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村人Bは勇者になる夢を見るか  作者: Y・Y
第一章 村人編
6/201

第5話  試験

なんて言うか、テンションを保つのも苦労しますね。

第五話始まります。

 


 前回までのあらすじ!

 今さら本気(仮)を出したニート兼主人公、村人『B』が『A』になるため試験を受けることになった! だが、ニートの彼には荷が重すぎたようだ。寝坊、迷子、馬鹿の三拍子が揃った彼にできるものなんて無い。そう思われていたのだが……


 ……あれ? 何だっけ?

 ああ、そっか。

 炎天下での地獄の直立不動を強いられて、僕の人生おかしな所だらけだって叫んだんだった。

 僕は頑張るよお母さん。もし合格したら、僕を二度とヒキニートと呼ばないでね。 


 はぁ~。

 なんてため息を着くことさえ許されない、そんな状況が僕をおかしくしていった。


 何だよ。何なんだよ! 何でこんな仕事をしなきゃいけないんだ! ふざけるなぁッ~! って叫びたいよ! これは罠だぁッ!


 という態度を表に出しただけで不合格。理不尽ここに極まれりだ。


 しかもここはオンラインRPG。さらに言えば、最近人気で急速にプレイヤー数を増やしているというあの『アベンジドラゴンズ』じゃないか!

 つまりどんどん新規プレイヤーが入ってくるじゃないか。つまり僕の今の仕事は現状大忙しというわけだ。

 だが、いくら入って来ようと! サービス開始日からやり込み続け、四天王の一人に数えられるこの僕に! 追い付けはしなぁぁい!


?『だがやつは四天王の中でも最弱!』


 フッ! 課金で培ったこの伝説的パラメータを見よ!(誇らしげに)


?『課金に頼りきった四天王の面汚しめ!』


 誰だァッ! さっきから五月蝿いのはぁぁッ!

 はぁっ、はぁっ、なぜ、脳内で、疲れにゃ、ならんのだ! と・に・か・く凄いのは認めろ!

 体力、攻撃力、防御力、敏捷性、反応速度、どれを取って見ても、ほぼカンストだぜ!(唯一、運がない)

 アイテムだって最高レベルの物ばっかだ!


?『ガチャから出るものばっかじゃないか!』


 黙れ! 運がないせいでドロップしないんだよッ! チクショウ、誰だァッ! 物欲センサーとか言い出したのはッ! 上手いこと言いやがって! 引っ掛かってばっかだよ!


 話が逸れに逸れまくっているどころか隣のレールに飛び乗った挙句、盛大に脱線事故を引き起こし、修復不可能の損害を、自主的に自己満で発生させていることに気づくのにはまだまだ掛かるので、取り敢えず落ち着くまでカット!



 ――というわけだ!(どういうわけだ)

?(やべぇ、マジで意味分かんねぇ。カットが裏目に出ちまった)

 分かってくれたかい諸君!

?(いや誰も分かんねぇって。あぁ、もうどうだって良いや!)

 それと現実のパラメータと比べるなんて野暮な真似はするんじゃないぞ!


?『振りですか? 振りですよね? はいどーん』


 ちょっ、おまっ、

 彼の頭上にポップアップされたパラメータは見事に予想通りだった。


 正・反・対だッ☆!



 ――そういえば、プレイしてない間、プレイヤーキャラ達は何をしているのだろう? 確かあいつらはこのゲーム用に開発された新種のAIで、プレイヤーによって性格が変動する筈だけど……?


 ッッ!

 バカなッ! いや馬鹿だッ! つまり僕が馬鹿だッ!

 目の前に見えたのは、クソダサファッションで街を闊歩するゴミのような男、僕の金を注ぎ込んだ努力の結晶。こんなヤツを育ててしまったのか?

 後悔を感じた瞬間だった。(今更後のフェスティバルだ)


 それからというもの、無心で応対を続けた。これ以上幻滅しないように。でも、流石と言うか、様々な会話が繰り広げられていたので紹介しよう。


?『無心だったのに? 矛盾が生じてない?』



 ――せーのっ!


『第一回、途中でこんな会話を聞いたので紹介しようのコーナー!』パチパチパチパチ


『ハイッ! 始まって参りましたこのコーナー! あんなヤツは無視して始めていきましょう! まず一つ目の紹介です! これはある男女の会話です。一体どんな会話が繰り広げるのでしょうか? 僕、気になります! それでは早速見て参りましょう!』



 (注意:仮名です)


タカシ「お前、そんな装備で大丈夫か?」


シスカ「大丈夫だ、問題ない。それに剣も使えるようになったしね!」


タカシ「バカな! 確かどんなゲームをしても、一度も攻撃が当たったことすらないと聞いたぞ! 一体どこで使い方を習った?」


シスカ「説明書を読んだのよ!」


タカシ「今まで、読んだことなかったんかい~!」


 彼らは決め顔で、僕の方を見た。

 こっち見んな! 止めろ! そんな目でこっちを見るんじゃねぇ!



『――以上です。どう思いますか? カイセツさん?』


『そうですね、このシズカと言うプレイヤー、ゲームを舐めているのでしょうか? 信じられない話です』


(うん? 気付いてない? あれって寒いネタだよね? 以外とカイセツさんってアホなの? 解説役なのに? この人で大丈夫なのか? ……まあいいや)


『ありがとうございます! それでは次の会話行って参りましょう! 次はある男達の会話です! どうぞ!』



 (注意:特徴です)


眼帯「まずいッ! パスワードを打ち込まなければ、運営に強制除隊させられてしまうッ!」


メガネ「落ち着いて、確かパッケージの裏にパスワードがあるはずだよ」


眼帯「そうだった! 以前もそうやって助かったんだった! ……ってこれはPCバージョンだッ! あるわけないだろ!」


メガネ「そもそもなぜそんなことに?」


眼帯「俺に憧れて、同じ名前にしたやつがいたんだ! そいつが利用規約に反することをした。軍人として恥ずべきことだ。除隊も仕方ない。だが俺に間違えられているのが問題だ!」


メガネ「そんなぁ、なら君は理不尽にも勘違いでBANされるのか?」


眼帯「駄目だッ! もう時間がない! あっ」


 眼帯を着けた壮年の男性は消滅した。


メガネ「蛇ッッッッ!」


 (フィクションのハズです。得に意図は無いハズです)



『――ハイッ! 以上です。いかがでしたか、カイセツさん?』


『ボスゥゥッ! なんてことだッ!』


『あの? カイセツさん?』


『ハッ! 取り乱してしまい申し訳ありませんでした。憧れるのは勝手ですが、利用規約に反するのは、ダメゼッタイですね』


『あ、ありがとうございました。次で最後です。最後は僕と、ある冒険者の一幕です。では、どうぞ!』



 かれこれ六時間程たった。開始時が午後一時ぐらいだったので、そろそろ人数が増えて来るだろうなぁ。

 おっと一人来たようだ。

 いいか、あと五時間だ! 今日さえ過ぎれば僕の勝ちだぁッ! だから頑張るぞッ!


「………」

「ようこそ! 始まりの町、ビガートへ!」

 フッ! どうだ完璧だッ! もう怖いものなんてないんだ!

 俺は村人を極めている!


「………」

 えっ?

「ようこそ! 始まりの町、ビガートへ!」


「………」

 はっ?

「ようこそ! 始まりの町、ビガートへ!」


「………」

「ようこそ! 始まりの町、ビガートへ!」

 最悪だぁぁぁッ! 僕で遊んでやがる! 一体いつまで続ける気だッ!(僕もよくやったなんて言えない)


「………」

「ようこそ! 始まりの町、ビガートへ!」

 ふざけるなァァァッ!


 その悲痛な叫びは、誰にも届くことはなく、僕の心を騒ぎ立てるばかりだった。

 以降、この一連のやり取りは数十回続いた。


 やっと止めてくれた。にしてもこんな気分だったとは。反省して次から絶対しないようにしよう。

 そう誓った。



『――ハイッ! 以上です。本当に酷い奴ですね。まったく困ったものですよ!』


『あのぉ? 私の仕事は?』


『それでは今回はこの辺で! 第二回で会えると良いですね! それではさようなら!』


『さっ、さようなら』



 ――というわけで僕の仕事も、もう終了間際だ! あと十秒なのでカウントダウンでもしようかな?

 行くよ! 三、二、一………


 

「ゼロッ!」


「どうしたの!?」


 あっ! そうかこれ試験だった! ガチムチが隣に居たんだった!


「申し訳ありません。少々舞い上がってしまいました」


「体調は大丈夫ですね。よろしい。では退室の準備をしてね」


 元に戻っちゃってるなぁ。

 そう思いつつも、僕は立ち上がり、一礼の後、


「それでは」


 そう言ってドアへ向けて進んだ。そしてドアノブに手を掛けた時、


「待ちなさい。アナタ中々やるわね。約十一時間分のストレスが一瞬に圧縮されているというのに、元気そのものじゃない。その調子で頑張んなさいよ!」


 褒められた………。いつ振りだろうか? こんな僕でも認められたんだ!


「ハイ! ありがとうございます」


 そう言って僕は笑顔で退室した。



 ――ふむ。

 確かに顔色が悪い奴らばっかりだ。もしかして僕は優秀な人間なのか? 僕の時代の足音はすぐそこまで来ているのか?


 コツコツ、

 噂をすれば来るもんだ。さあ歓迎しよう!


「ああ、試験が終わったのか?」


 し、試験、か、監督のお姉さん。まずい、今度はどんな小言を?


「ええ、たった今終わったところです」


 冷静とは無縁な心に反し、礼儀を見失わない体機能に感謝しつつ出方を見る。


「そうか、のわりには良い顔じゃないか。これは少々過小評価し過ぎていたかな?」


 また褒められた? マジで? やったー!

 見たか? 知ったか? 僕は天才!


「いえいえ、僕はまだまだですよ」


 謙遜、それは褒められてこそ行える、後ろめたさを感じずに済む最高の自慢!


「それもそうか。何しろ泣いてたもんな」


 ……早く忘れてください。


?『安心しろ! 俺はずっと覚えててやるから!』


 だからお前は誰なんだよぉぉ!

 せめて、せめてお姉さんには……、


「出来れば忘れて欲しいですがね」


「どうしようか? 取り敢えず君の弱みとして握っておくよ」


 うわぁぁぁぁぁぁぁ!

 僕は敗北した…………。



 ――にしてもそんなに凄い事なんかね? 僕の今の状態。


?『ただ、お前が無神経なだけじゃねぇの?』


 そう……かもな。

 特別ほど怖い物はない。僕は特別よりは、平凡の方が世間に馴染みやすいと思っている。

 出る杭は打たれるって言うしな。でも僕の解釈では、正確には……、

 まあどうでも良いか。とにかく家に帰ろう!


 帰り道の足取りは軽かった。なにせ本当に嬉しかったんだ。褒められる喜び、そうだよ! 僕はこの為に勇者を目指そうと決めたんだ。そうと決まれば、ここで満足出来る筈無いだろ!

 決意を新たに、僕は生まれ変わった気持ちで歩むことが出来た。


 なぜか既に合格した前提だが、それは間違いない!


 やっぱり僕の成長エンタメはまちがっていなかった!



ここまで見て頂き、感謝のみです。

もう少し、分かり易い書き方って無いんですかね?

書き方もまた学んでおかないとですね。

次回も明日投稿となります。では。

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