ルイファード、貴女の息子の仇は討ったぞ。
この話で、ガチシリアスは終わります。
……激昂したまま攻めて来るかと思ったが、息を吐き落ち着きを取り戻したみたいだ。
「……ふぅ。」
残念。
「……後から来た2人から察すると、あの子達は全滅したみたいね。」
「そうよ。私達で倒したわ。後は混血児達を外法に堕とした貴女だけよ!」
「黙れ、小娘!」
「「「……!?」」」
俺ですら、一瞬とはいえ動けなくする程の威圧を放つルイファードが顔を歪めて言った。
「あの子達は、既に限界だったのよ! だから、例え目標を復讐にしてでも生かしてあげたかったのよ!」
「……お陰で、良い玩具が手に入ったのだけどね。」
「……え?」
「そうよ。助けられなかったテオドーロの代わりに……」
「沢山の検体から知る事が出来たわ。」
「……な、何を言っている?」
「決まっているわ。」
「ええ。決まっているわ。」
同じ人から、2つの「声」が紡がれていた。
「「全ては……、憎い『全て』のエルフを殺す為よ!」」
ルイファードは、懐から小瓶を出し、中から1つしかない紅い丸薬みたいな粒を取り出し、飲んだ!
「「あはははははは……」」
身体から吹き出す魔力が増大しながら、2つの「声」が次第に1つになっていく。
「あははははは……」
そして、「声」が収まると、そこには美しい女性のエルフを型どった人形が居た。
「……コロス。」
ガガガキン!
「……マジかよ!」
今の俺は、古代竜を片手間で倒せる程の強さなんだぞ。
その俺が、防御一択かよ。
「……コロス。」
「くっ……」
「ユーマ殿!」
「ユーマ様!」
「もっと下がれ!」
俺は戦闘激化を予測し、コトネ達を更に下げた。
そして、その予測は当たり、練武場の周りにある観客席とかが破壊されていった。
エルフィードの周りはセリスの結界の中にいて、今の所は安全みたいだ。
……さて、どうする?
既に、俺は身体強化10倍を使っている。
「夢幻解放」は、リスクが高過ぎる以上は使えない。
と、なると……「アレ」しかないか。
「……シネ。」
やるしかない!
ルドラの血で助かった事で身に付けた「力」で!
「闘竜気!」
ガギン!
ルイファードの攻撃を、俺は右腕で弾く。
「……」
「此処からは俺のターンだ!」
俺は先程とは比べられない程の桁違いの力を制御して、ルイファードを追い詰めていく。
「……ガッ!」
「双竜尾!」
「がぁ……」
彼我の距離が開いた所を雷撃弾を、右手でマシンガンの如く撃ち続ける。
左手には、氷属性の魔法「凍結縛陣」を準備する。
効果は、対象を結界内に閉じ込め液体窒素級を流し続ける魔法だ。
「……コロス。」
「閃光!」
「ガァ……」
俺に向かって来た所を、雷撃弾を撃つのを止め、目潰しの「閃光」を放つ。
動きが止まった所に準備した魔法を放つ。
「凍結縛陣!」
「ガァアアアア……」
……しかし、効果は薄く、結界は破壊され、ルイファードは再び俺に向かって来た。
「……コロス。」
「ちぃ……」
準備していた俺の刺突をギリギリに避けるルイファードだが、ギリギリな為か、ルイファードの胸当たりの服の極一部分が破ける。
その破けた部分からペンダントが踊り出た。
……いや、細い鎖に通した紅い指輪だ。
それを見たルイファードは、能面の様な顔の光を反射しないかの様な眼が一瞬、光が戻った様に見えた。
「ワ、私は、私が最も憎む『エルフ』を殺す!」
ルイファードは、自我が戻ったかの様に喋り出すと、両手に持つ曲剣を上段に構え、俺に向かって来た。
俺は、向かって来ているルイファードを見る。
……罠か?
……いや、違う!
……ああ、分かっている。
……ルイファードが最も憎む「エルフ」を殺してやる。
「がぁ……」
「ルイファード、貴女の息子の仇を討ったぞ。」
「……ありがとう。」
「ルイお姉様ーーー!」
コトネ達に守られていたエルフィードは、涙でぐしゃぐしゃな顔をしたままルイファードを抱き締める。
「ルイお姉様!」
「エル、ごめんなさい。」
エルフィードが俺に顔を向け叫んだ。
「お願いします! ルイお姉様を助けてください!」
「エル、良いのよ。」
「ルイお姉様、何故!」
「私はいつの間にか狂い憎んだわ。大切な、あの子『テオドーロ』を死に追いやったエルフ達を。そして、最も憎むエルフを、あの坊やに殺して貰ったのよ。」
「……まさか!」
「……ええ。私の命より大切な、あの子を守れなかった母親である私を……」
「ルイお姉様……」
「坊や、ありがとう。これであの子の仇は討てれたわ。」
トリア姉さん、良いかな?
(勿論よ。)
そして、また雷鳴が響き、創造神イシュトリアが降臨した。
【ルイファード、久しぶりですね。】
「創造神イシュトリア様!」
【私は貴女を助ける事はありません。しかし、貴女達3人が再び、この世界で生まれる時は、必ず家族として生まれる事を約束しましょう。】
「……ありがとうございます、創造神イシュトリア様。」
【今は眠りなさい、ルイファード。】
「……は……い」
「ルイお姉様、お休みなさい。」
ありがとう、トリア姉さん。
(今回はちょっと高いぞ。今度、う~んと甘えるからね。)
分かった。
「……ありがとう、ユーマ様。」
「良いよ、お礼は。」
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。




