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1人の命には代えられない!

創造神といえども、代償は必要だった。

 ユーマside


「ユーマ殿、この辺りは薬草が多いな。」

「ああ、そうだな。」


 適当に森の奥まで進んだ俺達だが、運良く薬草の群生を見つけて採取していると、リンとキサラが気が付いた。


「ユーマ様。」

「我が君。」

「どうした、リンにキサラ。」

「ユーマ様、血の匂いがします。」

「我が君。リンの言う通りです。」

「分かった。どっちから匂う?」

「此方です。」


 俺達は、リンとキサラが指し示す方角へ向かうと、一瞬、何かが抜けたと思ったら、そこはエルフの集落だった上に、襲撃を受けていた。

 見渡す限り、無事な建物は無い。


 ……俺は、探知系スキルの範囲を広げた。


 ……有った!


「此方だ!」


 探知系スキルで到着した場所では、エルフの耳と、アルの様な竜人族の鱗を持つ少年と、その少年が持つ禍々しい血の付いた剣で刺されようとしているエルフの少女が居た。


「……死ね。」

「いやーーー!」

「止めろーーー!」


 俺は直ぐに飛び出し、少年の禍々しい血の付いた剣を刀で受け流した。

 そして、少年の目に光が無い。


 ……正気じゃないな。


「あの御方の邪魔をするなー!」


 あの御方?


 ……そうか。


 それなら、先に、あの禍々しい剣を破壊する。


 ギィン! カン! ガッ! バキッ! キン! 


 此処だ!


 バキッ! 


 ……パリン!


 良し、破壊出来た。


「よくも、あの御方から頂いた剣をー!」

雷撃弾(ライトニングバレット)。」

「がぁ!」


 俺は、少年の両肩と両膝に雷撃弾(ライトニングバレット)を撃ち込む。

 そして、俺はゆっくり少年に近付いた。


「待って! 殺さないで!」


 ……いや、一応は殺すつもりは無いよ。


「彼は、幼馴染みなの!」

「君を殺そうとしたが?」

「それは仕方ないかもしれないわ。でも、私は彼に死んで欲しく無いの!」

「……分かった。」


 言わば唯一(・・)の被害者のお願いだから、従う事にした。

 そう。

 既に、生きている被害者は、この少女しか居ない。

 ……だから、万が一を考えて拘束はしておく。


 エルフの少女に回復魔法を掛けて治癒する。


「ありがとうございます。」


 お互いに自己紹介をして事情を話し合うと、どうやら少年はこの集落の生まれで、父親は竜人族らしい。

 そして、エルフ族はどうしても多種族との混血児を受け入れる者が少ない為に迫害される。

 しかし、そんな中、エルフの少女シーマは、この少年と仲が良く幼馴染みとして一緒に居たが、シーマの両親も庇いきれなくなり、これ以上の迷惑を掛けない為に、少年と母親は集落を出た。

 10年近く会えなかったが、再び会えたと思ったら、この惨状という訳だ。


 因みに、冒険者ギルドのエルフの目撃情報は、この集落のエルフで、ここ数年、近辺のエルフの集落が全滅しているしい。

 近辺と言っても、エルフのエシルが居る集落以外は、1番近い集落が、人族の馬車で1週間掛かるらしい。

 その情報収集で動いていた時を見られたみたいだ。


 唯一の被害者であるシーマに、弔う為にはどうすれば良いか聞いたが、土葬で良いみたいだ。


 その後、手分けして遺体を集め、モンスターにも掘り起こせない様に、土属性魔法で少し深めに墓穴を作り埋葬した。

 そして、現金や金銭的価値の有る物や、エルフ的に価値の有る物から衣服等や弓矢等も回収して予備のマジックバッグの1つに仕舞っていった。

 まあ、要するに人族であれ、エルフ族であれ、加工物は全て回収した。

 最後に、シーマの希望で集落の建造物は全て灰にした。


 残ったのは、混血児の少年とシーマだけだ。


「シーマは、どうしたい?」

「彼、いいえ、ブラッシュを助けたいと思っています。」

「分かった。」

「……ん……」


 少年、いや、ブラッシュが目を覚ましたみたいだ。


「ブラッシュ!」

「……シー……マ?」

「そうよ! シーマよ、ブラッシュ!」

「……あれ、洗脳が解けたか?」

「誰だ!」

「……ゴフッ……」

「え!?」

「シーマ……」

「ブラッシュ!」

「ゴミ掃除は終わり。さようなら。」

「キサラ!」

「は! 我が君。」


 俺やキサラが居るにも関わらず気が付かなかった?

 馬鹿な!?


 俺は直ぐに、刺し貫かれた剣を抜き、治癒を行った。


 ……が、ブラッシュが目を覚まさない、だと!


 俺の治癒魔法は完璧な筈だ!


 ……まさか!


 俺は異空間収納からエリクサーを取り出し、身体に掛けて、更に口に入れた。


 ……え!?


 それでも目を覚まさない?


 馬鹿な!

 このエリクサーは、正真正銘の本物の万能回復薬だぞ!


 トリア姉さん!


(ユーマ。これは、エルフ国の王族しか扱う事が出来ない猛毒よ。解説は後でするけど、助けたかったら、エシルから貰った指輪が必要よ。どうする?)


 構わない。

 1人の命には代えられない!


(それでこそ、私のユーマよ!)


 それに謝罪が必要なら、俺がエシルに土下座するよ。


(その時は、私も謝ってあげるからね。)


 ありがとう、トリア姉さん。


(あの指輪を出して。)


 俺は異空間収納から指輪を出した。


(後、エリクサーを5本。)


 俺はエリクサー5本出す。


 いつの間にか、俺にしか見えないみたいだけど、トリア姉さんが降臨していた。


 そして、指輪がブラッシュの胸の前で浮いている。


「その指輪は!」

「シーマ、説明は後だ。」

「……はい。」


 シーマが返事した瞬間、指輪の台座の部分は消え、宝玉だけになった。


(ユーマ、エリクサーを1本掛けて。)


 俺はエリクサーをブラッシュに掛けた。

 そして、宝玉が朱く輝き、ブラッシュの胸の中に沈んでいった。


(エリクサーの1本は口の中に。のこりは身体に掛けて。)


 俺は言われた通りにした。



暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。

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