表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/6

6  無詠唱の魔法

今回は少しテンポを意識して書いてみました。


急いで書いたため文章がおかしいところや拙いところがあるかもしれませんが、ご了承下さい。

後々修正するかもしれません。


次回はお風呂回です

「私が使ってるのは正確にいえば無詠唱ではないのよ」


「え??」


フルフルと顔を横に振ったソフィアさんは俺の言葉を否定する。


だが俺にはソフィアさんの言っている事がよく分からなかった。

だって、今使ってるやん。


ガッツリ火、でとるやん。


そんな俺の疑問を表情から読み取ったソフィアさんは「相変わらず表情に出るのね」と苦笑していた。


「確かに世間一般で言われている無詠唱を私は使えるわ」


「ですよね?」


「でも・・・」


ソフィアさんはそこで一旦言葉を切る。


え、何だろう凄い気になる。


ドラマの最終回の次回予告並みに気になるぞ・・・。


「あなたの使っている無詠唱とは違うわよね?」


はい、単なる俺への問いかけでした。


しかしその質問に対して俺は直ぐに答えることが出来ない。

何せ詠唱で魔法を使えるっていうのが俺には理解出来ないからなぁ。


そんなわけでハッキリとした答えが出せないでいた俺は逆に質問をする事にした。


「んー、多分違うんですかね?最初の頃にした質問を繰り返すようで悪いんですけど・・・なんで魔法を使うときに詠唱するんですか?」


「そうね・・・復習も兼ねてもう一度言いましょうか。まず魔法というのは自分の持つ魔力をスペルによって事象に変換する事を言うのよ。そのスペルというのが詠唱に当たるわね。例えばそうね・・・アルス」


「はい?」


説明の途中で急に名前を呼ばれたので返事をする。


するとソフィアさんは「それよ」と相槌を打つと説明を続けた。


「今名前を呼ばれて反応したでしょう?魔法も似たような事なの。自分の持つ魔力を望んだ結果にするために詠唱する。私がしている無詠唱というのは結論から言えば短縮に短縮を重ねて出来たもの。ある程度通じ合えた人同士ならさっきみたいに名前を呼ばなくても・・・」


そう言ってじーっとこちらを見つめてくるソフィアさん。


一体どうしたんだろうと一瞬疑問に思うがそこで閃いた。


「なる程、目で通じ合えたり出来ますね。つまりは相手の名前を呼ぶ事を短縮するのと同じで・・・詠唱を短縮して結果だけを起こしてるんですね」


「ざっくりと言えばそういうことね。もちろんこの無詠唱にはデメリットがあるわ。分かるかしら?」


そう言って期待するような目でこちらを見るソフィアさん。


何というか・・・やりずらいなぁ。

でも、弟子として答えたいという気持ちもある。


少し考えみるか。


ソフィアさんの使う無詠唱魔法は元々ある詠唱を短縮に短縮を重ねたもの。

例えに出したのは人への呼びかけとその反応についてだ。


もし、目で呼びかけるって例えがそのまんま魔法だとしたらどういう不具合が起きる?


普通に考えれば、ある程度理解のある者同士でも目で全てのやり取りをする事はできない。

ってことは短縮した無詠唱はたまに不発する?


・・・いや、でも魔法に関してはあくまで短縮しただけだ。

それで不発するという事は詠唱してもたまに不発するという事になってしまう。


では何か?


不発でないなら・・・


「・・・魔法の効果が弱まる?」


ポツンと漏らした俺の答えに満足そうに頷いたソフィアさんはごく自然に俺の頭へと手を乗せると撫で始めた。

どうやら正解らしい。撫でられるのはすんごい恥ずかしいけれども。


「正解よ。流石私のアルスね。そう。私のしている無詠唱というのは、詠唱を短縮できる代わりに魔法の効果が薄れるのよ」


「なる程、そうだったんですね」


「でも、アルスの無詠唱は効果に差がない・・・それは一体どうやってるのかを知りたいの」


撫でる手はそのままに、真剣な表情になるソフィアさん。

やっぱりなんだかんだいってもこの人は魔法が好きなのだろう。


長い事研究もやってたみたいだしな。


ここは俺も素直に言うとしよう。


「俺の無詠唱は・・・以前にも言った事があると思いますがイメージですね」


「言っていたわね。でも何故それで魔法が使えるのかしら・・・」


「そうですね・・・例えばソフィアさんは雷系統の魔法を使えますか?」


「えぇ使えるわ」


「では使ってもらっても?」


「・・・?えぇ」


俺の言う事に疑問を感じつつも言った通り雷の魔法を使ってくれる。


ソフィアさんが無詠唱で使った雷の魔法はそれなりの威力を持った状態で修練場に張ってある結界に当たり霧散した。

その結果を見た俺はやはり、と頷く。


「ありがとうございます。さて、ソフィアさん。今回使ってもらったのは雷系統の魔法。この系統の特性としては直線上へと放出される、でしたよね?」


そう、雷系統の魔法には特性があった。


威力が高く、目標物までの到達時間も短い汎用性の高い攻撃魔法である雷魔法。

しかし、その反面この系統は直線状にしか効果がないのだ。


でも、と続ける俺。


「それをイメージで補完すれば・・・」


手の平をソフィアさんの撃った魔法の方へと向ける。


そして無詠唱で放たれた先程の雷魔法よりも威力の増したその魔法は、やはり修練場の結界に当たり―――はせずにその直前でクッと九十度曲がった。


それを見たソフィアさんは驚愕したように目を見開く。


「そんな・・・雷系統の魔法が曲がるなんて・・・どうやったのかしら?!」


少し興奮気味に聞いてきたソフィアさんに俺は何てことないように答える。


「ですから、イメージです。頭の中で自分の望む光景を思い浮べて、その通りに魔力を使っただけですよ」


そう、本当にそれだけだ。


むしろ元が普通の高校生な俺には小難しい事は良く分からない。


だから、自分の中にある力を使ってこうしたい、あぁしたい思う。ただ、それだけ。

きっと厨二になった事のある人なら多少分かるはずだ。


アニメや小説を読んで、自分にもこんな力があったら、と考える事が。

本当そんな感じ。


格好いいからと言う理由で手の平から火の玉を出したかったら、出ろっと力を込めればいい。

すると、想像した通りに出てくれるのだ。


反面、使いたい魔法のイメージが曖昧だと発動しなかったリ、結果的に違う事象が起きたりするけど。


なので、どうやってやるの?と尋ねられても「イメージです」としか答えられないのだ。


そんな俺の説明を聞いたソフィアさんは「・・・そう。やっぱりあなたは・・・。まぁまた色々と研究してみる事にするわ」と何か諦めの入ったような声でそう言うのだった。

よろしければ評価、ブクマなどお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ