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人と猿を一緒にするな!

小さな親切、大きな迷惑です。


今日の午後9時に短編を投稿しています。

もし良ければ、そちらも読んで頂ければ幸いです。

ジャンルは「ハイファンタジー」です。

「受付嬢さん。この熱気は何?」

「実は、今、この都市レギンガラムでは、『竜殺し』つまりドラゴンスレイヤーを目指す冒険者で溢れています。」

「へえ、竜殺(ドラゴンスレイヤー)しか。」

「はい。既に、1組の冒険者チームが達成しているのも原因の1つです。」

「つまり、まだ(ドラゴン)が居る訳か。」

「はい。」

「そのドラゴンの種族は? 黒竜(ブラックドラゴン)? それとも黄金竜(ゴールデンドラゴン)? もしかして古代竜(エンシェントドラゴン)か!」

「ち、違います! ワイバーンです!」

「へ!? ワイバーン?」

「はい、ワイバーンです。」



 此処でちょっと解説だな。


 この世界でのドラゴンは大別すると2種類存在する。

 1つ目は、ワイバーンや地竜等が代表の「亜竜種」だ。

 2つ目は、黒竜(ブラックドラゴン)黄金竜(ゴールデンドラゴン)等が代表の「竜種」だ。

 一般常識的には、赤茶竜(ブラウンドラゴン)からが「竜種」となっている。

 なんで、そんな風に分けられたかと言うと、実は、ルドラが当時、この大陸を支配下に置いた大帝国アレクサンロスの皇宮に直接行き、時の皇帝に説教したらしい。


 例えると、「人と猿を一緒にするな!」と、こんな感じの事を言ったらしいな。

 ルドラの黒歴史みたいで詳しく教えてくれなかったけど。

 大陸を支配下に置いた大帝国も、今より若いとはいえ、ルドラに勝てる訳もなく。

 皇帝が殺されるくらいなら、下に命令を出す方が楽だし、早いって事で、それ以降の常識として、一緒にしていたのを、ワイバーンは「亜竜種」で、赤茶竜(ブラウンドラゴン)からは「竜種」となった。

 因みに、この事をルドラに密告(ちくった)のは、クラマだったりする。


「いや。幾ら何でも、ワイバーン討伐で竜殺(ドラゴンスレイヤー)しは無いだろ。」

「ち、ちょっと待ってください。言葉が足りませんでした! 

 確かにワイバーンですが、普通のワイバーンではなくて、変異種なんです!」

「変異種?」

「はい。先ず体躯が通常の2倍で、色も通常の薄い黒色ではなくて、赤銅色なんです!」

「……なるほどな。確かに、今、言った通りのワイバーンなら、『竜殺(ドラゴンスレイヤー)し』と名乗れるな。しかし、そんなのが、複数居るのか?」

「はい。確認されただけでも、後5匹居ます。」

「分かった。まあ、頑張ってくれ。」


 受付嬢から話を聞いて立ち去ろうとすると、1人の冒険者が進行先を塞ぐ。


「ちょっと待ちな。」

「……邪魔だけど?」

「悪いが、ちょっとした先輩からの忠告みたいな事を言いたくなってな。」

「何を?」

「君達も冒険者なんだろうが、ワイバーンとドラゴンを比べてワイバーンの方が確かに弱いが、決してワイバーンも楽に倒せるモンスターじゃないんだ。」

「……ああ、そう言う事か。悪いが、俺にとっての『竜殺(ドラゴンスレイヤー)し』は、単独での赤茶竜(ブラウンドラゴン)の討伐だからな。」


 俺の言葉に、聞く耳を立てていた他の冒険者の空気が剣呑になった。

 同時に、キサラの立ち位置が少し他の冒険者側に動いた。



「……意識が高いのは良い事だけど、少し言葉に気を付けた方が良いよ。」

「そうか。だが、俺の認識を変える気は無いな。」

「ガキ! ちょっと指導しないといけない様だな。」

「断わる。」


 1番近くに居た他の冒険者の1人が話に割り込んだ。


「……良い度胸だ。」

「まあまあ、穏便に、な。」

「しかし、イルドさん。このガキは……」

「分かっている。でも、まだ子供じゃないか。こういう時は、ボク達大人がしっかりしないと。」

「もう、良いか?」

「すまないな。でも、保護者の君もしっかりと諭して欲しいかな。」

「……私に言ったのかしら?」

「ああ、そうだよ。」

「節穴ね。」

「もう我慢出来ねえ! 女、練武場に来い! 来なければ、仲間が痛い目を見るぞ!」

「ま、待つんだ!」

「イルドさん。悪いが、これ以上は無理だ。あんたを馬鹿にされたんじゃあ、下がれねえ。」

「しかし……」

「……ほう。我が君に害を為す、と?」


 キサラが、そう言った瞬間に、冒険者ギルドの温度が氷点下まで下がったかの様に感じた。


「え!?」

「良い度胸ですね。私の前で我が君を害すると宣言するとは、余程、死にたいとみえる。」

「待て、キサラ。」

「しかし、我が君。」


 まあ、こんな事になれば来るんじゃないか。


「何が起こっている? 説明しろ。」


 2階から誰かが降りて来た。


「ギルドマスター。」


 ……やっぱりな。


「冷静な話し合いをしたいから、其方の誰かだと思うから、止めてくれるか?」

「キサラ。」

「はい、我が君。」


 キサラは、氷点下の殺気みたいなのを止めた。


「……ふう。久しぶりに肝が冷えたよ。それで何が有ったのか説明してくれるか?」


 イルドと呼ばれた男と、俺の両方が説明した。


「原因は、分かった。それなら……」


 結局は、練武場で戦う事になった。

 向こうが勝ったら、キサラが謝罪し、キサラが勝ったら、イルドが謝罪する事となった。

 因みに戦うのは、キサラと途中で話に割り込んだ男だ。


 俺は、キサラに入れ知恵をした。


 向こうは、模擬戦用の長剣を選び、キサラは無し。

 向こうは激怒したが、キサラが「必要無い。」とはっきり言った為、「ぶちのめしてやる!」という空気を流しながら下がった。


「準備は良いな? ……始め!」



暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。

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