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第12話 暗がりから一歩

 スポーツがあまり得意ではないことと、ほんの少し引っ込み思案であること――川本香月という少女の欠点をあげるとしたら、この二つくらいだろう。

 品行方正で成績優秀、いわゆる“どこに出しても恥ずかしくない子”というのが、親も含めた周りの大人の意見だったから。

 他人の顔色をうかがうのが得意だった香月は、物心がついたときからそういう評価をくだされ、大人に重宝されて生きてきた。

 言うことをよく聞き、問題を起こさず、何か子供の社会で困ったことが起きたときに緩衝材の役割を果たす子というのは、大人にとっては非常に役に立つ存在なのだ。

 だから、よく犠牲にもされる。

 小学生の頃は、遠足などの行事のたびにあぶれている子や問題行動の多い子を同じ班に押しつけられた。

 中学生のときも同じようなもので、それに加えて女子同士の諍いの仲裁役なんかもさせられた。

 けれど、それでもいいと香月は思っていたのだ。それが自分の役割だし、得はしないけど損もしていないからと。

 でも、運良く実害を被らずにいられただけなのだと、のちに思い知らされることになる。



「いじめられている、――さんのサポートをしてあげてほしいのよ。教室にいるときに、ほんの少し気にかけてあげるだけでいいから」


 きっかけは、副担任の言葉だった。


 香月が通っていた高校は県内有数の進学校で、集まっている生徒たちは頭の良い子ばかりだった。だから、いじめも巧妙で、副担任にそうと言われなければ香月も気づかなかったほどだ。

 でも、たしかにいじめは存在した。

 高校デビューなのか、進学校にまるまじき素行の悪さと服装の派手さで悪目立ちするグループが、周囲に悟られないように地味で目立たない要領の悪い子をいじめていたのだ。

 そのことに気づいた副担任は当然、担任の耳に入れたのだという。でも、日頃、生徒の味方を自称し、派手グループに囲まれて“生徒に慕われる人気教師”という立場に酔いしれていた彼女は言ったらしい。

 「うちのクラスの生徒はみんな良い子です。だから、いじめっ子なんていないし、いじめもありません」と。

 つまり、いじめられている生徒の存在を黙殺したのだ。

 副担任は義憤に燃えていたようだった。

 それに付き合うつもりは毛頭ないけれど、居心地が悪いのは嫌だから、香月はいじめられているその生徒に手を差し伸べたのだ。

 移動教室のときにさりげなく声をかけたり、ノートを貸すという名目で話しかけたり。

 成績が良く、教師たちからも一目置かれ、ヒエラルキーの上の中くらいに位置する香月がそうして気にかけていれば、多少は派手グループからの風当たりもマシになったようだった。

 けれども、それがいけなかったのだ。

 オモチャに手出ししにくくされれば恨まれるのは当たり前のことで、加えて香月が優秀であったということも、いじめのターゲットにされるには十分すぎる理由だった。


 カンニング疑惑と出会い系サイトへの書き込み。


 簡単に言うとそれら二つの出来事によって、香月は立場を失った。

 カンニングは、複数の生徒から証言が出たというものの、事実無根だから、あくまで厳重注意で済まされた。

 でも、出会い系サイトへの書き込みは、香月のスマホによって行われたもののため言い逃れができなかった。

 スマホにはロックをかけていたものの、それを解除するためのパスコードを入手した者の手によって、援助交際相手を募集する書き込みがなされたのだ。ほぼ実名と高校名を出してそんな書き込みをするわけがないのに、状況証拠だけで香月は糾弾された。


「そんなことをする子だとは思わなかったわ」

 担任からはそんなことを言われた。いじめを否定した、その口で。自分の贔屓の生徒たちのいじめは否定したのに、香月がそんなことをするわけがないとは、言ってくれなかったのだ。

「こんなことになってしまって、非常に残念です」

 副担任は、あてが外れたという顔をしていた。いじめに気づいたときのように、義憤にかられてはくれなかったらしい。

「どうして……?」

 子供のように泣きながら母は言った。ただの一度も、本当にやったのかどうかを尋ねてくれなかった。手のかからない子供だった香月が問題を起こして、父はただひたすら困った顔をして黙っていた。


 利用され、犠牲にされながらも、信頼され、それゆえ重宝されてきた香月にとって、大人たちのそういった仕打ちはひどく傷つくものだった。

 けれども、何よりも香月を打ちのめしたのは、スマホのパスコードを盗み見たのが、手を差し伸べたいじめられっ子だったということだった。

 地味で目立たず要領の悪い彼女は、自分が楽になりたい一心で香月を生贄に捧げたのだ。

 そうして立場を失って、あることないこと噂が立って、それでも香月はしばらく高校に通い続けた。

 人の噂も何とやらで、無視していればどうにかなるだろうと。

 けれど、醜聞をでっちあげられた香月の行動は常に好奇の視線に晒され、些細な行動も監視され、クラスの裏グループチャットなるもので共有されていたらしい。

 ……それを自分の目で確認することはなかったけれど、耳にするだけで十分で、心はぽっきり折れてしまった。

 何より、学校が黒いもやだらけに見えるようになって、耐えられなくなったのだ。

 だから、香月は家から出られなくなった。




「みんな、みんな、死んでしまえ……不幸になれ……みんな不幸になれ……」


 飲み込まれた闇の中で、香月は呟いていた。

 闇の中は、何も見えない。ただ呪詛の言葉を呟く自分の声が聞こえるだけだ。

 そのせいか、新しい生活の中で忘れていたと思っていた憎しみが、あふれて仕方がなくなった。


 誰も、香月の味方をしてくれなかった。

 誰も、ではないかもしれない。

 香月にも、友人はいた。

 品行方正で成績優秀な香月と釣り合いのとれる、バランス感覚の良い子たちだった。そして、善良だった。

 善良だから、彼女たちは香月が醜聞に晒されてもそれを鵜呑みにしたり、遠巻きにすることはなかった。でも、それゆえに香月は彼女たちに助けを求めることができなかったのだ。

 あぶれず、浮かず、まるで道路に引かれた白線から落ちないように歩くかのような生き方をしている彼女たちを、巻き込みたくなかったから。

 そうやって生きることがどれだけ大変かを知っているからこそ、群れから弾かれた自分に関わる危険を冒してほしくなかった。

 それに、彼女たちにまで教師や両親と同じような反応をされたくないというのもあった。

 でも、誰も、ではないけれど、味方でいてほしかった大人たちは味方でいてくれなかった。


 信じてもらうに値するだけの振る舞いをしてきたつもりだったのに、大人は香月を信じてくれなかった。

 信じなかったのではなく、楽なほうを選んだともいえる。香月の無実を証明するよりも、嘘だろうと思っても与えられた情報を鵜呑みにして糾弾するほうが楽だったのだ。香月を陥れるための複数の生徒の狂言だと薄々わかっていても、それを嘘だと明らかにして、その嘘をついた生徒を処分するよりも、香月ひとりを処分するほうが遥かに楽だったのだろう。

 結局のところ、また香月は生贄にされたのだ。


「どうして、私ばっかり……」


 こんなはずじゃなかったなあと、悔しい思いがわきあがってくる。

 こんなことにならなければ、あと二年高校に通って、大学に行ったらいろいろなことを学ぼうと思っていたのだ。大学は、小中高よりも自由で少しは楽に生きられるだろうと。


「……そっか、私……勉強したかったんだ……」


 学校という、めんどうで生きづらい社会を生き抜いて生き延びて、そのあとで少しだけ自由を謳歌するつもりだったことを思い出した。


「うまいこといかないなあ……」


 勉強したかったんだなんてことを思い出したけれど、今はもう闇に飲まれてしまって、どうしようもなくなった。

 湧き上がってくるのは、憎しみと悔しさだけだ。


「エンジュさんが言ってたのって、これだったのかな……私、魔法そのものになっちゃったのか……」


 悪感情を高ぶらせるなと言っていた意味が、ようやくわかった。わかったところで、もうきっと手遅れだけれど。

 ここがどこなのかも、どういう状況なのかもわからず、真っ黒に塗りつぶされていくだけの存在になってしまった。

 これは魔法ですらなく、呪いだ。ただの呪いになってしまっては、どうすることもできない。


「……いっそのこと、本当に殺しちゃおうか……今なら、できる気がする……」


 口に出してみると、むくむくと身体に力がみなぎる気がした。自分の手が、足が、どこにあるかもわからなくなっているのに、「殺したい」と思うと、それをなすための力が湧いてくるのを感じた。

 呪いそのものになってしまった今なら、許せない奴らのところに飛んでいって、不幸を撒き散らすこともひねり潰すこともできる気がする。

 そんなことに気がつくと、思考を埋め尽くしていた「死んでしまえ死んでしまえ不幸になれ不幸になれ」という言葉の羅列が、「殺したい殺したい殺したい」に変わっていくのがわかる。

 でも、その合間に「助けて」という文字も混じるのだ。

 親にも、教師たちにも発することがなかった「助けて」という言葉。

 口にすれば、何かが変わっただろうか。

 それとも、絶望が深まっただけだろうか。

 わからないけれど、グツグツと煮えたぎるマグマのような憎しみと怒りを感じる中で、かすかに「助けて」と香月は呟いていた。



『香月、帰ってきなさい』


 ふと、遠くから、そんな声が聞こえてきた。

 飲み込まれかけた意識でそれを聞いて、ハッとなった。


「どこ!?」


 気がつけば、香月は叫んでいた。誰に呼ばれたともわからないのに、その声にすがりつくように。


『こっちよ! 来なさい!』

「どこ? わかんない!」

『こっちったら!』

「何も見えないよ!」


 香月も焦っていたけれど、叫ぶ声も焦っていた。確実に近づいてきているのに、何も見えず、声の主がどこにいるかもわからない。

 そうして焦る間にも、周囲の闇が濃くなって、ズブズブと飲み込もうとしているのがわかった。


『香月ちゃーん』

『香月ー』


 今度は、別の声が聞こえてきた。そして、闇を切り裂いて何かが走ってくる。

 それは、光る獣だった。光の帯を引きながら、小さな生き物が走ってくる。

 それと一緒に、淡く光る美しい白い馬も、香月めがけて走ってきていた。


『ささ。拙者に乗るでござる』

「……ヨイチ?」

『ボクもいるよ!』

「パスカル!?」


 どういうわけか、エンジュの使い魔であるナスのヨイチとアライグマのパスカルが、白い馬と光る獣になっているのだ。


『そんなこといいから、早く戻ろうよ。ボクに続いて!』

『背に乗れ!』

「う、うん……!」


 パスカルの走ってきた光の筋が、薄くなり始めているのが見えた。ヨイチが乗りやすいようにと首をかがめてくれたから、ほとんどぶら下がるようにして香月はしがみつく。


『走るぞ!』


 パスカルが駆け、その後ろをヨイチが続いた。揺れるその身体から振り落とされないように、香月は低く身を伏せる。

 それでも、グチャグチャした闇が追いかけてくるのがわかった。


『いいか。決して振り返ってはならんぞ。……あんなものは、捨てておけ』

「……うん」


 迫りくる真っ黒なものには恐怖と嫌悪を覚えたけれど、同時によく知っているという懐かしさのようなものも感じていた。

 何かが、行くなと香月を呼んでいる。置いていくなと、手を伸ばしてくる。

 それでも、香月は振り払って進むしかないのだ。そうしなければ、光のもとへは帰っていけないことを知っているから。


『……道が!』


 ずっとずっと走っていたパスカルが、途中で立ち止まった。

 見ると、ベッタリの黒いものが、光の道を分断していた。少し先に、トンネルの出口のような丸い光が見えるのに。そこを抜ければ、もとの世界に帰れるとわかっているのに。


『拙者らができるのは、香月を導くことだけ。戻るのは、自分の力でどうにかするしかない』

「そんな……」

『香月ちゃんが、できることをするしかないんだよ!』

「できること……」


 そんなものはないと、すぐに言ってしまいそうになった。

 真っ黒いものは、すぐそばまで迫ってきている。それなのに、香月はまだ自分という存在があやふやになったままだ。そんな状態でできることなど、何があるだろうか。


「……助けて!」


 戸惑ったけれど、声は出せるということに気がついた。声が出せるなら、助けを求めることができる。それなら、自分の位置を知らせることができるかもしれないと考えたのだ。


『香月ー!』

「エンジュさん……!」


 ようやく、呼んでくれていたのが誰なのかわかった。思い出した。


「エンジュさん、助けて! 帰り道が塞がっちゃったの!」

『こっちよ! 橋をかけるから』


 エンジュが言った直後、消えかけた光の筋の向こうから水の筋が現れた。

 チョロチョロとした、心もとない流水だ。それが小さな橋のようになって、分断された光の道のこちら側とあちら側をかろうじてつないでいた。


『つかまれ。――飛ぶぞ』


 水の橋が消えないうちにと、ヨイチが助走をつけて駆け出した。その横を、光るパスカルも飛ぶ。

 飛んで、跳躍して、香月たちは光の穴に吸い込まれていった。

 光の中はまばゆくて、目を開けていられなかった。ギュッと目をつむっている間にも、身体がどんどん進んでいくのがわかる。

 どのくらいそうして飛んでいたかわからないけれど、やがて何か冷たいものが顔に当たるのを感じて、香月は目を開けた。


「……水……水芸?」

「水芸じゃねーよ! 俺の魔法だ!」


 顔に当たっていたのは、コウの持つ杖から出る水だった。どうやら、このチョロチョロしているのが、コウの隠していた魔法らしい。


「……助けてくれたの?」


 あたりを見回して、香月は自室のベッドに寝かされていることに気づいた。そして、ベッドの足元にエンジュが突っ伏していることにも。少し萎びたナス牛と毛艶の悪くなったアライグマもいる。


「そうだよ。エンジュさんと、俺と、ヨイチとパスカルでな」

「そっか。ありがと」


 部屋で倒れているのを見つけて、エンジュが助けてくれたのだと理解した。使い魔であるヨイチとパスカルを送り込んで。

 

「……もしかして、もう朝?」

「朝っつーより、午前中?」

「うそ……」

「俺はちょっと前に来たけど、もしかするとエンジュさんは徹夜で香月に付き添ってたのかも」


 母親に送られてきた荷物を開けたのは、夕食後のこと。真っ黒なものに飲み込まれて意識を失ってからは、長い時間だったような、少しの間だったような感覚だったから、もう夜が明けているどころか昼前だというのは信じられないことだ。


「どうしよう。寝かせとく?」

「寝ないわよ。寝ない寝ない。てか、起きてるわよ」


 香月とコウの視線に気づいたのか、伏せていたエンジュがむっくりと起き上がった。その顔には濃い疲労が浮かんでいるけれど、いつもと同じようにきちんと化粧が施されていた。


「早朝から張りついてたけど、さすがに徹夜じゃないわ。……おかえりなさい、香月」


 にっこりと微笑まれ、香月は胸が詰まった。

 怖かったのと、ほっとしたのと、嬉しい気持ちとがないまぜになったのだ。

 それでも、香月は笑った。助けに来てくれたエンジュたちの思いに応えるために。


「ただいま」




 それからコウが作ってくれたフレンチトーストでブランチにしながら、香月は自分のことを二人に話した。

 休学する理由になった出来事を。された仕打ちを。それを受けて、どれだけ傷ついたかを。

 これまで誰にも話さなかったことだ。話せなかった、というほうが正しいかもしれない。絶対に味方でいてくれるとわかっている、曾祖母のスミヱにさえ、話せなかったことだ。

 でも、話さなければならなかったことだ。もっと早くに。

 そうすれば、きっとこんなことにはならなかったのだから。

 飲み込まれた闇の中にすっぽりと何かを置いてきたからか、不思議なほど淡々と話すことができた。涙も出なかったし、思い出して怒りが沸くこともなかった。

 けれども、それはあくまで香月だけの話だ。


「んだよ、それ……香月、もっと怒っていいんだぞ! 暴れたって、何だったら殴ってやったってよかったんだ! ひでえな!」


 テーブルをバンバン叩きそうな勢いで、コウは怒ってくれた。まるで自分のことのように、あるいはそれ以上に怒ってくれているのを見て、香月は胸が少し軽くなるのを感じた。

 ずっと、こうして誰かに怒ってほしかったのだ。痛みをわかってほしかったのだ。きっと、ただそれだけでよかったのだ。


「『お元気ですか。悲しい行き違いがあって川本さんが学校を去ってから』って、行き違いじゃないっつーの! 本当にこのクソアマ教師、無能ね!」


 話を聞いてから元担任の手紙に目を通していたエンジュは、憎々しげにそれを破ってから、何事かを呟いた。

 すると、紙片になったその手紙が燃え上がり小さな炎になって、すぐに燃え尽きて消えてしまった。塵ひとつ残さずに。


「香月、嫌なことがあったら、怒っていいの。相手を嫌いになってもいい。でもね、憎しみに支配されてはだめ。そんなことをしてあんたの貴重な時間が減ってしまったら、一体誰が幸せになるっての? あんたの時間は、あんたを不幸せにしたやつらにやり返すためじゃなく、あんたが幸せになるために使いなさい。わかった? もし嫌なことされたらアタシに言いなさい。何か燃やして、すっきりさせてあげるから」


 そう言って、エンジュは今度はテーブルの上に置いていた色紙も燃やしてしまった。香月を裏切った生徒も、いじめの首謀者たちも、友人たちも寄せ書きしていた、全く嬉しくない色紙を。


「すっげぇ! エンジュさん、その魔法、俺にも教えて!」


 プリプリと怒っていたコウは、目を輝かせてエンジュの手元に見入っていた。


「だめよ! あんたたちはまず、人間としてしっかり生きていけるようになりなさい。魔法は、それからよ」

「……はあい」


 自分も含まれているのがわかって、香月は苦笑した。本当に、エンジュの言う通りだと思ったのだ。

 魔法を使いこなすためには、自分の中の様々なものと向き合わなくてはならない。そのことを、今回のことで嫌というほど思い知らされた。


「香月、いつも良い子でいようとしなくていいんだからね。そんなの、全然良い子じゃないんだから」


 真剣な表情で言われ、香月は神妙に頷いた。

 これまで心のどこかで恐れていた“良い子じゃない”という言葉も、エンジュに言われるとむしろ気持ちを楽にしてくれた。


「困ったことがあったら、ちゃんと助けを求めて。そのために、アタシがいるんだから」

「俺も俺も! ちゃんと頼れよ! 兄弟子だぞ、俺」

「……うん!」


 ひとりじゃない。心配してくれる人がいる。

 それを知ることができて、魔法よりも何よりも心強いものを得たと香月は感じていた。

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