どうだぁ!
冷静なのは、既に経験済みだから。
俺達は3階の冒険者フロアに行ってみたが、出入口に近い所に初心者向けを置いて、奥に中堅向けの商品が置いてあった。
……あ!
魔王の森でお世話になった中堅シリーズが置いている!
もし、あの時に最初に訪れたのがクラマじゃなかったら……と考えると怖いな。
そして、何時の間にか連絡が行ったのか、店員と目が合ったりすると会釈をしてくる。
その内1人が近付いて来た。
「ユーマ様。奥の部屋では、VIP会員制の特別商品が並べた部屋がございます。もし、よろしければ如何ですか?」
「本当?」
「はい。」
「じゃあ、行ってみるかな。」
「では、ユーマ様。こちらです。」
案内されるまま奥の部屋に向かっていると、後ろから言い争う声が聞こえた。
「何故、あの人達は良くて、ボクではダメなんだ?」
「申し訳ありません。。奥の部屋を利用されるお客様は、私共が認めた方のみになっております。」
「それなら、ボクはこの本店で白金貨5枚以上を使ったんだぞ。」
「いいえ。金額の大小ではありませんし、功績だけでもありません。」
ちょっと後ろ髪引かれるな。
「俺が行った方が良いか?」
「いいえ、大丈夫です。」
すると、「ボクはAランク冒険者なんだぞ!」とか言いながら離れて行く気配がした。
「ユーマ様。お気遣いありがとうございます。」
「問題ないなら良いんだ。」
「それでは、どうぞ。」
扉を開けると、部屋の中には間違いなく一級品だと分かる品々が並んでいた。
確かに、俺が持っている装備品達に比べれば段違いに劣るが、それでも素晴らしい事には変わりない。
……そうだ!
「リンとセシリアの装備品を此処で揃えよう。」
「……え!?」
「待て、ユーマ様! 『元』とはいえ、侯爵令嬢だった私でも、此処の商品購入は考えるぞ。」
「大丈夫だ。白金貨の100枚くらいなら、オークションの時に貯めていて余裕だから。」
「……100枚!」
「……そうだった! ユーマ様は、私達特殊奴隷をほぼ買い占めた方だったな。」
こうして、俺も含めた3人分の儀礼的な場にも装備出来る商品を購入した。
代金は白金貨188枚だが、値引き合戦に負けてしまい、ちょうどの100枚にされてしまった。
……毎回思うが、店側と客側の立場が逆だろう!
客側である俺が定額か上乗せで「買う」と言っているのに、店側が認めずに、普通に4割、5割引きにしようとする。
……採算は合うのか?
聞いてみると、人件費はほぼ必要なく、生活費は精々が調味料や香辛料くらいで、食料は各々が自主的に狩りに行くのであまりお金が掛からないそうだ。
個人的にお金が必要な時は、同じく狩りに行けば良いし、服や靴等は、人化した時に自動で出来ているから、これもお金が必要ないらしい。
一言で言えば「自給自足が出来ています。」という訳だ。
それなら、土地購入代とかはどうなんだ、というと、狩りの時に余ったモンスターの素材を売って用意しているし、高額なお金が必要な時は、ちょっと魔王の森に行ってドナドナしてくるらしい。
……なんか凄ぇ敗北感だ。
更にぶっちゃけられた内容は、裏では上位貴族とかに魔王の森の中層辺りのモンスターの一部分を高額で売る商売をしているらしい。
それを聞いた元侯爵令嬢のセシリアが「そう言えば、あの時!」みたいな事を小さい声で漏らしていた。
さて。
儀礼的な装備品を買って「華」は手に入ったから、次は「実」の装備品を揃える為に、魔王の森の深層のモンスターを装備品にしてくれる所を紹介して貰った。
こういう時の為の素材なら、異空間収納には充分に確保しているからな。
本店を出て、テクテクと移動して到着した。
また、言い争う声が聞こえたから中にはいると、客側も店側も怒鳴り合っていた。
「てめえ、噂を聞いて折角買いに来てやったんだぞ!」
「お前達を呼んだ覚えが無いわ!」
……うん。
静かに壁の花になろう。
言い争いは、更に10分程続き店側の勝利、つまり、わざわざ噂を聞いて来たお客様を追い出す事に成功したのだ。
「仮面を付けたままなら出て行きな。」
「失礼。」
俺達は仮面を外した。
「素材を持って来たから、この2人の装備品一式を揃えて欲しい。」
「儂を納得させる素材なら、話は聞いてやろう。」
あ、そう言う事なら、出しましょう。
手持ちの世界最高級を、な!
「……なっ!」
古代覇王竜ルドラからは「爪・牙・鱗・翼の皮膜」を!
氷狼神王シリウスからは「爪・牙・毛皮」を!
紅蓮不死鳥レイラからは「爪・羽根」を!
暴風虎王アランからは「爪・牙・毛皮」を!
幻魔騎士王ガイラからは「魔剣(欠片)・魔鎧(欠片)」を!
瞬破馬王シュンからは「縦髪」を!
「どうだぁ!」
「……そうか。お前さんが『ユーマ』か。」
「俺を知っているのか?」
「当然だ! お前さんに、あの装備を作ったのは儂だからな。」
「そうか。」
「グランブルム商会からの紹介だろう。」
「ああ。やってくれるか?」
「既に、グランブルム商会とそういう契約を結んでおる。」
「それなら、頼む。」
「代金は先払いで2人合わせて白金貨60枚で、余った素材は此方が貰う事になっておる。」
「分かった。」
俺は白金貨60枚を払うと、向こうは支払った代金を仕舞うと2人からの身体の採寸を取ったり、装備品の希望を聞いている。
俺は待っている間は大人しくしていた。
暫く経つと終わったみたいだ。
「出来上がるのは2ヶ月後だ。」
「分かった。」
用事が済んだ俺達はまた仮面を付けて、冒険者ギルドに行ってみる事にしたのだが、「テンプレ」ってヤツが待っていた。
「お前達は、あの時の!」
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。
流石に、不必要な素材までは渡していません。




