さようなら、魔王軍と魔王城!
新作です。
もしよろしければ、この作品も読んで頂けたら嬉しいです。
最初の5年間等は、閑話で出す予定です。
おかわりは、午後8時です。
「よっしゃー! これでルドラにも勝ち越したぞー!」
「うむ。ユーマは強くなったなぁ。」
「ああ。初めての時は、ボロ負けだもんな。」
「それが今や、儂に勝ち越すとはな。古き神竜の正統なる血統を持つ儂に勝つ様になる。感慨深いものだな。」
「これで、約束は守って貰うぞ。」
「うむ~。仕方ない。約束は約束だ。冒険の旅に出ても良いぞ。」
この異世界で5年が過ぎた。
最初の頃はトリア姉さんが寄越してくれた便利アイテムに助けられて、サバイバルを何とかやっていたが意外とハマった。
あの別空間では戦闘時の身体の使い方や魔法を学び、神様のご都合主義で外見の成長は無かった。
そして、森での生活も気が付けば、俺が魔王で住んでる場所が魔王城で、家族同然の仲間(知性あるモンスター)が魔王軍として、この大陸の全ての国家から認定されたらしい。
俺が住む森にたまに、何処かの国家が軍隊を派遣するんだけど、皆が面白がって順番に遊びながら撃退していたら、こうなった。
そりゃあ、一緒に住む家族や、その仲間達が暮らせる様に、皆と協力して城を悪乗りして作ったけどさぁ。
因みに、国家が軍隊を派遣した理由は、貴重な鉱物が昔から採れるからだ。
そんな森に国家が軍隊を派遣しても、笑えない天災レベルのモンスター達が順番に撃退したら、魔王が居ると判断されるわな。
殆ど、生かして帰したのも原因なんだろうけど、待っている誰かが居ると思うと……、まあ、そういう訳だ。
しかし!
悪党、てめえは駄目だ!
クラマに、お願いして調べて貰って軍隊に悪党が居たら、ソイツだけは無差別攻撃と見せ掛けて殺って貰った。
俺、「悪・即・斬」と「悪人に人権は無い!」は、結構強く心に残っているんだ。
それで、この世界で生きていく上での「洗礼」と思って、俺も殺ろうと思っていたんだけど、皆が「子供にはまだ早い!」とか言われて出来てない。
確かに、外見年齢はまだ14歳前後だが、精神年齢は合計で30過ぎなんだけどなぁ。
この世界の14歳は日本の18歳と同等となる。
……だから、俺は名バレ、顔バレをしていないから、異世界生活を満喫する為に我が家(城)を出る事にした。
住み慣れた田舎の実家から独り立ちして、知らない場所(都会)で生きていくみたいな感じで。
因みに留守番は、家族同然の仲間である八魔将全員だ。
そうしないと喧嘩になって、魔王城から見える景色が荒野に変わるし、何よりも誰かを連れて行ったら、残った者が拗ねるからだ!
因みに八魔将とは……
古代覇王竜のルドラ。
氷狼神王のシリウス。
紅蓮不死鳥のレイラ。
暴風虎王のアラン。
九尾狐王のクラマ。
淫夢女王のリリス。
幻魔騎士王のガイラ。
瞬破馬王のシュンだ。
名前は俺が付けた。
名前もそうだけど、八魔将という呼び名を遊びで言ったら皆が気に入ったみたいで、軍隊を蹴散らす時に名乗っていたのも原因だろうな。
……魔王認定の!
旅に出るにあたって必須項目の読み書きは、最初から異世界転生のセットで自動で入っていた。
3ヶ月掛かったが、説得を達成した俺は、久しぶりの1人を満喫しながら魔王城と周りから呼ばれる我が家を出発して、人族達が居る最寄りの場所、城塞都市「アルガリア」を目指す。
いやな。
この大陸で、最も危険な森の中に我が家が有る訳で、そんな森の近くに戦闘力があまり無い人族が住む村とかを作っても有事の際に犠牲者が出るだけ、という理由で、対魔王城最前線基地として「城塞都市」という形式に白羽の矢が当たったらしい。
ここ数年で、砦化、城塞都市化が進んだ。
……まあ、皆の遊び相手が出来て良かったと思うよ。
因みに、我が家を守る森は、「魔王の森」と呼ばれているらしいな。
こういった事は、情報担当のクラマが教えてくれた。
町以上の規模を持つ場所に、店や宿屋に仲間達を人化させて営業をさせているらしい。
お疲れ様です。
そんな訳で、城塞都市アルガリアにも、潜り込んでいるらしく、そこから色々と情報を教えて貰った。
そして、異世界転生して5年目で、遂に人が居る場所に向かう訳だが、異世界転生あるあるを考慮して、我が家がある北側を止めて、南門から都市に入る事にした。
まあ、北側の門は、ほぼ軍隊だけが使っているみたいだからな。
そんな北側の門に近付いたら、「貴様、何者だ! 何故、魔王の森の方向から来た!」ってなって、ドナドナされて尋問を受けちゃうからな。
そんな訳で、遠回りして南門に到着した。
因みに服等はクラマに用意した貰った。
そして、遂に俺の番が来た!
「名前と来た理由は?」
「はい。名前は、『ユーマ』で、来た理由は祖父が亡くなったので冒険者登録をする為です。」
「魔王の森が近い、こんな危険な場所で?」
「祖父は現役の頃はそれなりの冒険者だったみたいで……」
「分かった。もう何も言わなくて良い。それで来た理由は分かったが、荷物はどうした?」
「祖父から譲り受けたこのマジックバッグに入れてます。中身を出さないといけませんか?」
「いや、出さなくて良い。最後にこの透明な玉に手を乗せて、質問に答えてくれ。」
「はい。」
「名前は『ユーマ』だな?」
「はい。」
「次は、何か犯罪を犯したか?」
「いいえ。」
「良し、終わりだ。入る為には、子供の場合は銅貨2枚だが、有るか?」
「はい、銅貨2枚。」
「これで終了だ。ようこそ、城塞都市アルガリアへ。」
貨幣について
銅貨10枚=大銅貨1枚
大銅貨10枚=銀貨1枚
銀貨10枚=大銀貨1枚
大銀貨10枚=金貨1枚
金貨10枚=大金貨1枚
大金貨10枚=白金貨1枚
白金貨10枚=黒金貨1枚
黒金貨10枚=虹金貨1枚
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。
主人公の「ユーマ」の由来は、施設時代の親友の名前「優真」から取ったモノです。