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私は貴方の奴隷になる!

先回りが好きな狐達。

 そして、案内された先は、3階の貴族的な部屋でのんびりしている美少女だった。

 首に巻いているのも奴隷環ではなくて奴隷紋だし、服も普通の町人みたいな感じだしな。


「……」

「言いたい事は分かりますが、お金を受け取った以上は仕方なくです。」

「過去は?」

「とある国の高位の貴族の隠し子です。詳しくは言えませんが、結果として奴隷に堕とすのが、彼女にとって最も安全だったからです。」

「買ったらどうなる?」

「特に何もありません。強いて言えば、彼女の故郷の国に行かない事です。」

「彼女と話しても良いか?」

「はい。」


 そして、会長は話し声が聞こえない様に部屋から出た。

 俺は、彼女に話し掛けてみる。


「やあ。」

「はぁい。」

「俺の名前はユーマ。君は?」

「奴隷になる前は、『マイカ』よ。」


 何かに引っ掛かるから、ちょっと試してみる。

 ……日本語で。


『断崖絶壁。』

『なんですって! 私はBよ! ……ってアレ?』

『俺と同じ転生者か。』

『貴方も?』

『ああ。それでどうする? 特殊奴隷だから、一生涯奴隷から解放は出来ないが、俺の奴隷になるなら此処から出させてやれるぞ。』

『私は貴方の奴隷になる!』

『即答かよ。』

『勿論よ。私の人生は、此処で一生の籠の鳥か、誰かの奴隷になって、の2つしかないもの。当然、奴隷の待遇は知っているわ。

 だけど、それ以上に籠の鳥は嫌よ。』

『本当に良いのだな。』

『ええ。』

『じゃあ、買ってくる。』

『ちょっと待ちなさいよ!』

『何だ?』

『私、多分、……高いわよ。』

『大丈夫だ。』

『本当に?』

『ああ。』


 そうして、俺は会長に彼女を買う事を伝えて、手続きをしながら馬車の手配を頼んだ。

 因みに、彼女マイカの値段は白金貨20枚。

 ……確かに高いな。


 そして、馬車の中で、少女達に俺が知る回復系のフルコースを掛けて完全回復した。

 少女達は凄い喜んでいたし、マイカは「チーター」とか言っていたから、ある意味で色々と説明が省けるなと思った。


 馬車は、狐の微睡(まどろ)みに到着した後は、先に居て寛いでいる奴隷のレミリーア達に紹介する。



 ユリシア達に俺の考えを伝えてから1週間後に、出発の準備は出来た事で「マテリヒナ」を目指した。

 勿論、この1週間で全員が自分の事は自分で出来る様になって貰った。

 そして、この1週間で、他国の捨てられた聖女も転生者である事が判明した。

 どうやって分かったかと言うと、聖女のサヤとマイカが同室だったのだが、サヤが寝言で叫んだらしく「ティフ○ニーのネックレスを買って!」と。

 その後は、サヤとマイカは姉妹並みに仲良くなり、俺の考えに賛同してくれた。

 そんな事を考えていると、定番が現れた。


「命が惜しかったら、服と靴以外を置いて消えな。」

「サヤ! マイカ! 遠慮は要らない!」

「はい。」

「分かったわ。」


 そう、定番の盗賊だ。

 今回は、10人か。

 実は、サヤもマイカも最低限に戦える様に調き…………いや、鍛練した。

 だから、少し出発が遅れた訳だ。

 サヤもマイカもこの世界で生きて来たから、盗賊に対しての慈悲が無い。

 サクッと、火葬を待つだけの状態にした。

 サヤは水属性魔法と風属性魔法が、マイカは土属性魔法と火属性魔法が使える様になった。

 俺は真摯に向き合って優しくアジトの場所を聞いたら、素直に教えてくれた。

 やはり、恐怖と傷みは次元を越えて有効だね。

 俺は足下の赤い液体を洗浄(クリーン)で、消すと、臨時収入(ためたおたから)が置いてある盗賊のアジトに向かって、サクッと終わらせて皆の所に帰った。

 俺がアジトに行っている間に、サヤ達は盗賊の処理を終わらせて待っていた。


 そして、マテリヒナの町に到着した後は、諸々の手続きをする為に領主館に向かって到着したら、出迎え有りの紅茶とお菓子の提供で、少女達は喜び、元令嬢達は紅茶に使った茶葉と美味しさに驚いていた。

 そんな状態で現れた領主と執事。

 何故か、俺の希望を全て叶えた状態で準備終了状態で、後は俺のサインだけ、となっていた。

 どうやら、既に1週間前からユリシア達は動いて準備を進めていたらしい。

 道理で、俺、サヤ、マイカから念入りに聞き出した訳だ。

 俺の考えは、孤児院と喫茶店の併設だ。

 あの奴隷商館の奴隷を見て、前世の施設を思い出して我慢出来なかった。

 そして、元令嬢達には、喫茶店を経営して貰い、併設した孤児院で少女達は、読み書き等の職業訓練をしながら楽しく生きて欲しい。

 サヤは、前世では保育園園長をやっていたし、マイカは個人レストランの店長の奥さんをしていた。

 サインをしたけど、諸々で発生する代金は?

 え、もう頂いている。

 ……はい。

 改修工事は終わっているから、この後に行っても大丈夫。

 ……はい。

 家具類等、全て準備終了、と。

 ……はい。


 行ってみた。

 到着した場所を見ると、そこには前世での田舎の土地余り保育園と、ハイクオリティな軽○沢風のデザイナーな喫茶店があった。


 それから、ユリシア達が手配した喫茶店と孤児院の指導員に手解きを受け、正に目の回る忙しさの中、3ヶ月過ぎた頃には、元貴族令嬢とは思えない元気な姿が喫茶店に居た。

 そして、孤児院では、少女達の明るい笑い声が聞こえていた。



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