お前達も分かっているな?
前世を思い出した主人公。
……さて、どう答えようか。
「後、堅苦しい言い方をしなくて良いぞ。」
まあ、助かるから良いが、それで良いのか、侯爵!
「俺が『ローズ』なのはバレているんだよな?」
「ああ。」
「俺の出自だが知らん。物心付いた時には、既に祖父と森暮らしで、両親に繋がる記憶や物は無い。強さは毎日の祖父とする鍛練と森のモンスターのお陰だ。金もそのモンスターを売ったからだ。」
「その森が『魔王の森』だな?」
「ああ。魔王の森ではなく、近くの、だがな。それに祖父がかなり貯めていたのもある。」
「そうか。」
「大会に『ローズ』で出たのは、身バレを防ぐ為だ。ガキが白金貨を1枚以上を持っているとバレたら、命が狙われるだろ?」
「……確かにな。」
「奴隷に関しては政治利用を全く考えていないし、利用する気も全く無い。それと、購入した理由だが、とことん気に食わない奴が購入しようとしたのが、切っ掛けで意地になったらこうなった。」
「その気に食わない奴って誰だ?」
「大会の準決勝の相手。」
「……ああ! お前が試合中にアレを潰された男か!」
「ああ、そうだ。」
「あの男だが、あの後、余罪がバレて奴隷に堕ちたぞ。」
「それはめでたいな。他に何かあるか?」
「最後に1つ。」
「何だ?」
「お前は何者だ?」
「人は誰でも善悪両方を持っている。そして、それは周りの行動に因って、どちらにでも傾く。そして、俺は敬虔な女神イシュトリア様の信徒だ。」
「これで、話は以上だ。」
こうして、俺は解放されて領主館を出たのだが、普通の奴隷はどんなんだろうと思って向かってみた。
コレスーテ侯爵side
「どう思う?」
「測れる部分だけでも化け物です。」
「……そんなにか?」
「……はい。」
「それに、5年前のあの占いか。」
「コレスーテ様、あの占いとは?」
「一応は極秘だから他に漏らさない様にな。」
「はい。それで……」
「5年前まで、国王陛下に仕えていた王宮占星術師が、ある占いを出した。それが、魔王の森と今では呼ばれるあの森に『神の子』か『魔王の子』が誕生した、と。」
「なっ!?」
「つまり、『アイツ』は、扱い方で、『魔王』にも『神』にもなる訳だ。まだ断定する訳にはいかないがな。」
「……そうですか。」
「お前達も分かっているな?」
「はい。」
「漏らしません。」
「それで良い。」
「竜の卵を欲する理由も無いのに、わさわざ竜の巣に卵を取りに入る必要は無い。」
「畏まりました。」
ユーマside
俺は露店の親父から肉串を20本買う代わりに、奴隷商の場所を教えて貰い向かった。
良い意味で当たりだと良いんだけどな。
奴隷商館に到着した。
予想通りで、綺麗な雰囲気だ。
そして、店の前に居た男が声を掛けて来た。
「当奴隷商館に御用でしょうか?」
「ああ。」
「それでは、ご案内します。」
そして、俺は奴隷商館の中に入り、応接室に案内されて待っていると、目付きが鋭いイケメン細身が入って来た。
「お待たせしました。当奴隷商館の会長をしているユングと申します。」
「会長自らが相手をしてくれるとは光栄だな。」
「ありがとうございます。しかし、買いに来られたお客様を会長である私自身がしてこそだと思っております。」
「分かった。」
「それでは、当館には様々な奴隷を取り扱っていますが、お客様は、どの様な奴隷をお求めでしょうか?」
「そうだな、男は要らないから、それ以外を見たいな。」
「畏まりました。それではご案内させて頂きます。」
こうして、俺は会長に案内されながら、年齢が高い順に商品である奴隷の説明を受けた。
そして、人族の15歳未満の部屋に移った。
説明を受けても何か引っ掛かる者は居なかった。
「それでは、次は獣人族です。」
獣人族も同じ様に年が高い順に説明を受けたが、やはり何か引っ掛かる者は居なかった。
「もう無いのか?」
「……実は有るには有るのですが、まだ教育の済んでいない者や、なんらかの理由で売れない者が居ます。」
「見よう。」
「よろしいのですか?」
「ああ。」
「それではご案内いたします。」
移動先が地下で、若干薄暗いな。
「こちらの部屋はまだ教育の済んでいない者です。」
うん。
居ない。
「無いな。」
「畏まりました。次は売れない者の部屋をご案内いたしますが、匂いがキツい事をご了承ください。」
「分かった。」
案内されたけど、確かに臭いな。
……何か、外見が10歳前後が多くないか?
「この部屋の奴隷の年齢は?」
「はい。大体9才前後が多いですね。」
「最年長と最年少は?」
「はい。11歳と7才です。」
「この部屋に居る理由は?」
「はい。ギリギリの生活の中で体調を崩し働けないのなら、と売られた者が多いです。」
「何人居る?」
「はい。全部で10人居ます。」
「10人全て買う。幾らだ?」
「お客様、よろしいのですか? 上辺だけの満足感ではやっていけませんよ。」
「分かっている。それに伝手なら有る。」
「畏まりました。全てお買い上げでしたら、……金貨1枚になります。更に、雑費は無用です。」
「奴隷環から奴隷紋に、洗浄を含めた身嗜みと、奴隷に見えない服と靴を頼むが良いのか?」
「はい。」
会長の返事が終わると、後を付いて来ていたスタッフが部屋に入り、部屋の奥の扉を開けると、更にスタッフが現れて次々と部屋に居た奴隷達を奥の扉の向こうに連れていった。
「準備が調うまで時間が必要ですが、この後は如何なさいますか?」
「此処以外は本当に無いのか?」
「……お客様、何処でその事を?」
「本当に有ったんだな。」
「……参りました。まさか、当てずっぽうだとは。まあ、良いでしょう。あれ程の特殊奴隷を買った方なら、ご紹介いたしましょう。」
「俺の正体を知っていたのか?」
「はい。……と、言っても、オークションで特殊奴隷の女性ばかりを買ってグランブルム商会に入った後、ユリシア商会長に見送られながら、狐の微睡みに宿を取っている事ぐらいですね。」
「結構、知られているな。」
「奴隷に関する事ですので。それに、ユリシア商会長と繋がりが有るだけで充分でごさいます。」
「そうか。」
「はい。それでは、特殊奴隷の部屋にご案内いたします。」
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