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……え? きゃあ!

何時ものアレが始まります。

 俺達は冒険者ギルドに挨拶がてらに顔を出したのだが、何時から「テンプレ」は無料になったのだろうか?

 有料なら払わなければ発生せずに済むのにな。


「おい、ガキ! 此処はお子様が来る所じゃねぇぞ!」

「それにまだ育ってないが、良い女を3人も、連れているじゃねぇか。」

「ガキ! 女を置いてママの所に帰りな!」

「……はぁ。断る。」

「……ガキ! 死にてぇのか!」

「……首の奴隷紋が見えないのか?」


 一応は、平和的解決も、模索してみたが……


「奴隷か! ほれ、銀貨1枚くれてやる。」

「オレもだ!」

「こっちもだ! これで売買成立だな。」

「馬鹿か! 何時、俺が1人銀貨1枚と言った。そもそも、売買に応じるとは言ってない! そんなに、女に飢えているのなら、町の外に出て、ゴブリンやオークの雌に土下座するんだな。1000匹くらいお願いすれば、1匹ぐらいは応じるかもしれないぞ。……あ! 向こうにも選ぶ権利は有るか。」

「「「殺す!」」」



 30分後には、俺に絡んだ元冒険者3人は、俺に1人白金貨700枚以上を貢ぐ為に鉱山へと無料馬車に乗って旅立った。

 そして、手続きの対応した受付嬢は笑顔だ。

 何でも、冒険者ギルドに来る度に口説いてくるから、最近は真剣に闇ギルドに行こうかと悩んでいたらしい。

 ……1人の女性の手が汚れる前で良かった。


 それで、この町の注意事項を聞いたら、たった今、鉱山に向かっているから特に無いらしい。

 因みに、この受付嬢だけではなく、全員が俺に感謝した。


「それにしても、ユーマ君は何者なの?」

「サレン!」

「ご法度なのは分かっているけど、気になるじゃない。」

「そうよね~。」

「3人で、白金貨200後半だもんねぇ。」


 今、受付業務は、男性職員がしている。

 受付嬢の好感度を上げる為に、こんな事もあろうかと、お菓子を買っておいたのだが、受付嬢全員が休憩に入る事になった。

 そして、受付嬢達と雑談をした後、休憩は終了した。


「ユーマ君。プライベートで会いたかったら何時でも声を掛けてね。」

「私なら、手料理もご馳走するわよ。」

「あ~、ズルい。」

「私なら、ハグも付けるわよ。」


 な~んて事を言いながら去って行ったんだけど、冒険者ギルドを出てから何故か、コトネが少し不機嫌だった。


「どうしたんだ、コトネ。」

「何でもない。」

「何か、怒っている?」

「怒っていない!」

「……?」

「……ユーマ様。」

「ユーマ様は、ダメね。」


 こういう時は……

 あ!


「はい。コトネ。」

「何ですか、ユーマ殿?」

「このアクセサリー、コトネに似合うと思うよ。」

「ユーマ殿、私の為に……」

「ああ。」

「ユーマ殿、着けて貰っても良いか?」

「勿論だ。」

「……」

「コトネ、似合うよ。」

「……ユーマ殿、ありがとうございます。」

「良かったですね、コトネ。」

「良かったな、コトネ。」

「ち、違いますから、リン。それに、セシリア。」


 何とか、機嫌が直ったみたいだな。

 その後は何事もなく、宿屋に帰り夕食を食べた後は、4人部屋でお風呂に入った後は各々がのんびりしていた。

 そして、リンやセシリアの寝息が聞こえて、俺も寝ようとした時、動いた!

 コトネが、俺のベッドに上がって来た。


「ユーマ殿、お情けを頂戴しに参りました。」

「ち、ちょっと待て! どういう事だ?」

「私は奴隷で、ユーマ殿は主人だ。だから……」

「コトネ。確かに俺は主人で、コトネは俺に隷属する奴隷だが、コトネがそんな事をする必要は無いし、勿論、俺から強要する気は一切無い!」

「ユーマ殿……」

「当然、リンやセシリアにも、だ。起きているのだろう、リン。セシリア。」


 そう言うと、リンとセシリアは上半身を起こした。


「……はい、ユーマ様。」

「……ああ、ユーマ様。」

「確かに、奴隷である事実は変わり無いが、そう言った意味で奴隷である事を気にする必要は無い。

 俺達は、冒険者パーティー『星屑の絆』の仲間だ。」

「はい……ユーマ様。」

「ああ……ユーマ様。」

「……ユーマ殿。」

「そう言う訳だから、コトネも自分のベッドに戻るんだ。正直、コトネは今も震えているし、目に毒だよ。」

「……え? きゃあ!」


 バチン!


「……ご、ごめんなさい!」


 そのつもりで俺のベッドに来たのに、指摘したら叩かれた……


 ……何故だ?


 解せぬ……


 でも、……眼福でした。


 翌日、少しコトネが余所余所(よそよそ)しかったけど、ヤシュークの町を出た頃には普段のコトネに戻っていた。


 そして、ヤシュークの町と次の目的地である都市マカデミの中間地点で夜営をして翌日を迎え、朝食を終えて出発しようと思っていたのだが、足止めを食らっている。



 ゴブリンのスタンピードに因って。





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