ユーマ様の為に急遽用意した椅子です。
一途で真面目な子は、脱線してもそのまま走り続けます。
先ずは、この街に一般人として潜入していた白い狐さん達に冒険者風に変装して貰い領主館の見張りをお願いした。
次に、トヘルに来て貰い、正式にエルフのユピナとサピラとマピアと奴隷契約を交わして、牢屋に入っている看守だったモグリの奴隷商が何も出来ない様にした。
最後に、証拠品と報告書を王宮に届けて欲しいと白い狐さんにお願いした。
翌日、問題の森に行こうとしたが、ユピナとサピラとマピアが、一緒に行くと言い出した。
……まあ、3人が居ないメリットより、居るメリットの方が多いかな?
俺は3人の同行を許した。
そして、フェリアは留守番だ。
そして、エルフ3人娘のお陰でエルフの集落の結界に到着したのだが、予想通りの歓迎を受けた。
「何者だ!」
武装した青年エルフ5人と「姉御」呼びが似合う女性エルフ1人が俺達に狙いを定めた弓を構えた状態で現れた。
「お待ちください、リビエール様!」
「ユピナ! サピラ! マピア! どうして、人族と一緒に居るのだ! 国に行ったのではないのか?」
「私達の話を聞いてください。」
エルフ3人娘は必死に説明したが、返った言葉は……
「立ち去れ!」
まあ、気位が高い場合はそうなるよな。
さて、どうやって説得しようかと考えていると、何故か急に曇天になり稲光する中、俺を溺愛する人が天から降臨した。
(トリア姉さんにおまかせ!)
トリア姉さん!?
《我は創造神イシュトリア。エルフ達よ、この少年は我が祝福を与えし者。協力せよ。》
「……そんな、まさか!?」
そりゃあ、幾らエルフでも、いきなり創造神イシュトリアが降臨して「協力せよ。」と言っても、信じられないよな。
(後は頑張ってね、ユーマ。)
ありがとう、トリア姉さん。
そして、天候は元通りになった。
……10分ぐらい協議していたけど、向こう側のエルフがもう1人来た。
しかも、衣装が巫女系だ。
「この御方に協力するのです。」
「エシル様!」
「創造神イシュトリア様が御降臨された時に、私にも神託が降りました。真実、この御方は創造神イシュトリア様の祝福を受けています。」
そして、エシル様と呼ばれた巫女系衣装のエルフは、俺の前に来て土下座をした。
「創造神イシュトリア様の祝福を与えられし方。私達エルフは貴方様に従います。」
「……エシル様?」
「何をしているのです! 頭が高い!」
「はい!」
巫女系エルフのエシルにそう言われ、リビエールと青年エルフ5人は土下座した。
「……楽にしてくれ。」
「畏まりました。」
俺かそう言うと、向こう側のエルフ達は立ち上がった。
「俺達は、貴方達の集落の、更に森の奥で発生した異変を可能なら解決する為に来た。何処まで出来るか分からないが案内をして欲しい。」
「……分かりました。ご案内いたします。」
何かの紋様が書かれた木札を渡された。
「その木札が有ればエルフの結界が有っても通る事が出来ます。そして、同時に私達エルフと友好を結んだ証ともなります。」
俺達は自己紹介をしながら、エシルの案内でエルフの集落に到着した。
……が、1番大きな家に向かって玉座の様な椅子を運んでいたのだが、嫌な予感がして聞いた。
「あの運んでいる椅子は何?」
「ユーマ様の為に急遽用意した椅子です。」
「却下! 無用!! 必要無い!!!」
「……分かりました。」
無茶苦茶残念そうに顔を歪めたエシルさんが、椅子を運んでいたエルフに指示を出した。
このエシルさん、何かを拗らせていないか?
深い不安を抱えながら1番大きな家に入る。
因みに、この家はエシルさんの家だ。
「改めて御挨拶させて頂きます。私は、この集落で神託を受ける者『神子』の任に就いているエシルです。」
「場合に因っては時間が迫っているかもしれないから、早速説明して欲しい。」
「はい。異変が発覚したのは、3週間前になります。最初は周辺のモンスターが減っていたのですが、2週間前になりますと、こんどは逆にモンスターが増え、1週間前になりますと、見た事も無いモンスターが増えていったのです。この異変に我等は、国に救援を要請する為に使いを出したのが、5日前になります。」
「現在の状況は?」
「結界に因って結界内は安全を保たれています。そして、新たに現れたモンスターは、私達でも対処出来ますが、通常の3倍の人数が必要な為に厳しい状態です。」
「今までの周辺最強モンスターは?」
「オーガです。」
「現在判明している最強モンスターは?」
「ブラックエビルスネークです。」
「特徴は?」
「ワイバーンすら一噛みで殺す猛毒を持っています。」
「他には?」
「パラライズラビットやトライデントブルやフロストモンキー等が居ます。」
「どうな攻撃をしてくる?」
「パラライズラビットは、触れるだけで雷属性攻撃を受けたかの様な衝撃を与えた後、麻痺になる角を持っています。」
「他のは?」
「トライデントブルは、頭の角が三又のトライデントになっている魔牛系のモンスターです。」
「残った1種類は?」
「フロストモンキーは、全身の毛が凍っており、攻撃を受ける度に凍傷の追加ダメージがあります。」
「分かった。時間が惜しい。早速、行こう。……良いかな、コトネにリン。」
「ユーマ殿、私は構わない。」
「ユーマ様、私もです。」
「それなら、行こう。」
「「はい。」」
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。




