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男修行旅日記  作者: 美藤蓮花
9/19

追分の親分

お蝶が知っていた親分さん。

追分の地に先ずは足を踏み入れると、お蝶が言った。


おれ、ここいら辺りを仕切ってる親分と知り合いだよ。追分の三五郎ってんだ。


へぇー。どんな親分?


良い親分だよ。会っていくか?


お前が良い親分さんだと言うなら俺は会いたいねぇ。と不動が言った。


清水の次郎長親分とこの系列の親分さんだよ。


そうなの?清水の次郎長親分さんかぁ。どんな親分なんだろなぁ。


知らねえけど、おれ、お蝶だし。


うわ、本当だなぁお前お蝶じゃないか。


そうなんだ。だからかなぁ。なんか優しいぞ。


それ、お前だからじゃねえの?


なんで?


だってお前、かわいいもん。


不動が言った言葉に、みんな、ザーッて血の気が引いていく。朝だったら倒れる勢い。


不動、男にかわいいは、ない。


そうか?かわいいけどなぁ。


また血の気がザーッと引いていく。


そんな事を話しながら歩いていると、大きなお屋敷の前に到着した。


お蝶が、おーい追分の親分ー!と呼んでいる。


なあなあ、なんで備前のお前が追分の親分を知ってんの?


いやぁ、聞かない方がいいよ。旅人さんも多いからね、曲輪ってところはね。


、、、。そうだった。こいつは、曲輪から逃げてきたんだった!捕まったら死罪とかか。


いや、たぶん、生きてる。曲輪に戻されるだけだろ。祐海が教えてくれた。


そうか。鎌ちゃん達は、急に大人しくなった。


そしたら立派な屋敷から爺さんが1人で現れた。


あー、お蝶じゃねーか。


三五郎親分!久しぶりです。


息子の三五郎が殺されて、この屋敷を守って行かなくちゃなんねぇと1人頑張ってはいたが、この屋敷だけが残って、あとはどこの奴かわからねえ奴らに全部取られちまった。


そうなんか?


お前ら、取り返してくれねえか?で、良かったらこの屋敷、もらってくれねえか?


え?


辰五郎親分とこの若い衆たちだろ?話はほれ、こうしてもらっているよ?


辰五郎親分は三五郎親分に手紙を書いて送ってくれていた。いつも思うことだが、渡世の道は、こんなに甘くはないと聞く。しかし、1人では何もできないが、こうして人数が集まるとお互いの悪いところを庇い合う事を、教えられなくても、どこかで知っている。


三五郎は、後はお前達に任せた!と言うと、杖を持って屋敷を出ると言う。


役人な祐海が、1人じゃいけねえと、付いていくことに。2人じゃ心配だと、春太郎も付いていくことになった。


早速、それを鎌ちゃんは辰五郎親分に手紙を書いて出した。


そしてふと思った。そういやあ、妹や、夕霧さんは元気にしているだろうか。。。


元気に決まってるわな!


と、思い直すと飛脚に手紙を渡した。


三五郎親分は清水の次郎長親分のところへ行くという。


もう帰っちゃこねえからよ。


そう言ってニッコリ笑ったその顔が、いつまでも忘れられなかった鎌ちゃん達だった。


しかし、


この屋敷、建物は立派だけど、食べ物もなければ、金もねぇ。ただ雨風しのげるだけじゃんか。


偉く困った鎌ちゃん達は、みんなで近くの土場へ行くことにした。


さ、どんなイカサマが待っている事やら。。


また、どんな人がいる事やら。







屋敷もらっちゃった。

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