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4  屋敷への来客

あらすじにも表記したのですが、ストック分での投稿をミスってしまい数話分とんでいたいたので再投稿しました。


魔界でのお話はまだ数話分あります。


余談ではありますが、個人的にエルフは色白金髪ペッタンコというのイメージを持っているのですが皆さんはどうでしょうか?

さて、そんなわけでこの世界での我が家である、通称「幽霊屋敷」を改めて紹介したいと思う。


何がそんなわけなのか全然分からないけども。


…まず、何が凄いってこの屋敷!!

人がちゃんと住んでいるのについた名前が「幽霊屋敷」!これには住居人もビックリですね。


では何故こう呼ばれるようになったか?


当然、それにも納得の理由が御座います!


ここに住む住居人が余りの居心地のよさに外へ出ず、引きこもるようにして生活をしているので当然屋敷から人が出る姿を見る人は殆どいません。


そうすると当然、本当にここには人が住んでいるのかという話になりますよね!それがやがて「ここに人なんて住んでいないんじゃないか?」という噂として広まり、果てに「幽霊屋敷」と呼ばれるまでになったのです!

まぁ住んでるのは人じゃなくて次期魔王とその愉快な仲間達ですが!


そしてそして、このお屋敷。

凄いのはもちろんその名称だけではぁあーりません!


単純にものすごく広いんです!

部屋数に至っては住居人でさえあやふやな程に!


しかも住居人の一人である次期魔王は親のすねかじりで住んでいるため家賃はゼロ円!

それに伴い他の住居人の家賃も驚きのゼロ!

そして初期費用もゼロ!光熱費もゼロ!ゼロのオンパレードなのです!


挙句に美少女メイドが七人もいて、常に身の回りの世話をしてくれるので家事などが苦手な人も一安心でしょう!


このメイド達、唯一の欠点としては皆んな変態な事ですがそんなものは些細な事です。人類は皆変態とはよく言ったものですね!この辺にいるの皆魔族ですけど!

しかも実際このメイド達が変態と化すのは次期魔王に対してだけなので他の住人は安心して暮らせるでしょう!


内装に関しても欧州風な「いかにも」な造りになっているので気にいる方も多いこと請け合いです!


そしてそしてそしてぇー、名称に広さにメイドと既にバラエティ豊かなこの屋敷にはこの他にも目玉と言っても過言ではないものがあるのです!


それは何といってもそう、修練場がある事!


修練場があるお屋敷なんてそんじゃそこらじゃあ、お目にかかれませんよぉ!


更にこの修練場、剣の鍛錬してよし、魔法の鍛錬をしてよしとオールマイティな優れもの!これは嬉しい!


そんな最新鋭の様々な設備が整っていて、メイドもいる。

ついでに今なら次期魔王が同居人というレアな体験もできてしまうような素敵な屋敷が何と何と!

今なら驚きの二十部屋程空室が御座います!さぁ、入るなら今!今すぐ、ご連絡を!



…と、いうわけで。

余りに暇すぎたせいで多少変なテンションにはなってしまったがそこはまぁいいとして。


改めてこの屋敷について振り返ってみたのだが、これらを通して俺が言いたいのはつまりはそういう事だ。


「で、なんでなんだ?」


「何がでしょう、アルス様」


椅子でポケーッと座っていた俺は部屋の掃除に精を出していたリリアに唐突に質問してみた。


リリアくらいになれば俺の心も読めるかと思ったがやはり無理だったようだ。


それまで真剣な表情というか無表情というか。

その中間の表情で掃除していたリリアは俺の質問に対して満面の笑みで聞き返してくる。


どうやら質問の意図は分からなかったみたいだが俺に話しかけられたのが嬉しいらしい。

そうだよね、時々自然を装いながらこっちの方チラチラ見てたもんね。気付いていたよ。


そんなリリアに対して、俺はヤレヤレと首を振ると人差し指をピッと立てる。


「いやな、なんでこの屋敷こんなに広いのにほとんど人がいないのかと思って。それに特に不自由があるわけじゃないけどさ」


「なる程、それを不思議に思っておられたのですね。察することが出来ず申し訳ありません」


「いや、実際何考えているかなんて分かるはずないから別にいいんだけど」


「なりませんッ。メイド長たる私は常にアルス様の心中を察せるようになりませんと!」


「普通にプライバシーなくなるからやめてね?」


俺の考えてることが常に分かるようにって普通に嫌だよ。

メイド長というよりももはやストーカーの域だろう、それは。


心底嫌そうな顔をした俺だったが、そんな事はお構いなしにリリアは続けた。


「それで、この屋敷に人があまりいない理由ですよね」


「ああそうそう。七年くらいここに住んでるけどさ。ふと疑問思ったのよ」


そう。

この世界に転生して早七年。


これまでは魔王の息子という特殊な立場と、全く新しい世界での情報を得る事に必死だったためあんまり気にする事はなかったのだが最近ではこの世界での知識もそれなりに集まってきていた。


剣や魔法の訓練なども一通り習い終え暇な時間ができてきたこの頃は今まで気にする余裕のなかった事に対して「なぜだろう?」と疑問を持つようになっていたのだ。


今日はたまたま屋敷についてだったが最近は気になった事がある度に聞くようにしている。


そんな俺の疑問に一つ頷いたリリアは「そうですね」と一言置くと話し始めた。


「この屋敷に人がいない理由は、意図してアルス様がここへ住んでいるという情報を伏せているからです。アルス様は前魔王様の子息でありますが、人間族や他種族との停戦に不満を持つ他の上位魔族などに命を狙われないとも限りません。その対策として、必要最低限な力をアルス様が身につけたと私どもやギルス将軍、他に数名いる者達が判断するまでこの屋敷で過ごしていただき、その後改めて城へと移住する予定だったのです」


「え、やっぱり俺城持ってるんだ」


「当然、御座います」


ふむ、なる程。


つまり停戦した今、出来る事がない俺がわざわざ城へ住む必要はなく・・・それどころかむしろ城に住むという事で自ら居場所を明かし命を狙われる危険性を共にするよりかは、それに対抗できるくらいの力をつけるまでは住居を秘匿して隔離しておこうということか。

仮にも次期魔王だし、何かあったらマズイという保身的な考え方なわけだ。


まぁ何ともありがちっぽい感じの理由だ。

貴族社会とかこんなのしょっちゅうありそう。


我ながら雑な感想だな。

だが考えていたより意外にもちゃんとしていた理由になるほど、と納得しかけた俺だったが今の話しで一つ気になった事があった。


「でもさ、それにしては外部から人が入ってくる事が結構あるよな?」


そうなのだ。


我が屋敷に常住しているのは俺とメイド七人、他数名の使用人。

それ以外にもギルスや他の見知らぬ魔族達が度々訪ねてくるのだが・・・。


先にリリアが話した話が本当ならばあまりこの屋敷に人を呼ばない方がいいと思うんだけど・・・。


俺の言いたいことが伝わったのかリリアは安心してくださいと言わんばかりに微笑んだ。


「アルス様の懸念は尤もでございます。しかしこの屋敷を訪ねてくるのは前魔王様が信を置いていた者達ばかりなので心配はないかと」


「まぁ、そうだよな」


ちょっと考えれば分かる事か。


たまに見る強面の人や小太りのおじさんなんかもきっとこの魔界では偉い人なんだろう。


たまに俺が挨拶すると滅茶苦茶デレデレで接してくるからそんなイメージはなかったけど。

でも気になっていたことは分かった。


やっぱり俺はめんどうくさ、いや、偉い立場にあるんだなぁって事だ。

この世界でもう一回死にたくないし、守ってくれるというなら全力で甘えるけどね。


疑問に思った事がまた一つ解消されうんうんと頷いていた俺とそんな俺を何故か凄い幸せそうな顔で見ていたリリアだったが、不意に屋敷を訪ねる者を知らせるベルが鳴った。


「お、誰かきたぞ」


「この時間に誰かの訪問予定はなかったはずですが・・・」


おかしいですね、と言いながら備え付けのビジョンで玄関先の様子を見たリリアはむっ、と顔を強張らせた。


そんなソフィアの様子に何かマズイ相手でも来たのかと身構える俺。

今の会話の流れだから余計に警戒してしまっただけかもしれないけど。用心するに越したことはないだろう。


「それで、結局誰なんだ?」


「・・・ソフィア様です。一体なんの用でしょう・・・取りあえず私は玄関を開けて・・・」


と、リリアが全てを言い終わる前に俺は脱兎のごとく部屋から飛び出していた。


ソフィアと呼ばれた来客を迎えるためではない。


逃げ出したのだ。

己が身の危険を感じて。


このタイミングで逃げ出しても逃げ切れるかは微妙だけど・・・やらないよりはマシだ!!


実はリリアが言っていたソフィアという人物。

この人は俺の知っている人だったりする。


では何故逃げたのか?


それには勿論理由がある。


それは・・・・。


「あら、逃げるなんて酷いじゃない。むしろ真っ先に迎えに来てほしかったわ」


「うぐっ」


何処からか透き通るような綺麗な声が聞こえてきたと思ったら俺の進行方向に穴のようなものが現れる。

それを見てやはり逃げ切れなかったか・・・と観念した俺は引きつった笑いを浮かべた。


「嫌だなソフィアさん。ちゃんと迎えにいくつもりでしたよ。ただちょっと野暮用があったもので・・・」


「そんな用なんて後でいいじゃない。何よりも私を優先してほしいの。ね?」


そうして穴から出てきたのは、美しい金髪をしたエルフ族と呼ばれる種族のリリアやシアナにも負けず劣らずの美少女だった。

身長は女性にしては高い百六十半ば程度で、やはり整った顔立ちであり、白い肌と美しい金髪は何とも輝かしいコントラストを生み出していて存在そのものがまるで一つの芸術作品のような雰囲気がある。


そして何より、長い耳が人間族や魔族なんかとは違うところだろう。

前の世界で言えばエルフが長い耳をしているというのはテンプレ扱いだったから別に驚かないんだけど・・・このソフィアさん。

耳とは違い、一つテンプレと呼ばれるものとは違う事がある。


それは、胸。

そうお胸だ。


俺が読んでいたようなラノべと呼ばれる本や中学生の頃なんかに見たアニメではエルフというものは基本的にペッタンコであることが多かった。


しかし、ソフィアさんはペッタンコという言葉がまるで当てはまらないとてもグラマスな体をしている。

高校生の時の俺では綺麗すぎる顔と、ないすばでぃに気恥ずかしさを覚えて直視できなかっただろう。


そのくらい美人さんなのだ。


そんなソフィアさんだったが、ただ綺麗な人というわけでなく実は俺の魔法の師匠でもあった。


俺が二歳くらいの時は毎日魔法を教えてもらっていたものだが、最近では昔ほどの頻度では会っていない。

何故かというと、ソフィアさんが俺に対して教える必要がなくなったから。


俺はこの五年間で、教えてもらった魔法のその全てを覚えたのだ。

最近ではむしろ前の世界の知識を生かして新しい魔法などを作っているくらいである。


そんな俺の魔法に興味津々なソフィアさんは共同研究と称してこうしてたまに屋敷へと尋ねてくるのだが・・・。


実のところ、俺はこのソフィアさんが苦手であった。


だから会う前に何とか逃げれないかと思ったのだが・・・結果はこうして相対しているのがいい証拠だろう。

ちくしょう。


ちなみに性格的に嫌いなわけじゃない。むしろ昔から良くしてくれるし、優しいし、綺麗だし・・・およそ思いつく人間性的な部分では大好きと言ってもいいだろう。


だが、苦手なのだ。


それは・・・。


「さて、三日ぶりくらいにアルスに会ったのだし取りあえず一緒にお風呂に入りましょうか」


そう、これだ。


俺が教えてもらっていたエルフ族の知識では、エルフ族の女性というのは基本的に他人には肌を見せず、接触も好まない。

もし事故で裸を見ようものなら命はないものと思え、という内容だった。


これが過剰な表現だとしても、少なくとも他の者に肌を晒す事に抵抗がある種族のはずだ。

それだけ聞けば人間族や魔族なんかもそうだろうとは思うが、それに輪をかけて、という意味で。


しかし、ソフィアさんは例外なのか昔から俺のことを凄い可愛がってくれた。

それはもう甘いだとかいい人だからという範疇を超えて。


とにかく、身体的接触が多かった。


その上俺と入るお風呂が大好きなようなのだ。


元々そういったことにあまり興味のなかった俺だが、この世界へと転生して殊更に性への興味は薄れた。

恐らく歳のせいだろう。


まだまだ子供といえるこの身体は、精神的には大人だったとしてもその成長に体が追い付いていないのだ。


なので別段ソフィアさんとお風呂を入ろうが、リリアとお風呂に入ろうが邪な欲望が芽生える事はないのだが・・・・やはり羞恥心というもの変わりなくあった。



何とも男として情けないのかもしれないが、だって本当に恥ずかしいんだもん!!


分かるか?本当はもういい大人なはずの俺が滅茶苦茶綺麗なお姉さんに頭だとか体だとかを洗われるんだぞ?

それも向こうは一切隠す事無く、本来であれば鼻血を噴き出して倒れてもおかしくないような身体晒した状態でだ。


一体何のプレイだって話だよ・・・。


とにかく、そういった理由で俺はソフィアさんが苦手なのだ。


今回も例に漏れず、真っ先にお風呂へ誘ってきたソフィアさんだがそれに対して苦笑いを浮かべる俺。


「お風呂はまた後で入りましょうか。それで、本日のご用はなんでしょう?わざわざこの屋敷へ来たという事は何かあるんですよね」


「そうね。お風呂は話が終わった後にしましょうか。実はね、アルスに相談があるのよ」


「相談・・・ですか?」


やっぱり入るんだ・・・と最早諦めの境地へと至っていた俺だったが、その後の言葉を聞いておや?と首を捻る。


ソフィアさんは俺の恩師といっても過言ではない人だ。

そんな人が俺に相談って・・・・一体何だろう?


そう思い訝し気な表情をした俺を真面目な顔で見ていたソフィアさん続けて言った。


「私に、魔法を教えてほしいのよ」

読んでくださった方々に感謝を


もしよろしければ感想アドバイス、評価ブクマなど是非お待ちしております。


いやぁ、ずっと出したかったエルフの師匠を飛ばして投稿するなんて・・・これはソフィアさんに魔法で消されちゃいますね!悔いはないですけどッ(殺

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