なあ、ユーマ。それだけか?
地球の非常識は異世界の常識って、有りますよね。
異世界系あるあるの盗賊殺しも卒業したし、あの見えて来た壁が、目的地の都市「フィンダリア」かな。
そして、1時間後に都市フィンダリア入りした俺は、狐のお宿を探した。
そして、狐のお宿の店主と何時ものやり取り(貴方が総督の!)を終らせたら、何故か空き部屋が4人部屋しか無かった。
まあ、良いかと思って了解した。
都市を散策して、1人部屋や2人部屋が空いていなかった理由が分かった。
今、この都市では2つのイベントが開催されるからだ。
1つ目は、オークションが開催される。
聞いた話だと、この都市の領主は商売人を優遇する人で、そのお陰でかなり栄えているらしい。
その結果、「人」も「物」も集まるとの事。
2つ目は、オークション開催前に「武闘会」が開催されるからだ。
武闘会の1週間後にオークションが開催される。
そして、その武闘会では上位者には賞金が出る訳だ。
上手い流れだよ。
武闘会に参加する為に出場者や観覧者が集まりお金が流れて、その流れるお金目当てで商売人が集まり、それが目当ての者が集まる。
そのループだ。
更に、武闘会で上位者には賞金が有って、その後に開催されるオークション。
懐に入ったお金が直ぐに流れる事になる。
武闘会で上位者になれば、権力は無理だが、名声とお金は手に入る。
その名声とお金で、オークションの欲しい商品を手に入れる。
因みに、このオークションは「一見さん」はお断りだが、武闘会上位者は参加する事が出来る。
……この仕組みを考えた領主は天才かもな。
そんな訳で、武闘会に参加する「お1人様」や、オークションで奴隷を買うから「2人部屋」を選ぶ人が多い訳だ。
まあ、狐のお宿経由でオークションに参加出来るかもしれないが、一応は自分の力で頑張りますかな。
俺は武闘会に参加する為の出場者資格を手に入れた。
有料で大銀貨1枚だった。
……結構高い。
まあ、この高い参加費で雑魚を振るいに掛けているのだろう。
それと、武闘会開催まで3週間あるから、今の内に錬金術をしておこう。
そして、俺は商会グランブルムの扉を開けた。
「いらっしゃいませ。今日はどの様なご用件ですか?」
「責任者の方に『ユーマ』が来たと伝えて欲しい。」
「……!? 畏まりました。」
実は内心では、心臓がバクバクしていた。
もし、これで通じなかったら只の痛いガキだからな。
俺は待っている間に、異空間収納のリストを確かめる。
うん。
充分有るな。
「お待たせしました。商会長がお会いになります。」
「分かった。」
そして、俺と先程の店員が、スタッフオンリーの扉を通り3階の応接室に通された。
ソファーに座って出された紅茶とお菓子を頂いていると、制服美少女と、美人秘書が入って来た。
「待たせたな。」
「お待たせしました。」
「初めまして。クラマと友達のユーマです。」
「この都市の先代店主から引き継いだばかりの『ユリシア』様です。私は実務総管理官の『ビアンカ』です。」
「それで、今日は何しに来たの?」
「ユリシア様、言葉使いがなっていませんよ。」
「ビアンカさん、構いませんよ。」
「ありがとうございます。それでご用件は?」
「オークションに参加したいんで、軍資金を調達しに来た。」
「ユーマ様、その方法は?」
「実家の森の浅い所のモンスターを売りに来た。」
ビアンカさんのキツめだが綺麗系の秘書な顔から黒い笑顔が零れた。
「……そういう事ですか。武闘会に参加する者は、少しでも良い装備品を揃えたいと考える筈です。そんな時に、あの森のモンスターの素材が売りに出せば……」
そんな事をビアンカさんが漏らしていると、今度はユリシアが黒い笑顔になった。
「なあ、ユーマ。それだけか?」
「いいや。中層のモンスターを代行でオークションに出して欲しい。出せるだろ?」
「くくく。ユーマは欲しい物は絶対に手に入れないと我慢出来ない質なんだな。」
「まあな。」
それで、驚愕を通り過ぎて疑惑にならない程度のモンスターをユリシアとビアンカさんと相談して出すモンスターを決めた。
それとは別に、ちょっとしたお願いをした。
さて。オークションは、大体は2つに分けれられると都市の人達から聞いた。
前半は、「物品」を売り、後半は、「人」つまりは奴隷を売る。
そして、前半で物品を売る事で手に入れたお金は、後半に回せるのだ。
奴隷の説明だが、3種類存在する。
1つ目は、「犯罪奴隷」で、これは死刑かそれに準ずる者がなり、使い潰す事が前提であり、奴隷としての立場解放は禁じられている。
2つ目は、「借金奴隷」で、様々な理由で借金をして返せない者がなり、奴隷として働いて稼いだ金が、奴隷購入時代金の2倍稼ぐと解放される。
後、窃盗犯や傷害や殺人無しの強盗犯が奴隷になると、この借金奴隷になる。
3つ目は、「特殊奴隷」で、自国他国問わずに公式な身分を持つ者や貴族以上が奴隷になると、この特殊奴隷になる。
公式な身分とは、平民だが騎士団長になった者とか、神殿の元聖女等がこれに該当する。
後、この特殊奴隷も、金額に関係なく奴隷からの立場解放が禁じられている。
どの種類の奴隷にも共通するのが、最低限の「衣食住」を揃える義務が、奴隷商と奴隷購入者に課せられる。
まあ、購入者が野宿すれば奴隷も野宿だけどな。
そして、購入者が宿屋に泊まり、奴隷は敷地内の馬小屋はセーフだったりする。
まあ、お金が無い冒険者が馬小屋に泊まる事が有るしな。
そんな訳で、少し裏でゴソゴソしていたが、武闘会開催日になった。
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。
今更ですが、「魔王の森」の面積は縦も横もユーラシア大陸2つ分です。
大陸の大きさは、「ONE PIECE」や「トリコ」や「HUNTER×HUNTER」で慣れていると思うので、スルーして頂けたら幸いです。




