衣装の変更をお願いします!
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王城に入り、案内されるまま応接室で待っていると、セリスリア、いや、もうセリスで良いや。
セリスは応接室に入るや否や、「部屋の準備が出来たわ。」と言いながら、また案内される。
そして、俺達に用意された部屋は豪華だった。
……この部屋は、客室としては上から何番目だ?
更にセリスは、爆弾を投下した。
「この後、謁見の間で挨拶をして貰うから。」
「ちょ……」
「バイバ~イ。」
ち、ちょっ待てやー!
可笑しいだろう?
何故、こんなVIP待遇なんだ?
確かに、このエルフの国の偉い人を助けたが、謁見の間に連れて行く程の功績じゃないだろ~。
俺の頭に中で、疑問符がナイアガラ状態で待っていると、喚ばれたので謁見の間に到着した。
「私が女王『エルフィード=ユグドラシル』よ。」
玉座には、凛としたエルフが居た。
……でもな、女王様。衣装の変更をお願いします!
いや、マジで!
女王様の衣装には後ろにスリットが入っているし、玉座が有る床と俺達が居る床が1mぐらいの段差が有る上に、俺、膝を突いて見上げているんよ。
……目のやり場に困るって!
あ、でも、胸元は見ないので安心してください。
女王様の胸元は爽やかなので。
「お主、何か、かなり失礼な事を考えていないか?」
「いいえ。」
「……そうか。」
何故、分かったのだろうか?
「さて、お主達を喚んだ訳だが、勿論、我が同胞を救ってくれた事の礼も含まれておるが……」
エルフの女王は途中で言葉を止めると、謁見の間に居た連中が殆ど退室した。
今、謁見の間に居るのは、俺達と女王と多分宰相とセリスに、護衛の騎士2人に多分魔術師系1人が残った。
「私自身が信頼する者達よ。」
まあ、そうだよな。
「話の続きだけど、何か重要な事を知っているのではないかと思って喚んだのよ。どうかしら?」
「……本当に信頼する者達でしょうか?」
「どういう意味?」
「推測でしかありませんが、俺が知る『何か』はかなり重要かと思います。」
「心配は要らないわ。話して。」
「……分かりました。此処には居ませんが、とある場所に置いて来た俺の奴隷の1人が、毒が塗られた刃で刺されました。」
「それが?」
「その刺した者がエルフでした。」
「なっ!」
「そして、その毒は、俺が最も信頼する存在が言うには、エルフの王族しか扱えない、と言うのです。」
「……ば、バカな! そんな毒は知らないわ。」
「何でも、自殺用だとか。」
「……ま、まさか!?」
「因みに、その毒はエリクサーでも治せませんでした。」
「エ、エリクサーですって! お前は、何者なの!」
……エルフ族のトップぐらいは良いか。
どうせ、人族の一部にはバレているしな。
「エルフの女王陛下にお伺いします。」
「何?」
「約5年前に、とある人族の王族に仕える占星術師が出した『占い』をご存知ですか?」
「……ええ。確か、人族が言う『魔王の森』に神の子か、魔王の子が現れた、というモノでしょう……!? まさか!」
「ああ。俺がその『神の子』だ。」
トリア姉さん、行ける?
(勿論だよ、ユーマ。)
トリア姉さんが、そう言うと、途端に謁見の間の壁の向こうから雷鳴が聞こえて来た。
そして……
【久し振りですね、エルフィード。】
「……創造神イシュトリア様!」
エルフの女王は、そう言うと、直ぐに玉座から降り俺達がした様に膝を突いた。
【こうして会うのは、500年前に貴女が女王に即位した時以来ですね。】
「はい。」
【この者は、創造神が祝福を与えし者です。】
「はい。」
【因って、この者を仇なす者は、創造神に仇なす者です。分かりましたね?】
「はい。」
(じゃあ、帰るね。ユーマ、頑張ってね。)
ありがとう、トリア姉さん。
そして、壁の向こうの雷鳴は聞こえなくなった。
「……まさか、人族の占星が真実だったなんて……」
「正直に言えば、毒の事を教えてくれたのが創造神イシュトリア様って訳だ。」
「……そうなのね。」
「だから、聞くけど、その保管している『毒』の量が減ったか、紛失していないか?」
「……なんか、一気に砕けた言葉使いよね?」
「俺の立場を知って尚、敬語とかを使った方が良いか?」
「……いいえ。」
「そうだろ?」
「さて、先程の質問ね。確かめてみないと分からないけど、恐らくはそうなっていると思うわ。」
エルフの女王が、答えた後、多分宰相とセリスを呼んで耳打ちをした。
「それと、セリスからの報告には、集落で暮らすエルフ達からの定期連絡が途絶えている原因に『混じった者』が関係していると聞いたわ。何か、知っている?」
「その前に、その『混じった者』という言葉は止めた方が良いと思うぞ。半分は、同じエルフなのだからな。
そして、恐らく、その『侮蔑』こそが、今回の『元凶』だと、俺は思っている。」
「……」
「エルフ以外の血が半分入っているだけで、迫害を受けている者達が、直接に動いた者達だ。既に、幾つかのエルフの集落は全滅している。」
「そんな!」
「定期連絡が途絶えた集落は、もう……」
「……」
「確認に誰か行かせるなら最低でも3人以上で、そこのセリスに楽勝で勝てる者じゃないと、無駄死にだと思うぞ。」
「……分かったわ。」
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