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モゲろ、チーレム主人公野郎!

神様が実在する世界で、奇跡が無いのは逆に不自然かな?


第1部完まで、この話を入れて3話です。

 既に、サプライズの指示を手紙に書いて我が屋敷に送ってあるから、ムツキは別室にて綺麗に着飾った状態で待っている筈だ。


 そして、カルに主要人物達を紹介していくが、メインディッシュの前にカルから一言。


「モゲろ、チーレム主人公野郎!」

「あははは。誉めるな、照れるだろ。」


 そして、いよいよだ。

 当然、ティリーネ達には必要な事は教えてある。

 だから、周りはかなり緊張している。

 カルも、その緊張感を察して、オロオロしている。


「さて、カル。最後に紹介する人は、今後のお前を公私共に支えてくれるパートナーだ。」

「……待て。つまりは私の婚約者候補という事か?」

「いや、結婚相手だ。彼女が嫌なら何も言わない。」

「はあ!?」

「逢えば分かるよ。」

「……分かった。」


 そして、ムツキが現れるが、黒のベールで顔を隠しているから誰か判らない様にしてある。


 貴族(王女)として育ったとはいえ、年頃の少女達だから、恋バナには興味津々だ。

 だから、かなりの期待と緊張感でいる。

 因みにムツキには、カルの事は履歴書的な事は教えているからおぼろけながら覚悟を決めているんじゃないかと思うし、ムツキ自身も現代版貴族令嬢みたいなもんだしな。


「さあ、カル。未来のパートナーである彼女のベールを取って顔を確認してくれ。」

「わ、分かった。」


 カルがムツキに一歩近付く度に、ティリーネ達や娘を持つレミリーア達でさえ、ぐぐぅっと前のめりしている。


「……失礼するよ。」

「……」


 そして、カルはムツキのベールを取った!


「……む、睦月!」

「え!?」

「睦月!」

「ええ!?」


 カルは我慢しきれず、ムツキに抱き付く。

 ムツキは混乱中で、カルに対して何も抵抗をしていない。


「睦月、生きていたんだな。オレはずっと探していた! 良かった。本当に良かった!」

「ど、どういう事!?」

「睦月、オレだよ。優真だよ。東郷優真。睦月の婚約者の優真だ!」

「……本当……なの?」

「ああ。俺も確かめた。カルは異世界転生した東郷優真で、ムツキの恋人である婚約者の優真だ。」

「……優真なのね!」

「ああ。睦月、逢いたかった!」

「優真!」


 そして、俺達はカルとムツキを置いて全員退室した。


「ユーマ様。恋物語を間近に見る事が出来て幸せです。」

「私もです。」

「神々ですら、防げない別離を2人は乗り越え、再び巡り逢う……

 その最高の瞬間を見れるなんて、私、幸せ者ですわ。」


 ティリーネ達は、間近に見た恋物語の一節に会話が弾み、1時間後に、カルとムツキが居る部屋をノックした。


「……どうぞ。」


 顔が凄い事になっている2人に回復魔法を掛ける俺だが、カルの口にはムツキに使った口紅が付いている事には気付かない振りをして無詠唱で洗浄(クリーン)を追加で掛けた。


「どうだ、感動の再会は?」

「悪趣味極まりないが、心から感謝するよ、司。」

「……司!?」

「ああ。以前、オレが話した同じ施設で育った親友の蒼月司だよ。」


 察したムツキだが、険しい顔のまま言った。


「……本当に悪趣味ね。でも、ありがとう。」

「カル。彼女が結婚相手として不満が有るか?」

「不満なんか有るわけが無い!」

「ムツキ、カルが結婚相手として不満が有るか?」

「有るわけ無いじゃない!」

「良かった。」

「でも、優真、いえ、カルは侯爵家なのでしょう。良く言って平民の私と結婚が出来るの?」

「ああ。結婚出来るよ。身分なんてどうとでもなる。」

「……無理しなくても良いのよ?」


 ムツキは不安そうだが、俺の後ろには国王が居る。


「大丈夫。ムツキには話したが、俺はこの国の国王に繋がりがあるからな。ちょっとお願いすれば簡単だ。」

「ユーマのチート野郎……」

「そんなに誉めるなよ。」

「「誉めて無い!!」」


 ……と、いう訳で、先に送った手紙で国王側が用意したムツキの養子先にムツキと一緒に向かった。


 ムツキの養子先になってくれた伯爵家は、3代続く親王派で、本人達は既に引退済みで、たっぷりの年金で老後を穏やかに過ごす老夫婦みたいな人達だ。

 性格も穏やかだし、本人達も娘が欲しかったらしい上に孫にも女の子が居ない為にムツキの養子は大歓迎らしい。


 まあ、カルが侯爵家だからな、一応は貴族的な節度を守る必要がある。

 ムツキにも説明したから……


「ムツキです。これからよろしくお願いします。」

「血も繋がっていないし、良い年だが、父親として接したい。」

「よろしくお願いします、お義父様。」

「血の繋がりが無くても仲良くしましょうね。」

「はい、お義母様。」


 仲良くやって行けそうだな。


「王宮の方から連絡が来ていると思いますが、彼女はアハガリア侯爵家三男の想い人です。2人を祝福したいのでよろしくお願いします。」

「何を言っているんだ。娘の恋路を邪魔する親なんて居る訳無いだろう。」

「そうですよ。普段着から結婚衣装までを、娘と考えるのが今から楽しみだわ。」

「お義父様、お義母様……」

「それではよろしくお願いします。」


 こうして、ムツキは後ろ楯が出来て、堂々とカルと結婚出来る事になった。

 カルも侯爵家三男とはいえ、長男以外の立場なんて平民と対して変わらんからな。

 一生懸命に、商会を運営する為の経営を学び直している。

 まあ、商品そのものは売れるのは確定だから、大丈夫だろうと思っている。


 ……そして1年後、カルとムツキは結婚式を挙げた。



暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。

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