【初心者の現実】字速…たったの20か…ゴミめ…
【字速】:1時間に執筆出来る文字数。このエッセイのためだけにでっち上げた指数。
さて、つい先程ユーザ登録を済ませ、いそいそと処女作の長編小説を投稿してみました。かすかです。初めまして。まだこのサイトの使い方がよくわかってません。
そんなわけでタイトルにある通り、小説執筆初心者な私が陥った過酷な現実のお話です。
深夜のテンションでいきます。
この私がいざ処女作の本文を書き始めた初日に書いた文量はなんとわずか160文字! 執筆時間は8時間です。
1時間あたり20文字。そう字速20。うわ、私ザコすぎ……。
よく、小説を書こうとしたけど一文字も書けないなんて話を聞きますがまさにそんな感じ。よくわかります。今なら。
そんな私でも、現時点で本文2万字以上は書けています。
字速20のままだったら1000時間ですね。
もちろんそんなに時間かけてるわけありません。
一応は書けるようになったんです。まだ、どん亀の執筆ペースですが。
これはクソザコナメクジな私がなろう作家になるまでの軌跡です。
ホントにこんなの書けるの今しかないから書いとこうっていうやつですね。
◇
事の始まりは2018年9月半ば……
私はしがない一人の読み専でした。
ユーザ登録もしていません。感想とかレビューしないならそれで事足りてしまいますからね。
読み専してるうちに私も小説を書いてみたくなりました。なろう作家デビューする人の理由としてよくあるやつです。
とあるゲームがきっかけで創作意欲に火が点いたというのもあります。
あ、私、過去に同人誌やら萌え絵やら描いてたことありますので創作初心者ではありません。
そんなわけで、何を書こう?何が書きたい?ということで出てきた答えが
ファンタジー物、異世界転移で現代知識を活用して魔法で知識チートするやつ。
はい、テンプレ物のひとつですね。
当時、知識チートという名を借りて、作者が自らの無知をさらけ出す羞恥プレイをしている作品群を見てて思うところあったんでしょう。よく覚えてないですけど。
基本は魔法での解決なんだから、物理法則に働きかけてテクノロジーすっ飛ばして結果引き出す系にしよう。
と、そんな感じで物理関係の調べ物に奔走することになったのです。2ヶ月ほど。
え?長い?創作のための調べ物は楽しいからいいんだよ。知識もつくし一石二鳥だよ。
始めは素粒子と聞いても、クォークとレ、レなんだっけ……そう、レプトン?とかいう原子を作ってるやつくらいの知識しかなかった私。
でも、2ヶ月経った頃には、素粒子物理や量子力学、一般相対論なんかをフィクションとしてなら作品に組み込めるんじゃないかって程度には知識がついてたわけですよ。びっくりビフォーアフターですよ。
そんなわけで知識溜め込みつつガリガリと設定は作っていったわけです。
物語の基本的な流れとかも着実に出来上がっていって、戦闘のアイデアとか逆転劇に必要なギミックとか考えてて気付くわけです。
これ、"読み手が素粒子物理の前提知識がないと着いてこれないやん"、と。
はい、一本の小説が墓場行きになった瞬間です。
まぁ、本文1文字も書き始めてはいませんでしたが。
これは読者を想定しないで突き進めちゃいけないっていう、いい教訓になりました。
この教訓と同時に思ったことは、何の目標も決めずにフリーダムに書こうとしてたら一本も作品書き上げられないな、ということです。
もちろん、これは単に私の性格の問題で一般論ではないですよ?
そこで何かないかなと。
そしたら、9月の時点ではまだ始まっていなかった、なろうコンが募集開始してるじゃありませんか。
しかも、DMM GAMES様協賛でゲーム部門賞まであるじゃないですか。
DMM GAMES様のゲームにはお世話になりました(過去形)し、昨今のなろう界隈を鑑みてゲーム部門賞の第二回目はないなと判断。
このレア物に乗るなら今しかない(限定物に弱い)。
そして、ゲーム向けなアイデア出てこいと脳内を突っついて、出てきたアイデアを基に1ヶ月余りかけて設定とプロット(らしきもの)を作り上げたのです。
ちょうど年末年始で合計16日間の長期休暇だったのでそれを利用して本文を書き上げようという算段でした。
10万字くらい書いてやるぜ、という。ええ、皮算用です。
そしてその休暇初日の惨劇が冒頭の有様です。
何もないところからの話ではないのです。
私の上げたゲーム部門賞の応募レギュレーション用の設定がだいたい1万文字なんですが、この時点で8500文字分ほどは出来上がってた状態です。
そんな中で1時間で20文字。お話にならないレベルですが、ダメージはそれほどはなかったです。
先程も述べましたけど私、以前に絵を描いてた時期があるので原因には心当たりがありました。
模写なら問題なく描けるのに、自分の絵を描こうとしたときに筆が止まる。よくありました。
何でこうなるのか? 答えは単純で描くべきモノのイメージが脳内で出来ていないからです。
そんなバカな! イメージはちゃんとある! といってもないんです。もしくは全然足りてない。
女性器を見たことない男の子が脳内でどれだけエロい妄想が出来ていようが描くことは出来ないのと一緒です。
つまり、小説も同じで書けないときは書くべきシーンの具体的なイメージがそもそもなかったりします。
書けないという人で、「あー、誰か俺の脳内にある大作を書いてくれないかなー」なんていうのはまさに世迷言です。
仮に脳内のイメージを小説に書き起こしてくれる装置が開発されたとしても出来上がってくるのは小説とは呼べないナニカでしょう。
じゃあ、どうすればいいかと言われると、具体的なシーンに落とし込む方法を書いてらっしゃる先輩方がいたはずなのでそういった創作論あたってください。
ええ、自分でもどう切り抜けたかわかってないんです。抜け出すのに3日くらいかかりました。創作初心者だったら、心が折れてる気がします。
ちなみに具体的なイメージといっても、小説は他の媒体と比べて受け手の想像力に委ねる部分が大きいので、かなり朧げなスカスカのイメージしかなくてもなんとかなる気がします。
さて、具体的なイメージが浮かぶようになったら次の問題が出てきます。
そう、"イメージを思った通りに表現できない"という問題です。
といってもこれはすべてのクリエイターの永遠のテーマですが。
どんな一流のプロでも一生抱えていく問題だと思います。
新しい技術や表現法が生まれてくるのは、思い通りに表現しようと試行錯誤した結果ですから。
ド素人がこの問題に対処するのはすごく簡単で先達の知恵を借りる。
要するに、他の作者さんはどう書いてるかなー? と見にいって参考にする。
このとき大事なことが、前述の自分の書きたいシーンの具体的なイメージを持っておくことです。
そうでないと借り物を寄せ集めただけみたいな作品になりかねないです。
借りるのはあくまで表現法。書き出すのは自分のイメージ。これ大事。
まぁ、そんなこんなで16日間で書けた文量は2万字余り。
字速は初日20だったものが、最後は500ほどになりました。
これが私という小説執筆初心者の現実です。
執筆速度という意味では、たぶんすごく遅いんでしょう。
でも、書けるようになりました。
書けるようになりました。(大事なことなので2回言います)
私の言いたいことは、
読み専だったけど、小説書いてみようとして一文字も書けない、私は才能がないんだと思うそこの貴方。
諦めないで ということ。
ここまで書いて、小説を書こうとして挫折した(しそうな)人にただこれを伝えたかったのだと気付きました。
ちなみに、このエッセイは字速1300ほどで書けました。
シーンを思い浮かべる必要もないエッセイは違いますね。