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この世界は、剣と魔法の世界だよ。

因みに、前世で接点がありますが、邂逅はまだ先になります。

 とりあえず、事務室に入った俺達は、彼女の為に食事の用意を頼んで、彼女が食べている間にトリア姉さんにお願いをした。


(ユーマ、なあに?)


 彼女に、この世界で生きていく為の、読み書き会話を出来る様に出来ないかな?


(勿論、簡単に出来るよ。)


 ありがとう、トリア姉さん。


(可愛い弟のお願いを断るお姉さんはいないよ。……もう出来る様になっているよ。)


 流石はトリア姉さんだね。


(えっへん。)


 ……食べ終わったみたいだな。


「美味しかったか?」

「とっても美味しかったわ。……え!?」

「この世界の創造神イシュトリア様にお願いして、この世界で生きていける様に、読み書き会話が出来る様にして頂いた。」

「え!?」


 そういえば、洗浄(クリーン)を掛けていなかったな。


洗浄(クリーン)。」

「ええ、魔法!?」

「そう。この世界は、剣と魔法の世界だよ。」

「……その言い回しは……」

「ああ。俺は異世界転生だよ。」

「……異世界!?」

「……ああ! それと、もう気付いていると思うけど、元の世界には帰れない。」

「……やっぱり。」

「異世界系のラノベを読んだ事は有る?」

「それなりに読んだわよ。」

「それなら……」


 とりあえず、自己紹介をして貰い、俺やコトネ達の事を説明した。

 ただ、1つ。

 トリア姉さんからの溺愛は言っていない。


「最強無双、チーレム、神様とお友達、モフモフ、大金持ち、王族と仲良し、屋敷とメイド持ち。……モゲロ!」

「ムツキ、ヒドい!」

「女!」

「キサラ。」

「……はい。」

「忠犬まで……」


 そして、ムツキは姿勢を正し、質問をした。


「私はどうなるの?」

「創造神イシュトリア様の奇跡で読み書き会話が出来る様になったから、自立は出来ると思うよ。」

「でも、どうせ、異世界あるあるで、女1人では生き難いし、命の価値が安いのでしょう?」

「ああ。だから、俺の屋敷で働きながらお金を貯めて暮らすのはどうかな?」

「元貴族令嬢達がユーマの奴隷で、カフェとかで働いているのよね?」

「そうだよ。それに屋敷は、王族と神殿の両方からの『特区』扱いだから、先ず、無法者は来ないしな。それに、屋敷には女性の転生者も居るしね。」

「……分かったわ。ユーマ様、よろしくお願いします。」

「様は付けなくて良いよ。」

「ダメよ。これはケジメよ!」

「それならそれで良いよ。それで今後なんだけど、ちょっと俺達はエルフの国に行くから、その間は、此処で留守番してて欲しいんだ。」

「え、ちょっと。私もエルフの国に行きたい!」

「悪いけど、今、エルフの国はクーデターの可能性が有るから駄目だよ。」

「そうなの?」

「だから、この商会で、一般教養とかを学んで欲しい。」

「……その、大丈夫なの?」

「大丈夫だよ。この商会、いや、大陸中に広がるこのグランブルム商会は俺の味方だから。1番偉い人が俺の家族同然の人なんだ。」

「……もう1度言うわ。モゲロ!」

「ヒドいなぁ。で、どうする?」

「分かったわ。留守番をしているわ。」

「それじゃあ、シグレさん。お願いします。」

「はい、喜んで!」

「「だから、何故、その返事?」」


 アークザラのグランブルム商会の店長にムツキをお願いして、俺達はグランブルム商会の飲食店エリアに行き食事にした。


 ……俺、頑張ってきちんと正式な代金の金額を払ったぞ!


 だって、「ユーマ様は、代金は無料です。」とか言い出すんだもんなぁ。



 ムツキside


 私の名前は、西園寺睦月(さいおんじ むつき)(18歳)よ。

 あの日は、やっとお父さんが、彼の事を認めて貰えてからの久し振りのデートだったのよね。

 彼の名前は、東郷優真(とうごう ゆうま)(21歳)よ。

 彼は、施設出身だけど凄く格好いいのよ。

 勿論、中身もよ!

 そういえば、彼が良く話す「司」って人は、今、どうしているのかなぁ。

 それに、彼とユーマ様が同じ名前だし、何か関係が有るのかしらね。


 ……あ、はい。これに着替えれば良いんですね。

 コレ、メイド服じゃん!

 私、膝上のスカートのメイド服なんて着た事ないのに……

 え!

 膝上どころか、足首までタイプ!

 ……まあ、カフェで働く女性は元とはいえ、貴族令嬢達だからでしょうね。

 あら、エルフの少女と……鱗付きエルフ!?

 でも、此処は異世界だから、外見は気にしない方が良い筈だから、触れない様にしよう。


「此方の2人は、シーマとブラッシュです。ここ最近、ユーマ様の奴隷になった者です。」

「エルフのシーマです。」

「シーマの幼馴染みのブラッシュです。」

「ムツキです。」


 この後、お互いの事を話し合ったけど、「混血児」かぁ。

 初めて会った時に、触れなくて良かった。

 ……そっかぁ。

 混血児は、歓迎されない世界のパターンか。

 まあ、ほんの2週間前まで日本に居た私には関係ないか。

 中身さえ、良かったら気にする必要は無いわね。

 それに、ユーマ様の下に就くのだから、仲良くしていかないといけないよね。


「これからもよろしくね。シーマ。ブラッシュ。」



 ユーマside


 時間が中途半端だから、今日はのんびりしよう、と思って散策中なのだが、周りの貴族系や商会系の馬車が止まっている上に中身入りで、だ。


 ……嫌な予感しかしないな。



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