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エルフ側は、全員が固まった。

落とし穴は、何処に有るか分かりません。(笑)

 あの後はお開きになり、先程まで居た部屋に戻ったのだが、忘れ物が無いか確かめた後、移動して更に豪華な部屋になった。


「何か、ご用がございました、この鈴を鳴らしてください。直ぐに対応いたします。」


 俺達は空気を読んで、飲み物と軽食をお願いする時以外は大人しくしていた。


 (しばら)く待っていると、部屋にノックの音が響く。


「どうぞ。」

「失礼します。昼食の準備が出来ましたので、ご案内いたします。」


 案内されて移動しているが、流石に人族産の「メイド服」は着ていないな。

 その代わりにメイドの立場のエルフは、ギリシャ神話とかに出てくるシーツを巻いているみたいなヤツを着ている。

 ……黒色で。


 そして、案内された先は来賓用の食堂で、女王エルフィードに宰相にセリスが居た。


「堅苦しい作法は抜きで、楽しく食事をしましょう。」


 エルフの女王がそう音頭を取り、昼食が始まった。

 差し障りの無い社交辞令的な会話をしながらデザートを食べ終わる頃に、踏み込んだ質問をした。


「調査の結果はどうだった?」


 俺がそう聞くと、女王は給仕等をしていたエルフを下げて答えた。


「5つ残っている筈が、全て無かったわ。」

「つまり、最大でエルフを4人殺せると言う事か?」

「ええ。1つに付き1人よ。」

「盗んだ者の目星は?」

「恐らく、いや、盗んだのは私の姉のルイファードよ。」

「女王は妹か。普通は姉が女王になるのだろう?」

「ええ、普通ならね。しかし、姉ルイファードは、継承権を破棄されたわ。」

「……何が有ったか話せるか?」

「勿論よ。これを話さないと前に進まないだろうしね。」


 話の内容は、約600年前に起こった事で、エルフでは珍しい悪役令嬢的な婚約破棄物が起きた。

 ルイファードが女王になった時の王配が婚約者という形で決まっていたが、まあ、そんなに仲は良くなかった。

 そして、当時、留学中の魔人族の男と仲良くなり、2年後には子を身籠った。

 結果は、ルイファードは継承権を失い婚約破棄となり廃嫡になり、その後、母となり必死に1人で子を守っていたが、子は周りの差別と重圧に耐えきれず、8才くらいで衰弱死。

 因みに、相手である魔人族の男は、婚約者が居る次期女王と関係を持ったという事で処刑された。


 そして、エルフィードは、次期女王となってしまった為に、立場が邪魔して助ける事が出来なかった。


 ……ルイファードは、相手の魔人族の男と子の遺体共に居なくなった。


 勿論、捜索したが見つける事が出来ず、20年後に捜索は打ち切られた。


「……と、言う訳よ。」

「……そうか。」


 そして、エルフィードに俺の考えを伝えた。

 集落を襲ったのは、逆恨みと陽動に、駒にした混血児が使えるかの試験だったのだろう。

 そこから考えると、最終目標は、エルフの国の崩壊、つまり滅亡を願っている可能性が有ると。


「……分かったわ。何らかの名目で警備を強化するわ。」


 とりあえず、今は部外者の立場の俺が出来る事はした、と思っていたら、重い空気を変えようとして俺に質問をした。


「ユーマ殿は強いと聞いたし、人族が言う『魔王の森』に関わって来たのでしょう? どれぐらい強いの?」

「人族が言う『魔王の森』の最深部に古代覇王竜(エンシェントハバムート)が居るのは知っているか?」

「ええ。勿論、知っているわ。あれこそ、創造神イシュトリア様が用意された世界の抑止力。正に天災よ!」

「その古代覇王竜(エンシェントハバムート)に10回戦えば6回勝てる。」


 エルフ側は、全員が固まった。


 ……パリ~ン


 女王エルフィードが、持っていたグラスを落とした。


「「「「「な、何ーーーーーーー!」」」」」


 向こう側のエルフ全員が絶叫した。


「ユーマ殿、冗談よね?」

「事実。」

「……はは。」

「……! ちょっと待ってください!」


 なんか、宰相が吠えた。


「最近の報告書で読んだのですが、その古代覇王竜(エンシェントハバムート)と同格の者達が『魔王の森』に居るという報告ですが、何か知っていますか!」

「皆、俺と家族。」

「なっ!」


 次にセリスが吠えた。


「……え! ちょっと待ってよ! それじゃあ、我がエルフの国に無くてはならない生命線の1つになっているグランブルム商会は?」

「あ、やっぱ、その辺は知っているんだ。総督である白狐人族の長とも家族だ。」


 因みに、コトネ達は、エルフィード達に憐憫の表情を向けながら空気になっていた。


「……つ、つまり、我がエルフの国は、ユーマ殿、いや、ユーマ様の気分1つで、興亡が左右されるの?」

「いや、そんな心配は要らないよ。個人で調子に乗っている馬鹿にはお仕置きするが、俺は『国』に対して、そういう『力』は使わないよ。」

「「「「ほっ。」」」」


 安心した顔をエルフ側は見せたけど、宰相が何か気付いた顔をして、俺に聞いて来た。


「それならば、グランブルム商会に(あいだ)に入って貰い、税金等の話を……」

「それは無理。俺は関わらないよ。」

「……ダメですか。」



 翌日


 俺達は、朝食を済ました後、女王エルフィードからエルフの国の「王家の短剣」を貰った。

 俺は「良いのか!」と言ったが、女王エルフィードが「悪用しないと信じますから受け取ってください!」と、鬼気迫る勢いで言ったから受け取った。

 勿論、エルフの国でも、「王家の短剣」の価値は人族のと同じになっている。

 それと、エルフの王城の無制限許可証も貰った。

 これが有れば、女王エルフィードの自室と軍事施設と宝物庫以外なら、ほぼ何処にでも入れる。


 そして、俺達はエルフの国の王都の散策を始めた。



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