こんな茶番劇は早く終わらせようぜ。
評判と実力と人格は、セットでない場合がございます。
この話から、何時もの午後9時投稿になります。
少しお祭り騒ぎになったが、直ぐに野次馬達が俺対ユーダスの、どちらが勝つかの掛けが始まった。
……残念ながら、当事者は駄目だと言われたよ。
白金貨500枚賭けようと思ったのにな。
……俺達は、依頼を受けるのを諦めて北の森で適当に討伐する事にした。
そして、昼の休憩時間になると、リンとセシリアが重い口を開いた。
「ユーマ様、勝てますか?」
「あ、ああ。楽勝だな。」
「しかし、ユーマ様。私も噂ぐらいは聞いたぞ。何でも、今までの決闘全てに勝利しているとか。」
「そりゃあ、自分より弱ければ勝つだろうし、自分より強ければ負けるよ。だから、相手の成績だけ見ても意味が無いよ。」
「……そうだな。」
「それに、向こうが本当に『正々堂々』とやるとは思えないしな。」
「え!?」
「ぐ……」
俺は、無詠唱で雷撃弾を真上に視線等を向けずに放つと、小さな呻き声と共に頭上から誰かが落ちて来た。
「まどろこしい問い掛けは無い。「死」か「吐く」のどちらかだ。 選べ?」
「……」
「無言は、『死』だと判断する。」
「待っ……」
その瞬間には、俺は首を斬っていた。
プロなら無いと思うが、一応は持ち物検査をした。
野郎のアレを2人にも見せたくなかったから、下着を残して全て脱がして調べたが、やっぱり何も無かった。
穴を掘って入れて焼却して埋めました。
「誰が差し向けたのかは、バレバレだね。」
「そうだな、ユーマ様。」
その後は、サボりがちだった魔法制御の鍛練に時間を使った。
大分、リンもセシリアも良くなって来たな。
その夜
日本で言うと午後10時頃に、暗殺者が3人来たが、軽く捻り捕縛して宿の人に任せた。
まあ、狐の宿屋の店員は全て白狐人族だから対応とか処理なら大丈夫だ。
リンとセシリアには、ベッドごと「物理」、「魔法」、「状態異常」を防ぐ三重結界を張ってあるから問題ない。
翌日は、言われた時間に間に合う様にして、指定の20分前に冒険者ギルドに到着した。
「逃げずに良く来たな。」
「勝つと分かっている勝負を、何故、逃げなければならない。それに……」
「それに何だ?」
「相手が評判と比べて『小物』だと分かったから尚更だ。」
「貴様ぁ~……」
「こんな茶番劇は早く終わらせようぜ。」
「……殺してやる。」
冒険者ギルドに併設してある訓練所で、俺とユーダスが対峙している。
審判は受付嬢サリアさんがするみたいだな。
「ポーション等の回復薬の使用は無し。魔法も初級と身体強化のみとします。良いですね。」
「勿論。」
「ああ、分かった。」
「それでは、ユーマ対ユーダスの決闘を執り行います。」
涼しげな顔をしているが、2度の襲撃を失敗して腸煮え繰り返しているだろうに。
「両者良いですね? ……始め!」
受付嬢サリアさんが離れて内緒話が出来る様になると途端にキャンキャン吠えてきた。
「貴様をとことん痛め付けて、ボクからの誘いを断った大罪を後悔するが良い。」
「お坊っちゃん。大切なお友達が、4人も居なくなって寂しいのは分かるが、俺に八つ当たりするのは止めてくれないか?」
「貴様ぁ……」
「アレ? 何で怒るのかなぁ? 俺達は襲撃されて、命が狙われた事に関係有るのかなぁ? なぁ坊や。」
「……殺す!」
最初の頃の薄くて安い笑顔は無く、怒りの形相で攻めて来ているが、俺は軽く躱したり防いでいたりしていると、更に顔を歪め本気で殺しに掛かって来た。
模擬戦用の剣に薄く風属性の付与を掛けて殺傷力を上げている。
勿論、コレ、反則。
それならと、俺は決闘という事で義理で攻撃を防いでいたりしていたが、今、全ての攻撃を薄ら笑いを浮かべながらワザとギリギリに躱している。
煽り耐性の無いユーダスは更に怒り、攻撃が雑になって来たから隙を突いて捻りを加えた腹パンを入れて動きが止まった所を足払いを掛けて後方に転倒させて起き上がる瞬間にユーダスの額に模擬戦用の剣の切っ先を当てる。
そして、受付嬢サリアさんが宣言する。
「勝者ユーマ!」
「無効だ!」
「何故だ?」
「素手の攻撃や足払いなんて反則だ!」
「馬鹿か。建国記念日とかの国王陛下主催の騎士達の伝統ある御前試合とかじゃないんだぞ。」
「なっ!」
「それとも何か? お前の言う決闘とは、場所や相手や武器や防具や規則の全てがお前が勝てる様に揃えてあるのが、お前にとっての『決闘』か? はん! そんな決闘をしたいなら、5才の女の子と『決闘ごっこ』をやってろ。」
周りからは、「それはそうだ。」とか、「決闘に素手の攻撃が反則て……」とか、「お子様……」とか、「本性がアレなんて幻滅だわ。」とか言っている。
「ボ、ボクは、Aランク冒険者パーティーのリーダーで、負ける筈が無いんだー!」
ユーダスは、模擬戦用の剣を捨て、腰に着けていたマジックポーチから剣を出して俺に切り付けた。
俺はワザと、首に小さい傷を許した。
はい、正当防衛成立。
……そんな事を考えながら、2撃目を出さんと振り上げた時、後ろにセシリアが居たので風属性魔法で両腕を切断した。
「え!? ぎゃあー!」
そして、俺は即座にユーダスの両腕に回復魔法を掛けた。
これで、普通の方法では両腕は元に戻らない。
セシリアからボソッと「えげつない上に慈悲が無いわね。」と言ったのが聞こえた。
「な、なんて事をしてくれたんだ!」
そう言って俺に食って掛かって来たが、リンとセシリアが返答した。
「神聖な決闘を穢した上に、裏でした事を考えれば殺意が出る程の嫌悪感で、ざまぁみろです。」
「其方のお嬢さんはどうなんだ? 美しいボクがこんな目に会っているんだぞ!」
「生憎と一身上の都合で、美形は見飽きていますの。お生憎様ね、似非紳士な雑魚さん。」
そして、審判をしていた受付嬢サリアさんが俺達に近付いた。
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