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さて、剥ぐか。

○○ホイホイになっている主人公。

 冒険者ギルドに入ると、酒場で怒鳴り声が聞こえていた。


「何故だ! 何故、ガキ共が入れてAランクのボクが入れないんだ!」

「まあまあ。落ち着けよ、な。」

「これが落ち着いていられるか!」


 ……無視しよう。

 あの声は、グランブルム商会本社3階の冒険者フロアに居た「冒険者」だ。

 しかも、ご立腹だ。


「……あ! お前達は、あの時の!」


 あちゃー。

 見付かった。


「おい! 教えろ! 何故、お前達は入れて、ボクは入れないんだ?」

「そんなの知るか。店に聞け。」

「ボクはAランク冒険者なんだぞ!」

「だから、俺は知らん!」

「お前ー!」


 はい。

 完全にキレて剣を抜いたわ。

 そんなんだから、Aランク冒険者なのに入れないんだよ。

 一応は、Aランク冒険者だから正当防衛になる様に右手甲に切り傷を付けさせて、と。

 はい、正当防衛成立だな。

 反撃開始だ。


 バキッ!


 右手甲に切り傷を付けた状態から、更に剣を握る右手首の関節を極めて前方に流して体勢を崩し、足払いを掛けて残った左手で頭を押さえてそのまま顔面を床に叩き付けた。

 ……普通なら、瀕死の重症になるけど腐ってもAランク冒険者で、床が木材だからか気絶するだけで済んでいる。


「さて、剥ぐか。」


 そして、服と靴だけ残して全てを没収した後、受付嬢の所に行ってAランク冒険者が所持していたマジックバッグ(中身有り)以外を売りに出して大金貨8枚になった。

 後、ギルドに迷惑掛かるから、金貨1枚を出す。


「床の修理は、コレで足りる?」

「はい。充分に足ります。」

「余ったお金は、受付嬢さん達で使って。」

「はい! ありがとうございます。」


 そして、俺達はギルドに残っても意味が無いから、王都を出て適当にモンスターを討伐する事にした。

 とりあえず、オーク8匹を討伐した。

 オークの肉は旨いんだよなぁ。

 ……あ!

 そう言えば、マジックバッグの中身を見てないや。


「そう言えばそうですね、ユーマ様。」

「そう言えばそうだな。」

「それじゃあ、出すぞー。」


 ……結果は、白金貨3枚と金貨20枚に銀貨8枚に、金にならない私物と、ポーションに、予備の装備品一式と、「書類」が入っていた。

 金にならない私物は、一応は何か無いかを確認した後、焼却して埋めた。

 お金とポーションと予備の装備品一式はマジックバッグに仕舞い直して、問題は「書類」だな。

 今更感がたっぷり有るが、中身を確かめる。


 ……結論、確かめて良かった。

 あの馬鹿Aランク冒険者は、違法な奴隷売買に手を出していた。

 しかも、書類に掛かれた時間が過ぎていて、違法で奴隷にされた少女達が、今日、王都から「出荷」されている。


 ガラガラガラガラ!


「はいッ!」


 ……ん?

 今、布を被せた箱馬車が走っていった上に、出入口から鎖に繋がった黒い腕輪を付けた手が出てたぞ!

 待てや! その馬車!

 俺は、即座に走り出して馬車を追い掛けて追い付き御者席に飛び乗り御者を気絶させた。

 そして、リンとセシリアの所に馬車ごと戻った。


「ユーマ様、どうしたんですか?」

「多分、箱馬車の中身は違法奴隷。」

「なっ!」


 御者を起こして、「死」か「白状」かを聞いたら、「白状」を選んだので聞いたら、やっぱり違法奴隷で、走っていた先に仲間が待っていると言う。


「リンとセシリアは、この『書類』と一緒に箱馬車を王都に運んでくれ。俺は仲間の方に行く。」

「ユーマ様……」

「リン。私達では足手まといの可能性が有る。一緒に行かない方がユーマ様は安全(・・)だ。」

「……はい。」

「それじゃあ、行ってくるから、リンとセシリアも気を付けて帰ってくれ。」

「分かりました、ユーマ様。」

「分かった、ユーマ様。」


 俺はリン達を見送った後、既に魔力感知で捉えている集団の所に向かった。



 ……普通の商隊を装っているが、護衛役があまりにも凶悪な顔をしているし、トリア姉さんの導きか、自分達の犯行を自慢しているよ。


(可愛い弟のユーマの為にお姉さん、頑張りました。)


 ん?

 何か聞こえた。

 まあ、「黒」と言う事で、18人相手にシューティングゲームの始まりだ!


 こっそり「空裂弾(エアロバレット)」で右膝を狙い打ちして6連射!


「がっ!」

「ぎっ!」

「ぐっ!」

「誰だ! がはっ!」

「ぎゃっ!」

「ぐばぁ!」


 5秒のリロードタイム中に移動して6連射の後、5秒のリロードタイム中に移動して、また6連射!

 掃除(スィーパータイム)は終わった。

 全員、右膝を撃ち抜いたから逃げられずにいるな。

 この後、荷台の1つを異空間収納に仕舞い、違法奴隷の商人達を拘束した上で載せて、既に捕まっていた少女達に助けた事等を説明して王都に帰った。



 ……ちょっと遅い夕食を頂いた後、王都に帰った後を振り返ってみる。

 違法奴隷商人達とAランク冒険者の馬鹿は全員が犯罪奴隷行きになり、荷物等は全て俺の物になり不要品は売った。

 合計が白金貨2枚なり。

 腐ってもAランク冒険者。

 アレ1人で白金貨1枚になったよ。

 そして、捕まった少女達だが……


「ユーマお兄ちゃん、お話ししよ。」


 そうなのだ。

 捕まった少女達はスラム街出身で、自分からはなるつもりは無いが、なった以上は奴隷の方が良い、と言い出したのだ。

 スラム街に戻ると自由だが、それ以外は無くて、奴隷だと少なくとも衣食住は最低限保障される。

 そして、捕まった少女達は、目敏(めざと)くリンとセシリアの首に有る奴隷紋を見つけて、リン達の状態を視る。


 リン達の着ている服で見えない所は分からないが、見える所に暴力の跡は無し!

 更に着ている服も装備品も綺麗!

 肌の艶良し!

 暗い表情じゃない!


 ……という事で、奴隷主としての俺は「優良物件(にがしてはならない)」と少女達に判断された。

 どちらにしろ、違法とはいえ、奴隷になってしまった以上は、判断は俺に委ねられ、少女達の「泣き落とし」に負けました。


 とりあえず、ずっと面倒を見る事は出来ないから、一旦、マイカ達が居る「マテリヒナの町」に戻る事にした。



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