君とは正々堂々と決闘で決着を付けよう。
意外と人気者の異性の好みは知られていないものです。
次からは、何時もの午後9時投稿のみになります。
まあ、当然か。
ランクも分からない。
ただ外見はガキだからAやBランクは無いって言うか、そんな高ランクのガキが居たら冒険者ギルドのマスターなら知っている事になるが、そんな奴は当然居ない、となる。
つまり、目の前のガキは高くてもCランクとなる。
そんなガキが「高額」な貴族の特殊奴隷で、しかも元「侯爵令嬢」を「オークション」で購入だ。
そりゃあ、「誰だ?」になるよな。
「俺自身の出自は知らない。唯一知っている可能性のある俺を育てた祖父は死んだし、両親に関する記憶も物も無い。更に、物心付いた時から数ヶ月前まで、あの『魔王の森』近くの森で祖父に鍛練を受けながら生活していた。お金は近辺のモンスターを狩る事で手に入れていたし、祖父がかなり溜め込んでいた。」
「……なるほど。」
「満足したか?」
「ああ、すまないな。あまりにも不自然だったからな。」
この日は、これで帰れたが、翌日に冒険者ギルドに朝食後に行くと、昨日の美人受付嬢さんが待っていて、俺の腕を自分の胸に押し付けて引っ張るから抵抗出来ず、また2階の応接室に入れられた。
少し待っていると、ギルドマスターと美人受付嬢さんが入って来た。
「来て早々すまない。確認だが、君の名はユーマで、Dランク。合っているか?」
「ああ。それがどうしたんだ?」
「城塞都市アルガリアの冒険者ギルドのマスターである『麗しのレイリー』さんとはどんな関係だい!」
凄く前に乗り出したな、圧力がキツい。
「……どういう事?」
「このギルドマスターは、あの『麗しのレイリー』に求婚している1人でして。」
「……ああ。レイリーは……」
「呼び捨て!」
「レイリーは、生前に祖父が危ない所を助けたのが縁で知り合った。向こうは、俺を弟としか見ていない。」
「……そうか。そうーだったのか。」
「因みにレイリーの異性の好みなんだが……」
そう言った途端に態度を変えたギルドマスター。
「サリア君。最高級の紅茶とお菓子を出したまえ。」
「……は、はい。」
「それでユーマ君。レイリーさんの異性の好みは?」
「まあまあ、喉を潤したらお話しますよ。」
「サリア君。急ぎたまえ。」
「はいはい。」
充分に焦らした後に、気付かれる程度に美人受付嬢サリアさんに目線を送ってから話す。
「レイリーの異性の好みは……」
「好みは?」
「女性に優しく、部下に気配りをしながら導き、仕事が出来て、魔王の森の浅い所のモンスターならソロで楽勝に勝てる強い男性が好みです。」
「本当か?」
「ええ。俺の目の前で言ってましたから。」
「そうかそうか。」
「但し!」
「何だね?」
「今、言ったのは最低限の条件で、それ以上じゃないと、『釣書(履歴書)』を見た後は返事も返さずに燃やすそうです。」
「……そうか。」
「まあ、レイリーと同じギルドマスターだ。他の男性よりも頑張り次第で有利だと思いますよ。」
「そうか!」
俺は美人受付嬢サリアさんに目線を送ると、気付いた様で軽く会釈が返って来た。
……うん。
今のは真っ赤な嘘。
単なる美人受付嬢サリアさんへの好感度稼ぎだ。
冒険者にとっては、ギルドマスターよりも大切にしないといけないのが、サリアさんを始めとした受付嬢だ。
彼女達に嫌われたら笑えない事になる。
俺達はギルドマスターから解放されて、貼られた依頼を見ていると、声を掛けられた。
「やあ。ちょっと良いかな?」
振り向くと、白色を基調色にした綺麗な鎧を着けたイケメンが居た。
「俺達にか?」
「ああ、そうだよ。ボク達『白銀の翼』に入らないか?」
イケメンはそう言った瞬間、周りの野次馬が騒いだ。
「あの白銀の翼のリーダーから勧誘されたぞ!」
「白銀の翼と言ったら、この王都の3つ有るAランク冒険者パーティーの1つだろ? そのリーダーの『ユーダス』からの勧誘だ!」
「今、王都の冒険者パーティーで最もSランク冒険者パーティーに近いと噂されている、あの白銀の翼か?」
周りのモブさん達、ありがとうございます。
基本情報の提供に感謝でいっぱいです。
「どう、かな?」
「その申し出は……」
「入ってくれるんだよね?」
「その申し出はお断りする。」
「え!?」
おい、イケメン!
腹の黒いのが顔に出ているぞ。
「其方のパーティーに入るメリットが一切無いからな。」
「何故だい?」
「1つ目は、俺はまだまだやりたい事が有り、パーティーに加入すれば、ソレが出来ない可能性を否定出来ない。」
「1つ、と言う事はまだ有るのかい?」
「2つ目は、俺には既に責任ある立場を背負っている為に、両立する事は不可能に近い。」
「まだ有るのかい?」
イケメンは、既に顔芸も崩れつつあるな。
「最後の3つ目は、お前が俺より弱いからだ。」
「……決闘だ!」
「それこそ、『何故だ?』だな。」
「最初と2つ目はまだ分かるが、3つ目は許容出来ない。だから、君にはボクの強さを示さなければならない!」
「分かった。決闘は何時始める?」
「明朝9時までに、この冒険者ギルドに来るんだ。」
「分かった。」
「君とは正々堂々と決闘で決着を付けよう。」
そう言って立ち去って行ったが、すれ違いざまに「決闘では、いたぶって殺してやる。」と、言われた。
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