episode.2
校舎へ向かうと、魔法属性の測定が行なわれていた。
魔法の水晶に手をかざして、魔法の属性を調べるのだ。
「次の方、どうぞ。」
「はい!」
ライラは元気よく返事をして、水晶に手をかざす。
透明な水晶が、橙色に変わってゆく。
「貴女の属性は……炎ね。」
「ありがとうございました!」
ライラの属性は炎だった。
「("あの人"と同じだ!)」
"あの人"とは、過去にライラを救ってくれた大魔女のことだ。
その話は、また別の機会にお話しよう。
「全員、魔法属性の測定が完了しましたね。
次は入学式の会場に向かいます。」
ライラ達は転移魔法で会場へと向かった。
新入生は百名程居るのだが、これだけの人数を一瞬で転移させてしまうのだから、流石魔女学院だとライラは思った。
そして、入学式が始まった。
「学院長の挨拶です。」
「(どんな人が学院長なんだろう…?)」
すると、そこに現れたのは小さな女の子だった。
新入生達はざわついた。
「えー、こほん。
静粛に!
みなちゃま、入学おめでとうございます。
あたちがこのグリモワール魔女学院の学院長、カミラです!」
『!?』
思わず女の子…もといカミラ学院長を見た。
確かに魔女には年齢不詳な者が多い。
だが…
「(あまりに年齢不詳すぎる…!!)」
「うん、今年も良い反応ですね!
……新入生のみなちゃま。
勉学に励み、友と助け合い、立派な魔女をめざしてください。」
カミラ学院長は挨拶を始めた。
新入生達は気を取り直し、真面目に話を聞いた。
カミラ学院長の挨拶が終わり、次は新入生の挨拶だ。
「新入生代表、リリアさん。」
「はい。」
「(わっ…綺麗な子だなぁ…)」
ライラがじっと見つめていると、リリアという少女と目が合った。
艶やかな闇夜色の髪。ルビーのような瞳。
リリアはこちらを見て微笑んだ。
その微笑みは、とても綺麗だった。
つられてライラも笑顔をかえした。
「(なんだか、仲良くなれそう!)」
ライラとリリア、この出会いが運命の歯車を大きく動かすのだった。