流石にあの程度だと、怪我を負う方が難しい。
予習復習が出来たお陰で、コトネ達は……
俺から見て魔法陣が有り、その両脇に、あの時一緒に居た男2人が魔法陣に魔力を流していた。
そして、魔法陣の中央にブランジェが力無く倒れていて、奥に居るカモエが俺を睨んでいた。
「貴様! 従者の分際でどうやって此処まで来た?」
「くく……」
「何が可笑しい!」
「いやな。単独で此処まで来たのに、未だに俺の事を只の従者扱いをしているのが不様でな。」
「貴様ぁ! 魔法も使えない欠陥品の分際で~!」
此処で言ってみたい台詞を言ってみようかぁ。
「俺が何時、魔法を使えないと言った?」
「何?」
「見せてやるよ。俺の魔法を、な!」
「見え透いた嘘はつまらんぞ。」
「喰らえ! 雷撃弾12連!」
「がっ!」
「ぐっ!」
「ぎっ!」
「俺の魔法の味はどうだ? 詠唱破棄で、身体の向きが3人共違う状態で正確に放ち、更に12発の同時発動。これなら、納得するかな、『魔法使われ』さん。」
「魔法『使われ』だと!」
「ああ。簡単に言えば、5才の子供に国の宝剣を使わすみたいな意味だな。『使わす』であって、『与える』じゃないからな。」
「き、貴様ー!」
「そっちの2人はどうする?」
「何がだ?」
「私達は、暴力に屈しないぞ!」
「そうだ! 我らには崇高な目的があるのだ!」
「この辺りのモンスター。例えば、はぐれたゴブリンに生きたまま喰われるのと、知っている事を全て話して、命だけは助かる可能性に賭けるか、どっちが良い?」
「なっ! 我らはそんな脅しには屈しない!」
「……」
「……」
無駄だと思うぞ、カモエ。
「分かっているのか、スザー! デーヒツ!」
「私が知る全てを話します。」
「私も知っている事を全て話します。」
「スザー! デーヒツ!」
「2人は分かっている様で安心したよ。」
「ぐぬぬぬ……」
「どうせ、お前は、吐かないだろうしな。」
「こうなれば……」
カモエは最後の足掻きで、魔法陣に新しい術式の魔法を打ち込んだ。
「きゃああああああーーー!」
「ブランジェ!」
俺は咄嗟に風魔法でブランジェを魔法陣の外に追い出した。
しかし……
「無駄だ。この召喚に必要な魔力は僅かで良い。何故なら、既に充分な魔力を魔法陣に溜めていたからな。
……こうなれば、皆、死ねば良い!」
「くそっ。」
「ぐはっ!」
俺は、腹パンでカモエを眠らせ、残った2人は、雑に森の奥に放り投げる。
勿論、カモエもだ。
そして、ブランジェは充分な距離を開け、デカい岩が有ったから、その後ろに置く。
「まだ、召喚が終わってないという事は、大物だな。」
因みに魔法陣を破壊しても手遅れなんだけど、万が一の為に破壊しておこう。
……さて。
出て来るみたいだな。
「鬼が出るか、蛇が出るか?」
出た!
「GaAAAAAAーーー!」
キメラキングか!
……こいつ1匹で小国なら一晩で滅びるぞ。
「全く、厄介なヤツを召喚したな。これは是非とも、あの3人は死なせずに生き地獄を老衰まで味わって貰わないとな。死に逃げは許さん。」
「GaAAAAAAーーー!」
「待たせたな。いきなり召喚された所を悪いが討伐させて貰うぞ。」
「GaAAAAAAーーー!」
「先ずは小手調べだ。雷撃弾!」
「グルゥラァーーー!?」
「なるほどな。身体に撃ち込まれても急所でなければ、ある程度は耐えられるか。じゃあ、次は物理だ!」
「GaAAAーーー!」
俺は、尻尾の毒蛇に注意しながら、キメラキングの爪撃を躱して、下から拳に魔力を纏って幕○内一歩のショートアッパーで顔面に一発、更に潜り込んでの、そのままキメラキングの腹にガゼルパンチを打ち込む。
「ギッ、グルゥ……」
「流石に、魔力込みは堪えたか。さて。陽動の可能性が有るから焦っていたが、御本人が居る事だし、安心して倒すか。コトネ達も心配だしな。」
暫く、キメラキングの強さ等を確認しながら戦い、もう充分だと判断して終わらせる事にした。
「GaAAAAAAーーー!」
「……死ね。」
……チン。
「Ga……」
俺の魔力を込めた居合で、納刀の音と共にキメラキングの首と胴体が離れた。
キメラキングを異空間収納に仕舞ってと。
………………しまった!
デカいゴミが3つ有るんだった。
……仕方ない。
起こそう。
異空間収納から縄を出して無事だった3人を連結で縛る。
歩ける様にはしてあるけど、転けたりすると、道連れで残った2人の首も絞まる様にしてある。
そして、ブランジェを、まだ気を失っている為に背負っていく事にして、犯罪者内定の3人を前で歩かせて来た道を戻る事にした。
本当に居た、はぐれゴブリンを無詠唱の雷撃弾で眉間に撃ち込みながら進んだ。
俺の心配は杞憂だったみたいで、コトネ達はゴブリンを1ヶ所に集めていた。
「ユーマ殿ー。」
「ユーマ様ー。」
「ユーマ様、ブランジェは無事ですか?」
「ああ。コトネ。セシリア。リン。無事か?」
「流石にあの程度だと、怪我を負う方が難しい。」
「大した事は無かったわ。」
「問題ありませんでした。」
「そうか。それじゃあ、後始末は学園に丸投げして、俺達は休むとしよう。」
「「「はい!」」」
3日後
「本当に良いのか?」
「はい。」
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