりました。」

「それと、子持ちの女性はその子供も。後……」

「奴隷環を奴隷紋に、身体の洗浄を含む身嗜みを調え、奴隷には見えない服と靴ですね。」

「良く分かったな。」

「この王都でのオークションの纏め役でしたので。」

「それなら分かるか。」

「はい。」


 そして、奴隷達は俺に一礼した後、スタッフに連れて行かれた。


「さて。この後はお客様にお伺いしたい所ですが、私が来た時、何か言おうとしていましたか? お客様に話す事を許可する。」


 会長がそう言うと、奴隷メイドが「ありがとうございます。」と言った後、俺に言った。


「分を越えた厚かましいお願いですが、冒険者だった妹を買って頂けないでしょうか?」

「……つまり、貴女の妹は冒険者だったが、今はこの館の奴隷になっていると?」

「……はい。」

「貴女の外見を見ると、俺じゃなくてもいずれは買い手がいると思うが?」


 うん。

 この奴隷メイドさん、美人です。

 王都一の奴隷商館の接客に出せる程の、な。


「あの()は私を買い戻そうと無理した結果、右腕と右目を喪ったのです。」

「なるほどな。命は助かったが、救助と治療に掛かった費用が返せず奴隷になった、と。」

「……はい。」

「無理だな。」

「そう、……ですよね。」

「俺以外ならな。」

「……え!?」


 悪趣味なやり取りだけど、仕方ないじゃん。

 ……やりたかったんだから。


「会長、2人追加だ。」

「彼女は高いですよ?」

「王女よりは安いだろ?」

「確かに。」


 会長は笑顔で答えた。

 それと、やはり優秀だけど、四肢欠損とかで俺の前に出さない可能性があるな。


「お客様、この後はどうされますか?」


 意味は、この部屋で待つか、見に行くか、だろうな。


「実際に見たいな。」

「畏まりました。それでは、ご案内いたします。」


 会長の後を俺とコトネは付いて行った。

 案内された部屋に入ると、部屋に居た女奴隷達は直ぐに整列を始めた。

 ……この流れだけでも教育の高さが分かるな。


 しかし、確かに戦える者と言ったけど、ハリウ○ドのアクション女優系ばかりだな。

 アメ○カ系や西洋系の転生者なら問題無いだろうが、こちとら「萌え」の発祥地の日本人だ。

 警備員の隊長という意味で1人……くらいなら。


 ……うん。

 簡単な説明を聞いた後、自己アピールをして貰ったけど、1人除いて「()」が強い上に、俺の外見で判断して「カモ」と思っている奴隷も居た。

 外見で判断する奴隷は不採用だな。

 残りは自己アピールをしなかった奴隷だな。


 俺は彼女だけは、別室で話しを聞いた。


「何故、自分を宣伝しなかった?」



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